11月になると、街は少しずつクリスマスムードへ。ついこの前まで半袖を着ていたというのに、なんだか一気に季節が進んだように感じられます。寒さや空気の乾燥、忙しさなどが日ごとに加速していく環境の中、年末まで元気に駆け抜けるためには、しっかり栄養を摂れる食事がマスト!
ということで、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんに、疲労回復や風邪予防に効果的で、忙しくてもパパッと作れるメニューを直撃しました!
「おいしさ」も「栄養バランス」も「手軽さ」も、どれも譲れないライターFが徹底レポートします。
見た目以上に手軽で栄養たっぷり!すだち香るカルパッチョ
――おいしそう! お店で出てきそうな一品ですね。
有里:そう言ってもらえるとうれしいですけど、実は今回ご紹介するレシピは、とっても簡単! 誰でもパパッと作れますよ。
――本当ですか?
有里:はい。すだちは高級感や“手間ひまかけた感”の演出や風味づけに一役買ってくれるうえに、栄養も豊富。すだちを使うことで、あれこれ食材や調味料を使わなくても、おいしくて栄養たっぷりの料理を作ることができるんです。
――見た目に味に、さらに栄養面でもプラスに働いてくれるなんて、すだちってすごいですね!
有里:そうなんです! すだちは、私の地元でもある徳島県で全国シェアの9割以上が生産されていて、私にとっては、いわばソウルフードのようなもの。今回は、すだちの魅力をたっぷりお伝えしますね。
――楽しみです!
《材料》(2人分)
すだち…1個 白身魚(写真は真鯛)…1切れ(およそ200g) 刻み青ねぎ…1パック 白だし…大さじ3 ごま油…大さじ2
《作り方》
【1】 白身魚の切り身をお好みの薄さにスライスしておく。
【2】 白だしとごま油を混ぜ、【1】にかける。
【3】 皿に切り身を並べ、ねぎを盛り、スライスしたすだちを添え、最後に絞ったすだちをねぎに絡ませるように注ぐ。
ビタミンCにクエン酸、カルシウムまで!すだちは栄養の宝庫
――すだちは焼き魚に合わせるイメージがありましたけど、こうしてカルパッチョにするのも、とてもおいしいですね。
有里:はい。すだちというと、一般的にはさんまやまつたけなどの秋の味覚に添えたり、麺料理に使ったりというイメージがあるかと思いますが、意外にいろいろな食材と相性がよくて、地元では何にでもすだちをかけて食べると言ってもいいくらい。さわやかな酸味が、お料理の味を引き立ててくれますよね。
――はい。風味が増して、確かにこのおいしさを知ってしまうと、何にでもかけたくなるかも!
有里:そうでしょう? すだちの上品な香りと酸味を加えることで、シンプルなお料理でも味が決まりやすく、塩分も控えられるというメリットがあります。
それに、すだちにはビタミンCやクエン酸がたっぷり含まれていますから、風邪予防や疲労回復効果も期待できます。
――手軽で簡単に作れるのに、すだちを使うことで上品な味わいになって、これからの季節にうれしい効果も期待できるなんて、言うことなしですね。
有里:そうですよね。すだちは、産地以外では少し高級な存在ですが、他のかんきつ類と比べてもクエン酸などの含有量が多く、手軽に料理などに使えて冷凍保存もできるので、常備しておくのがおすすめですよ。
――ビタミンCが豊富なら、美容にもよさそうですしね。
有里:もちろん! すだちには美白やアンチエイジングに効果的な栄養も含まれていますから、美を高めるという観点でもおすすめですね。
――わが家でもすだちストックを始めたいと思います!
飾りにしておくのはもったいない!栄養豊富なすだちの活用法
――今回は真鯛を使用していますが、真鯛の効果・効能はどんなものがあるのですか?
有里:真鯛も優秀な魚で、疲労回復、免疫力向上、体力向上、筋力向上、成長促進、動脈硬化の予防、そういった効果を期待できる栄養が豊富です! お察しのとおり、ランナーだけではなく、万人に積極的に食べてほしいお魚なんです。
――魚料理はどうしても面倒というイメージがつきがちで、なかなか普段の食卓には選びづらいところがあるのですが、今回のメニューはとにかく簡単なので魚料理のハードルがぐんと下がります!
有里:白身魚は良質なたんぱく質を含んでいるので女性にこそ食べてほしいですね。
――なるほど。いつもはおしょうゆばかりかけて食べていましたが、すだち味変も新鮮! すだちの活用方法として、他におすすめはありますか?
有里:すだちは、果汁だけでなく果皮にもさまざまなビタミンや食物繊維、ポリフェノール、ミネラルなどが含まれているのが特徴なので、ぜひ皮ごと使っていただきたいですね。
――皮にもそんなに栄養が豊富なら、飾っておくだけではもったいないですよね。
有里:その通りです! すだちの栄養や効能を知らないと、飾りだと思って手をつけなかったり、何となく軽く絞るだけだったり、ということもあるかもしれません。
ですが、すだちの果皮は苦味が少ないですし、薄くスライスして皮ごと味わったり、ギューっと絞ったりして、余すことなく風味を感じて、栄養も摂ってほしいです。
皮ごとジャムにするとか、お湯に浮かべて「すだち湯」にして飲むのもいいですよ!
――それ、とってもよさそうですね! 寒い季節には毎朝、白湯を飲むので、すだち湯に変えてみようかな。
有里:いいと思います! これからお鍋の季節になるので、薬味として使ったり、今回はカルパッチョにアレンジしましたけど、さきほど話したようにお刺身のおしょうゆ代わりに使ったり。
手の込んだことをしなくても、すだちにはいろいろな活用法があるので、気軽に試してみてもらえたらうれしいです。
――はい! 栄養や万能さを知って、すだちのイメージが変わりました。疲労回復効果や風邪予防効果に期待しつつ、いろいろな楽しみ方を探っていきたいと思います。有里さん、今回もステキなレシピをありがとうございました!
有里:こちらこそ! ビタミンC、クエン酸をはじめ、小さい果実にさまざまな栄養素がぎゅっと詰まったすだちは、これからの季節の強い味方。忙しいときこそ、栄養をしっかり摂りたいですよね。そんなときのお手軽栄養補給に“アリ”だと思います。
* * *
レモンの1.5倍ものクエン酸をはじめ、ビタミンC、食物繊維、ミネラル、ポリフェノールなどを豊富に含むすだちは、まさに栄養の宝庫。
果皮、果肉、果汁それぞれに栄養が含まれているので、丸ごと活用するのが賢い栄養補給のポイントです。すだちならではの上品な風味を楽しみながら、風邪予防や疲労回復に役立て、気候や忙しさから体調を崩しやすい冬に備えたいですね。
レシピ考案:市橋有里
いちはし・あり。1977年11月22日、徳島県生まれ。アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。2000年、シドニーオリンピック日本代表。「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをするほか、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
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