毎日、何気なく入っているお風呂。体を洗うだけ、さっと浸かるだけでOK!…なんて思っていませんか? 実は健康&美容効果を得るための正しい入浴法があったのです!
お風呂の専門家たちが直伝するのは、温度、入浴時間、入浴剤など、効果を高める“目からウロコ”の工夫の数々…。マスターすれば、浴室はあなたの美と健康を支える最高の空間に!
お風呂が持つ3つの力
・温熱…血管が広がり血流がよくなるため、コリがほぐれる。さらに腎臓の働きを助け、老廃物を除去する。
・水圧…水圧で足に溜まった血液を押し戻し、血液の循環を促進。酸素を多く吸収し、心肺機能も活発に。
・浮力…体重が9分の1程度と軽くなって筋肉や関節がほぐれるため、心も体もリラックス状態となる。
入浴の最大のメリットは、温熱・水圧・浮力の三大効果により、血流がよくなること。
「血液は、体のエネルギー源となる栄養や酸素を全身に運んでくれるので、入浴するだけで効率よく代謝を促し、栄養を行き渡らせることができるのです。良質な睡眠に繋がることで得られるメリットもとても大きいですね。お風呂に正しく入らないなんて、本当にもったいないですよ」(バスクリン広報でお風呂博士の石川泰弘さん)
お風呂の専門家3人に入浴前と入浴中の“正しい入浴法”を教えてもらった。
【常識】入浴前にやるべきことは?
●浴室と脱衣所の温度差が10℃以上はキケン!
寒い冬はとくに、浴室と脱衣所の温度の差に注意! 10℃以上の差があると脳梗塞などを起こす危険性が。
「脱衣所を温めたり、浴室暖房がない場合は、42℃のシャワーで5分ほど洗い場に打ち湯を。小さな節約より、健康を第一に考えて」(お風呂のソムリエ・松永武さん)
●栄養は入浴中に運ばれるため食事は先に済ませておく
「入浴することで全身に血が巡り、体のすみずみまで栄養を行き渡らせることができます。そのため、食事は入浴前が効果的」(石川さん)
消化吸収を考え、食後1時間ほど空けての入浴を心がけたい。
●コップ1杯の水でデトックス効果をアップ
入浴で体温が上がると血液循環がよくなり、尿として老廃物が排出されやすくなる。
「ただ、体が水分不足だと血液がドロドロになり効果は減少。入浴前にはコップ1杯(200cc)の水分補給を」(石川さん)
【常識】ベストな入浴時間、温度は?
●長くても短くても効果ナシ! 40℃のお湯に15分がベスト
健康&美容効果を得るには、しっかりと深部体温を上げる必要がある。そのためには、入浴温度と時間がポイント。
「深部体温を上げるには40℃で15分浸かるのがベスト。お湯が熱いと短時間入浴になり、表面しか温まらず、すぐに湯冷めしてしまいます。逆に長時間入浴してもそれ以上の効果は得られません」(眠りとお風呂の専門家・小林麻利子さん)
→「腰痛・肩こりは40℃で10分」等つらい12症状別の温度と時間はコチラで解説!
1目盛が1℃で見やすい。お風呂用温度計ぷかぷか 1188円/佐藤計量器製作所 電話:03・3254・8112
●じんわり汗は体の芯まで温まったサイン
額に汗がじんわりにじんできたら深部体温が上がった証拠。
「汗をかかない体質は、むくみや体臭などの原因にも。正しく入れば自然と汗が出るようになり代謝アップに!」(松永さん)
●浸かるだけで汚れは取れる! やさしく手で洗うだけでOK
「実は、湯ぶねに浸かるだけでもほとんどの汚れは落ちています。ゴシゴシこすると、肌を傷つけて乾燥を招く原因にも。デコルテや脇、足の裏など汚れが気になる所は手を使ってやさしく石けんで洗って」(小林さん)
体を洗うタイミングは一度お湯に浸かった後が◎。
●バスタブの中では、リラックスして過ごす工夫を
入浴でリラックスすることにより、副交感神経が優位になり、免疫力はアップする。
「心身を解放できる場所を、ただの洗い場と考えるのはもったいない。音楽を聴いたり、防水した本やスマホを持ち込んで、自分へのご褒美タイムにしましょう」(松永さん)
教えてくれたのは
お風呂博士・石川泰弘さん
バスクリン広報。温泉入浴指導員として講演を行う。著書に『たった一晩で疲れをリセットする睡眠術』(日本文芸社)ほか。
お風呂のソムリエ・松永武さん
バスグッズ専門店「バスリエ」代表取締役、HOT JAPAN プロジェクト代表理事。快適なバスタイムの提案を行う。
眠りとお風呂の専門家・小林麻利子さん
生活習慣改善サロン「Flura」主宰。1700人以上の体の悩みなどを解決。著書に『読む お風呂の魔法』(主婦の友社)ほか。
撮影/菅井淳子 イラスト/きくちりえ(softdesign)
※女性セブン2019年2月21日号
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