健康・医療

《専門家が教える「血管年齢」若返り習慣》重要なのは「食事」「運動」「睡眠」、おすすめは雑穀や野菜が中心の“地中海食” 食べる順番に工夫して「血糖値スパイク」の予防を

肥満を気にして食事量を減らすと血管に必要な栄養素が不足

 老いてしまった血管年齢でも、東丸さんは「若返りは可能」と話す。

「60代の高血圧の患者で、血圧を下げたことで血管年齢が80代相当から70代相当まで若返ったことがあります。そのかたは80代になっても、血管年齢を70代のまま維持しています。老化の進行を抑え、血管を若返らせるためには『食事』『運動』『睡眠』が大事です」

 まず見直したいのが、毎日の食事だ。池田さんは「地中海食」を推奨する。

「雑穀や野菜など植物性の食材をたくさん摂り、油はオリーブオイルを使い、牛肉や豚肉よりも魚介類や鶏肉を選んでください。そうした地中海食は血管の健康によいといわれています。アルコールは飲まない方がいいですが、飲むなら量を控えたうえで赤ワインを選ぶといいでしょう」

 栄養不足にも注意しよう。

「肥満を気にして食事量を減らしすぎると体力が低下し、血管の修復に必要な栄養素まで不足します。さまざまな食材をよく食べ、必要な栄養素をしっかり摂ってください。なかでも栄養バランスがよく、たんぱく質やビタミンが豊富な卵は、とても優秀な食材です」(東丸さん)

 何を食べるかだけでなく、食べる順番にも気を配りたい。健康検定協会理事長で、管理栄養士の望月理恵子さんは、食後に血糖値が急激に上昇し、血管にダメージを与える「血糖値スパイク」を防ぐことがポイントだと話す。

「野菜から食べる『ベジファースト』やたんぱく質から摂る『プロテインファースト』を行うと、糖質の吸収が緩やかになり、血管への負担を抑えられます」

血管を若返らせるおすすめの食品
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 食生活の改善とともに取り組みたいのが運動だ。

「軽く息が弾むくらいの有酸素運動を1日20〜30分以上行うのがいい。動くと血流がよくなりますし、脂質がエネルギーとして使われるので血中の中性脂肪やコレステロールの値が下がりやすく、血管の老化予防になります。

 最近は、週末などにまとめて運動する『まとめ運動』も有効だといわれています。平日はエレベーターの代わりに階段を使うなど少し意識する程度で、週末にジムに行くスタイルでも効果が期待できます」(池田さん)

 睡眠不足は血管に負担をかけるので、充分な睡眠を心がけてほしいと東丸さんは言う。

「寝不足になると、自律神経の働きによって血圧が高い状態が続きやすくなります。血管の健康を守るには、1日7〜8時間程度の睡眠をとるようにしましょう」

 日々のストレスにも気をつけたい。

「慢性的なストレスがあると交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上がります。そうした状態が続くと血管が疲弊し、老化が進みやすくなるので、ストレスを減らすことが大事です」(望月さん)

屋外で体を動かしやすい秋は血管年齢若返りのチャンス

 気温が下がり始める秋から冬は、「腸と血管への負担が増す季節でもある」と望月さんが言う。

「気温の低下だけでなく、屋外と室内の温度差や朝晩の寒暖差によっても、自律神経の乱れや血流の悪化が生じて、腸と血管に負担がかかります。

 腸はぜん動運動が低下して腸内環境が悪化しやすく、血管は収縮して血圧が上昇し、血栓ができるリスクも高まります」

 そうした季節の変化から腸と血管を守るには、これまで述べてきた生活習慣の改善とともに、何よりまず体を冷やさないことだ。

「発酵食品に加えて、毎日の食事に意識的に温かいスープや飲み物を取り入れて、体を内側から温めてください」(望月さん)

血管を若返らせる習慣
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 川本さんも、寒さが本格化する前から体を温める習慣をつけてほしいと話す。

「しょうがや旬の野菜である根菜類などは体を温めるので、積極的にメニューに取り入れるといいでしょう。紅茶も体を温めてくれます。体の表面温度が下がれば内臓温度も下がるので、入浴時は10〜15分くらい湯船につかって、体を内側から温めましょう」

 東丸さんは、暑さがやわらぐ秋こそ、積極的に運動をしてほしいと話す。

「血管年齢が高くて動脈硬化が進んでいても、体を動かしている人は100才まで元気だったりします。秋は屋外で体を動かしやすいので、血管年齢を若返らせるチャンスです」

 腸も血管も、年齢を重ねたからといって若返りを諦める必要はない。いつまでも健康で若々しくいるために、毎日の小さな習慣を積み重ねよう。

(前編から読む)

※女性セブン2026年10月29日・11月5日号

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