うなずきながら、むしろ驚かれたことに驚く私。取材にお邪魔しておいて失礼な話だが、「健康にいいものがおいしいわけがない」という思い込みから、これまでハーブティーは飲んだ覚えがあまりない。そもそも普段の食事は肉と甘いものが中心。野菜もほとんど食べていない。
ハーブ王子の正論に編集Eはたじたじに
「あの…私、好き嫌いが多くて、ハーブティーを継続的に飲めるか心配で(汗)。実はレタス以外の野菜も食べないんです」
「なぜお野菜が嫌いなんですか?」
「苦いからです」
「お野菜は比較的、甘いと思うんですけど…。その中でレタスはむしろ、苦みがあるほうですよね…」
苦笑する石山さん。絶対に嫌われたー! 住む世界が違う人間だと思われたー!!
「いや、人それぞれ、好みがありますから、いいと思います。でも、レタスだけだと栄養が偏ってしまいますよ。効能があるスーパーフードを食事に取り入れればそれだけでいい、というものではないですよね。健康でキレイでいたかったら、お野菜も食べないと実現するのは難しいです」
正論がこんなにも凶器になるなんて! グサっときたぜ。返す言葉が見つからなくて、笑ってごまかすしかなかった。さらに石山さんは私の好みを探るために、質問を続けた。
食生活やライフスタイルから味と香りの好みをひも解く
「今日のお昼はなにを食べましたか?」
「インスタントの焼きそばでした」
「昨日の夜は?」
「…たまたまなんですけど、カップヌードルのトムヤンクン味を」
人に食事内容を説明してみて、我ながら「ああ、本当に野菜食べてないなぁ」と実感した。結局、やきそばに入っていた野菜も残したし。
「糖質以外は、お肉がメインの食事なんですね?」
「魚も食べます。野菜が嫌いなだけなんです。バーニャカウダなど、ソースやドレッシングの味がすきなら食べられるんですが」
「濃い味がお好きなんですね…」
「お話をお聞きしたら、あんまりおいしいと思ってくれないかもしれないけれど…」と、微妙な顔をしながらも、石山さんは夏用にブレンドして販売しているというハーブティーを出してくれた。このお茶には、オレンジピール、ネトル、マジョラム、レモンマートル、マルベリー、ペパーミントの6種類が入っていて、デトックスやダイエットへの効果が期待できるという。
「香りはどうですか?」
「大丈夫です」
「大丈夫かあ(苦笑)」
「い、いい匂いです。苦くないです。おいしいです。もっと、キツいと思ってました」
「ハーブはあんまりおいしくない、というイメージは一般的なものだと思いますよ。このお茶はペパーミントとレモンマートルを使うことで、すっきりした口当たりに仕上げています。ベースになっている『マルベリー』も比較的あっさりした味わいなので、冷やしてアイスティーにしても飲みやすいんですよ」
まともな感想が言えない私に代わって、先輩が飲んでくれた。
「レモンのような香りがして、一口目にペパーミントの風味がありますね」
先輩は本当においしく感じているみたい。たしかに想像よりも飲みやすかったけれど、本音では砂糖を入れたくなった(痩せる気ゼロ)。健康にいいという飲み物に「甘くておいしい」は求めちゃいけないのだろうか?