寒くなってくると、防寒対策をしていても足がやけに冷たい、靴を脱いだときにつま先が冷たい…そう感じたことはない?
足の冷え性にはさまざまな原因が考えられるが、意外な盲点が“冬の汗”なんだそう。そこで、すぐ試せる冷え足対策をご紹介!
汗が冷えの原因に!冬でも足は1日にコップ1杯の汗をかく
汗研究の第一人者である五味クリニック院長の五味常明医師は、寒い季節の“冷え足”の原因として、侮れないのが汗だと言う。
「足の裏は、背中や胸の5~10倍もの汗腺があり、1日にコップ約1杯分もの汗をかくと言われています。汗は蒸発する際に、気化熱により体温を下げる機能があるため、汗をそのままにしておくと、冷えて暖まりにくくなります」(五味医師・以下同)
加えて、冬はブーツや厚手の靴下にスニーカーなど密閉度の高い靴を履くことが多く、足汗が蒸発しづらいことも注意したい点だ。
「足汗をかくことで、臭いやムレが気になり、それがストレスとなることで、さらに足の発汗を呼び、結果的に“冷え足”につながることもあります」
冬は暖房設備で室内は温かいため意外に汗をかきやすい環境にある。しかも、働く女性など長時間靴を履き続ける人の場合、靴の中で汗がこもりやすく、結果として、汗冷えによるつらい“冷え足”を招いている可能性が高いという。
実際、制汗剤デオナチュレを発売するシービックが、2019年9月に20~40代の都内で働く女性10名を対象に行った「足汗と“冷え足”に関するモニターテスト」では――。
朝に片足に制汗剤を塗布し、勤務後の夜に寒い気候を想定した部屋で、靴の中の湿度測定と足のサーモグラフィ撮影(寒い部屋で10分間過ごす前後の2回)を実施すると、制汗剤を塗布した足は足汗が予防され温かいままだったが、無塗布の足は汗量が多く、冷えていることが判明した。
“冷え足”対策は「汗ケア」と「ムレ対策」
ではどんな対策をとればいいのか? 冬のつらい冷え足解消には、先に述べたように「足汗」と「靴のムレ」を抑えるのがカギ。
五味医師は、「効果的な足汗と冷え足対策のポイントは、靴選びと履き方を工夫することと、汗を抑える効果のある足用制汗剤を使うことです」とアドバイスする。
●靴選びや履き方の工夫と靴ケアでムレ対策を
五味医師は、靴の選び方についてこう語る。
「自分の足のサイズに合わない靴、フィット感が悪い靴を履くと、靴の中で足が緊張することになり、汗が余計に出やすくなるので要注意です。また、通気性のよい天然素材の靴を選び、吸汗性のあるインソールを活用したり、帰宅後は靴を乾燥させたりして、靴に湿気がこもらないようにすることも大切です」
靴の湿気対策についてはこう解説する。
「ブーツやスニーカーだけでなくパンプスを脱いだあとも、専用の乾燥剤を使用し、気になるときにはドライヤーをかけるなど、足だけでなく靴側の足汗対策も有効です」
●制汗剤で足汗を止める対策
先の「足汗と“冷え足”に関するモニターテスト」ではサーモグラフィによって、制汗剤によって足の汗を防ぐことができたというデータが示されたが、さまざまな種類がある制汗剤の中でどんなものを選べばいいのだろうか?
「制汗剤は、古代から天然の消臭剤として、人々に愛用されてきたミョウバン由来のものがおすすめです。ミョウバンには、においの元となる雑菌の繁殖を抑制する効果と、毛穴を引き締めて汗を抑える効果があります」
取り入れるタイミングや、制汗剤をつける場所も重要だ。
「制汗剤は、お出かけ前にしっかりと塗るようにしましょう。足の裏は、足の甲の3倍の汗をかくので、指だけではなく足の裏にもしっかりと塗ることが大切です。制汗剤を塗っていることで安心感が得られ、精神性発汗の抑制も期待できます」
スキーやスノーボードなどのブーツはさらに密着度が高いので、ウインタースポーツにも足汗対策は有効になるそう。しっかり対策をとって、冷え足を撃退して。
この人に聞きました:五味常明さん
五味クリニック院長。体臭・多汗研究所所長。1949年長野県生まれ。一ツ橋大学商学部卒業、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科、多摩病院精神科などを経て、「心療外科」という新しい医学分野を提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。テレビや雑誌などでも活躍。著書・監修本多数。
【データ】
デオナチュレ
http://deonatulle.com
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