大坂なおみ選手(21才)の活躍で、今、テニスブームが再燃。「テニスがしたい!」という女性が増加している。でも、何から始めればいいのか? テニス熱に火が付いた61才オバ記者とともに、テニス再開への道をたどりました。
40代以上の女性にとって、テニスといえば、すぐ思い浮かぶのがアニメ『エースをねらえ!』。若かりし頃、岡ひろみやお蝶夫人に憧れて、テニスを始めた人も少なくないはずだ。
「大坂なおみ選手の活躍を見て、”もう一度、テニスを始めたい”というかたからの問い合わせが増えました」と言うのは、『経堂インドアテニススクール』(東京・世田谷)代表の盛永英明さん。昨年、大坂なおみ選手が全米オープンで初優勝した時は、それ以前の約3倍の問い合わせが来たという。
「70代から始める人も多いですよ。最高齢は男性で97才、女性で93才。平均年齢70才というクラスもあるんです」(盛永さん)
平日の朝から多くの女性がラケットを振っていると聞き、さっそく某平日の午前9時にスクールへ。コートでは20~70代の女性たちが汗を流していた。週1回、スクールに通う75才のMさんは、テニスを始めたきっかけを次のように話す。
「運動不足が気になって、何かスポーツを始めたいと思った時に、このスクールを見つけました。歩いて通える距離なので、もう1年も通い続けているんですよ」
スクール選びにはいくつか方法があるが、長続きするのは、Mさんのように通いやすい場所であることだ。
「生徒さんは半径1km圏内に住んでいる人が多いですね。野原さんも少し打っていきますか?」(盛永さん)
盛永さんのお言葉に、「はい、あのラケットは…」と、すでにやる気のオバ記者だった。
ラケットもシューズもまずはレンタルで始める!
テニススクールにはインドアとアウトドアの2種類があり、コートはハード、クレー、グラス、オムニ(砂入り人工芝)、カーペットの5つに分けられる。ハードコートはセメントやアスファルトの上に化学樹脂がコーティングされたもの。クレーは土、グラスは天然芝、カーペットは主にインドアで用いられる。
「インドアは天候にも左右されず、空調も効いているので、いつでも練習できるのが魅力。アウトドアは開放感がありますが、これから始めるなら、インドアがおすすめです」(盛永さん・以下同)
多くのスクールに体験レッスンがあり、中には無料で受けられるスクールもある。今回、オバ記者が訪れた『経堂インドアテニススクール』では、500円で通常レッスンが体験できる。ラケットはスクールで用意しているところも多く、無料で貸してもらうことに。
「最近のラケットは250~300g程度と軽くなっています。錦織圭選手(29才)モデルのラケットも300gと軽いんです。また、ラケットのフレーム(ボールを打つ丸い面の部分)が大きくなっているのも特徴。フレームが大きくなることで、スイートスポットといって、当たるとボールがよく飛ぶ場所にも当たりやすくなり、初心者でも打ちやすくなっています」
服装は、ポロシャツやTシャツにスエットなど、動きやすいものであればOK。例えば、錦織選手やロジャー・フェデラー選手(37才)などが使用しているユニクロのウエアであれば、プロ仕様のレプリカモデルも販売されている。
ただし、シューズだけは専用のテニスシューズでなければコートには入れないので、レンタルするか、購入する必要がある。今回、オバ記者はシューズを1日325円でレンタルすることに。
コートでは誰もひとりぼっちになることはない
コートに入ると、まずはラケットの持ち方を教わる。そして、「次は素振りか」と思ったら大間違い。今は初心者でも、いきなりボールを打てるのだ。
「まったく球技をやったことがない人には、ボールの感覚をつかんでもらうために、キャッチボールなどから始めますが、それでも数回、コーチとキャッチボールをしたら、打つ練習に入りますよ」
ラケットを握って構えると、すっかり気分は”大坂なおみ”だ。コーチがワンバウンドで投げたボールをフォアハンド(ラケットを持つ側)で打つ練習からスタート。最初はネットに当たってばかりいたオバ記者も、10球を過ぎた頃にはネットを越えて遠くまで飛ぶように。
「これは快感ね~」(オバ記者)
コツはラケットを振るより、体全体を使ってひねるように打つことだ。「これにはラケットの進化が大きく影響している」と、テニス歴20年のSさん(60才)が教えてくれた。
「最近のラケットは、よくボールが飛ぶようにできているので、初心者でもすぐに上達しますよ。でもね、大きく振りすぎると、飛びすぎちゃうから、体の軸を使って振るのがいいんですって」(Sさん)
45分のレッスンでサーブにも挑戦!
レッスンはその人の体力に合わせて行われる。それゆえ、コーチが投げたボールを打つ練習をしたり、コーチが探してくれた人とラリーをしたり、さまざまだ。一度でもテニスをしたことがある人なら、のみ込みも早く、1日の体験レッスンで、サーブまでできるようになる。
オバ記者も最初はボールを打ち返すだけで、息が切れていたが、慣れてくるとコツがつかめ、どこにボールが来るかわかるようになったという。
「テニスは目でボールを追い、手と足も使うので全身運動になります。また、駆け引きやボールを打つ場所など、とっさに判断することが多いので、脳トレにもなるんですよ」
たしかにボールが来る方向を判断するには脳を使う。そのため、普段より集中力も高まっているようだった。レッスン時間は45分、55分、90分のいずれか。初心者は45分から始めるが、集中しているためか、あっという間に時間終了。45分では物足りず、ほとんどの人が90分のレッスンを受けるそうだ。
ラリーができるようになると楽しさ倍増!
