
その日、空港の出発ロビーは“レッドカーペット”と化した。スーツ姿のSPに囲まれ歩を進める彼からは、まばゆいオーラが放たれていた。4月5日午後、平野紫耀(28才)が、翌6日と7日に大阪で開催されるライブに出演すべく、羽田空港に現れたのだ。
「ニットのカーディガンに黒いワイドパンツを合わせたオフスタイルでしたが、平野さんのキラキラしたスター感は隠しきれなかったのでしょう。彼に続き、岸(優太)さんと神宮寺(勇太)さんも来たもんだから道行く人は“プチパニック状態”だったようです。
大阪のライブでは彼らが所属するTOBEのアーティストが勢揃いしたのですが、平野さんが登場したときの歓声の大きさは圧倒的。国内での人気は盤石だと感じました。そして、その名声は徐々に海外にも届いているようですよ」(芸能関係者)
4月2日(現地時間)、世界で最も権威のある音楽賞「グラミー賞」の公式サイトに、1本の記事が掲載された。タイトルは「注目の日本のポップアーティスト10選」。その筆頭には平野ら3人からなるNumber_iの名が記され、NiziUやJO1などグローバルに活動を行う日本のアイドルグループらが続いた。
記事では、グループの経歴や、昨年4月に米カリフォルニアで行われた「コーチェラ・フェスティバル」に初出演したことなどが紹介され、「国際的に名をはせたいという彼らの野望は達成されるかもしれない」などと、ポジティブな評価が並んだ。長年グラミー賞を分析し、海外の音楽事情に詳しい音楽ジャーナリストの伊藤なつみさんはこう語る。

「このサイトに名前が載ること自体、とても意義のあることだといえます。YOASOBIを例にあげると、2023年8月に最初のインタビュー記事が掲載され、国外の音楽関係者にも広く知られるように。2024年4月にコーチェラ出演後、アメリカ国内2か所で単独公演、8月には大人気のフェス『ロラパルーザ』にも出演しました。米ビルボードが運営するグローバルチャート(日本を除く)の世界での日本の楽曲チャートで『アイドル』が2023年に11週連続1位に輝いたことでも人気がわかります」
スターダムにのし上がる準備が整ったNumber_i。彼らが目や耳の肥えた海外の音楽関係者に認められる日はいつ頃なのか。アメリカでの“本当の評価”を伊藤さんが明かす。
「平野さんのダンススキルをはじめ、ユニークで比類のない楽曲のオリジナリティーなど存在感は傑出していますが、アメリカでの認知度はまだまだ。曲が話題になり、単独公演を行えるレベルになることが重要です」
知名度向上のカギは、5月に米カリフォルニアで行われ、Number_iも参加が決まっている音楽フェス「HEAD IN THE CLOUDS LOS ANGELS 2025」だ。
「アメリカからアジアの文化の魅力を発信する88risingが主催する、アジアにルーツを持つアーティストが登場する人気のフェスです。アジアの音楽シーンに興味のある観客が多いので、アピールできるチャンスですね。YOASOBIは2023年にこのフェスに出演したことをきっかけに大躍進しています。Number_iもここからステップアップできるのではないでしょうか」(伊藤さん)
ハリウッドでも評価される日は着実に近づいている。
※女性セブン2025年4月24日号