紫外線などによるダメージで、年を重ねるたびに増えていくシミ。予防には日常でのケアが大切だ。これ以上シミを作らないためには何をすべきか。2人の皮膚科医が自ら実践している方法を教えます!
紫外線から肌をガードする
シミの大敵である紫外線を防ぐのに勝るシミ対策はない。
「私は一年中、日焼け止めを塗るようにしています。朝起きたら洗顔や化粧水などのスキンケアの最後に、日焼け止めを塗るところまでがルーティン。日当たりのよい室内にも紫外線は降り注ぐので、外出予定がなくても日焼け止めは欠かしません」(皮膚科医の服部英子さん)
日焼け止めは化粧前に顔全体に塗るのだが、注意したいのが量と塗り方だ。
「SPF値が高いからといって、少量でも効果があるだろうと薄く伸ばしていると、効果は半減します。使う前に使用上の注意をよく読んで、用量を守って使わないと充分な効果は期待できません。目安は一円玉くらいを顔全体にしっかり塗布すること。目のまわりや髪の生え際、耳の辺りなど顔の側面は塗り残しやすいので意識して塗ってください」(服部さん)
また、のむ日焼け止めにも一定の効果はあるが、それだけに頼らず、塗る日焼け止めと併用するのがおすすめだ。
「私の場合は、日焼け止めが肌に合わないので、UVカット効果のあるパウダーファンデーションを使っています。合わない日焼け止めで肌に炎症が起きると、そこから紫外線を吸収しやすくなってしまうので、その場合はパウダーファンデーションをしっかり重ねづけすれば、紫外線をガードできます。体はUVカットの衣類で覆うのがベストです」(皮膚科医の吉木伸子さん)
日焼け止めだけに頼らず、しっかりガードしよう。
美白コスメでメラニンの生成を抑える
シミ対策に欠かせないのが美白コスメ(美白成分を配合した医薬部外品や化粧品)。選ぶ場合のポイントは、肌の中でメラニンが作られないように働く成分が含まれるものであるかどうか。アプローチポイントによって有効な成分は異なるため、下表の3つを参考に選ぼう。それぞれ今あるシミに加え、これからできるシミの予防に働くので、日々のケアに取り入れ、顔全体につけることだ。
「適量を手のひらにとって軽く広げたら、頰を包むようにして押さえてつけ、残りを額や目元などの細かい部分に広げます。肌に刺激を与える摩擦はくすみの原因になるので控えましょう」(吉木さん)
ピーリングでメラニンの排出を促す
加齢などにより、肌の代謝が低下すると、肌表面に上がってきたメラニンがきちんと排出されずにとどまり、肌に残ってシミになる。
そのためピーリングでターンオーバーを促進し、メラニンの排出を促すのは、さまざまなシミに有効だ。セルフケアもできるが、AHA(アルファヒドロキシ酸。フルーツ酸ともいわれ、グリコール酸が代表的)を用いたクリニックでの治療が効果的。
「シミの部分が気になり、ゴシゴシと力を入れてこすると、刺激がシミを濃くしてしまうので、やさしくなでるようにケアしてください」(服部さん)
抗酸化力のあるビタミンA・C・Eを食べ物で摂る
体の中からの紫外線対策もシミ予防に働く。
「抗酸化力のある食べ物を摂ると、紫外線に対する抵抗力が高まります。美白ビタミンとしてはビタミンCが知られていますが、抗酸化力の高いビタミンAとEを併せて摂ると、肌が紫外線のダメージを受けにくくなります。緑黄色野菜を積極的に摂るのも、シミに負けない肌作りにつながります」(吉木さん)
ビタミンAを含む食べ物にはにんじん、ビタミンCにはブロッコリー、ビタミンEにはかぼちゃなどがある。
イラスト/鈴木みゆき
※女性セブン2019年8月1日号
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