時間の経過とともに、ボールを打ち返せるようになる。コーチ相手にゆっくりだがラリーもできるようになると、バックハンドの練習に。普段、使わない体の筋肉を使う動きに”運動した! 感”満載だ。
「打つ力が弱い人はジュニア用の柔らかいボールでラリーをすることがあります。柔らかい分、ボールは遠くまで飛びませんが、ラリーの練習にはぴったりなんです」
ジュニア用のボールは一般用より大きいため目で追いやすく、打ち返しやすい。たった45分のレッスンなのに、自分で上達したことを実感できるため、やっていて楽しいのだ。
スクールに通い始めて4年になる石井百合子さん(47才)は、日々上達していくのが楽しくてたまらないと語る。
「テニス仲間には、40代で始めて現在60才になり、”今がいちばんテニスが上手で、楽しい!”とおっしゃるかたもいます。大人になると、昨日できなかったことが今日できるようになるなんてことはあまりないですが、この年でも、まだ成長できるって思えるのがうれしいんです」(石井さん)
どんなことも早く始めるに越したことはないといわれるが、いくつで始めても、経験がなくても、楽しくラリーができるようになる。それが、テニスの魅力の1つかもしれない。
体験後、本格的に始めるならすぐにラケットを買うべし
最初はラケットもレンタルで構わないが、本格的に始めるとなると自分に合ったものを手に入れたい。テニス用品専門店『ウインザーラケットショップ渋谷店』の副店長・小松英明さんは、「はじめての人こそ、ラケット選びにはこだわってほしい」と言う。
「人によって好みもありますし、グリップを握った時の感覚なども違うので、レンタルできるものが必ずしも自分に合うかどうかはわかりません。本格的に習い始めるなら、テニス専門店に行って、実際にラケットを手で持ってみるといいですよ」(小松さん・以下同)
ラケットは女性の場合、280~290gがスタンダードな重さだ。
「力のない人は270gくらいでちょうどいい。また、フレームの幅が広いものはボールが飛びやすいので、初心者には100平方インチで幅26mmのラケットがおすすめです」
昔はフェイスに張られたひもは、ガットと呼ばれていたが、今はストリングと呼ばれている。
「ガットは、羊などの腸を使ったもののことです。昔は天然素材を使っていましたが、今は、ナイロンやポリエステルなどを使うようになり、ストリングと呼ぶようになりました」
前述のようにレンタルできるようになったが、テニスの必須アイテムであるシューズにはカーペットコート用、全天候型のオールコート用、オムニ・クレー用がある。
「屋外コートでは、オールコート用やオムニ・クレー用のシューズが使えます。カーペットコート用は、全天候型と違って靴底の溝が少なく、滑りやすくなっています。コートに合わせて、シューズを選ぶ必要があります」
ひと昔前は白ばかりだったテニスシューズも今はカラフルに。それはウエアも同様だ。
「花柄のワンピースや色遣いのあざやかなポロシャツなど、普段着にしている人もいらっしゃいます」
レッスン後にテニス仲間とお茶する時間も楽しい
スクールに通う人たちの多くが、テニスを始めて友達ができたことがいちばん大きな収穫だと語る。
「レッスン後、毎回みんなでお茶をして、テニスのことから家のことまでおしゃべりしてから帰るんです。年代の違う人とも仲よくなれます。おしゃべりをしながら、プレーするのも楽しいですよ」(72才・主婦)
コートでラケットを振る女性たちは、キラキラしていて、実年齢よりもマイナス10才くらい、若々しく見えた。新たなことに挑戦したくなる春、ダイエットも兼ねて、テニスを始めてみるのも、いいかもしれませんよ~。
オバ記者が綴るテニスコラム「お蝶夫人になります!」
40年ぶりにテニスを“再開”したオバ記者。「お蝶夫人になります!」と意気込んで臨んだが、実際どうだったのか? オバ記者が綴ります。
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私が青春時代を送った1980年代の3大ミーハースポーツはテニス、スキー、ダイビング。中でも私はテニスに夢中になった。あの頃、20代の女はみんな意味なくテニスラケットを持ち歩いていたんだから。
あれから40年。フリフリのアンダースコートが消えたのは知っていたけど、ラケットの軽さにはビックリ。私が振り回していたデカラケの半分の重さ(290g!)だって。「コートを走ったら古傷が…」と怖気づいていたけど、足に優しいコートだし、第一、走らない。
イケメンのコーチがちょうどいいところにボールを出してくれて、スポーン! スイートスポットで打ち返す気持ちよさといったらどうよ!
とは言ったものの、老眼で飛んでくるボールが見えにくいんだよね。この際、遠近両用の老眼鏡を作って、もしかしたらステキな出会いも? 20代で夢中だったことをしたら、気分まで春めいたのでした。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2019年3月14日号
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