料理・レシピ

『ヒルナンデス!』で紹介!「薬膳ひとり鍋」でダイエットする方法&簡単レシピ

薬膳とは、「食養生」と呼ばれる中国の伝統医学に基づいた考え方で、 “食材にはさまざまな効能があり、体質や症状に合わせた食材を食べれば不調が改善されていく”というもの。

薬膳ひとり鍋
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だが、不調に合わせた料理を何品も作るのは至難の業。そこで、薬膳の考え方をベースに、漢方・ダイエット専門医の工藤孝文さんが考案した料理が、薬効のある食材を一緒に食べる「薬膳ひとり鍋」。生活習慣病はもちろん、ダイエットや若返りにも絶大な効果がある“最強食”だとか。11月21日放送の『ヒルナンデス!』(日本テレビ)でも紹介される「薬膳ひとり鍋」の効果と作り方は? 『医者がすすめる 薬膳ひとり鍋』(主婦の友社)の監修を務めた工藤さんに直撃した!

薬膳鍋で痩せられる理由とは?

「私が30kg落とした体形をキープできているのは、まさに薬膳鍋のおかげ。現在も、できるだけ1日1回は薬膳鍋を食べて体を芯から温めています。そのせいか、多忙で睡眠不足の日々が続いてもすこぶる快調! また、ダイエット外来の患者さんにも、薬膳の考え方を基本に食事療法を行っていますが、体重や体脂肪の減少をはじめ、生活習慣病の改善につながったケースは少なくありません」(工藤さん・以下同)

では、なぜ薬膳で痩せられるのか?

「薬膳は、体を温める食材や料理が多いのが特長。温かい料理を食べると、胃腸などの内臓全般が温まるので、全身の血流の巡りがよくなります。発汗や利尿作用も促進されて老廃物が体外に排出されやすい。つまり、胃腸の働きが活発になれば、食べた物は積極的に消化されるうえ、腸内環境も整い便通もスムーズになるわけです。この状態を維持できれば、自然に体重や体脂肪が減って代謝も上がり、痩せやすい体になります」

薬膳効果を1つの料理で得られるのが薬膳鍋。1つの鍋で複数の食材の薬効を得られるうえ、薬効が溶け出したスープも丸ごと飲めて一石二鳥。また、調理も簡単。1人分が基本で、食材を切って煮るだけなので、朝食やランチにも取り入れやすい。人数が増えれば、材料×人数分でOKだ。

薬膳鍋におすすめの具材は?

しょうがは薬膳効果が高い(写真/ゲッティイメージズ)
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では、薬膳鍋には具体的にどんな具材を選べばいいのだろうか?

「基本は、肉や魚介、大豆などのたんぱく質とたっぷりの野菜や海藻類。たんぱく質と野菜の組み合わせは、ダイエットに限らず幅広い症状の改善にも有効です。参考までに、手にはいりやすく、幅広い効果を発揮するおすすめ食材をリストアップしました(下記参照)。ぜひ、活用してみてください」

・脂肪燃焼効果、筋肉増強、疲労回復に有効な肉/豚肉、鶏肉、牛肉、ラム肉(羊肉)
・多くの不調の特効薬となる魚介/あさり、しじみ、いか、えび、たら、いわし、まぐろ、かつお節
・むくみや便秘・下痢の改善に活躍する豆/大豆
・薬膳効果がズバ抜けて高い野菜/しょうが、にんにく、長ねぎ、玉ねぎ、トマト、かぶ、ごぼう、れんこん

いずれも使い勝手のいい食材ばかり。これなら毎日飽きずに食べられそうだ。

おすすめ「ダイエット薬膳鍋」を2品紹介!

中でも、工藤先生がおすすめするダイエット効果が期待できる鍋がこちら。『医者がすすめる 薬膳ひとり鍋』から2品紹介しよう。

「鶏肉のあっさりわかめ鍋」レシピ

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《材料》(1人分)
鶏むね肉…100g 小松菜…100g わかめ(戻したもの)…50g しめじ…150g 塩…小さじ1弱 水…300cc

《作り方》
【1】鶏むね肉はそぎ切りにする。
【2】根元を切った小松菜とわかめはざく切り、しめじは石突きを切ってほぐす。
【3】鍋に、水、塩、【2】のしめじを入れてひと煮立ちさせ、【1】と【2】の小松菜とわかめを入れて火を通す。

「わかめで水分代謝を促して老廃物をデトックスしながら、鶏肉でエネルギーチャージ。さらに、しめじで脂肪代謝を高めます。消化不良や便秘の改善に有効な小松菜には、体の熱をとり心を鎮静化させ睡眠へ導く効果も期待できます」

「カレーまぶし鍋」レシピ

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《材料》(1人分)
豚こま肉…100g 玉ねぎ…100g トマト…150g ピーマン…100g しょうが…10g カレー粉…大さじ1/2 しょうゆ…大さじ2 水…300cc

《作り方》
【1】玉ねぎは1cm幅、トマトとピーマンはざく切り、しょうがはせん切りにする。
【2】豚肉にカレー粉をまぶしておく。
【3】鍋に水としょうゆを入れてひと煮立ちさせ、【1】の玉ねぎ、【2】、【1】のピーマン、トマトの順に入れて火を通す。仕上げに【1】のしょうがをのせる。

「ダイエットに有効なターメリック(別名ウコン)は、肝機能アップや脳の活性化にも有効。さらに、消化を促すカルダモン、健康促進や免疫力を上げるクミン&クローブなど、カレー粉には薬膳パワーと風味を高めるスパイスが豊富につまっています」

ダイエットには塩分の摂りすぎに注意!

写真/ゲッティイメージズ
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せっかく食材の薬効を摂り込んでも、「鍋たれ(つけだれ)」によっては効果がマイナスになる場合も。

「薬効の溶け込んだスープは残さず飲んでほしいのですが、注意してほしいのが塩分。鍋たれが濃いと塩分を摂りすぎてしまう傾向に。塩分過多は、高血圧やむくみの原因になるので要注意です。うま味の多い食材がたっぷりはいっていれば、だしのうま味で味わえますよ」

野菜や肉類にはグルタミン酸、魚介や肉類にはイノシン酸、貝類のコハク酸など、たんぱく質にはうま味成分が豊富に含まれている。さらに、うま味成分同士を合わせれば、相乗効果で奥深い味わいに。

「うま味が凝縮したキムチやアンチョビなどの発酵食品や、塩昆布などの乾物類を加えるのもおすすめ。うま味がギュっと凝縮された発酵食品の薬効は、効率よく摂取できるうえ味のアクセントとしてもGOOD。ただし、いずれも塩分の強い食材が多いので量は加減しましょう」

手軽にできる本格「鍋たれ」の作り方

もちろん、鍋によっては鍋たれで食べた方が、よりおいしくなる鍋も。せっかくだから鍋たれも作ってみよう!

「市販のお好みの鍋たれを使っていただいて構いませんが、自分で作れば辛味や酸味も調整できます。作りやすい万能鍋たれがこの3種」

【1】「ぽん酢しょうゆ」しょうゆ+柑橘類(レモン、ゆず、みかん、かぼす、すだちなど)の果汁。酸っぱさを加えたければお酢を入れて調整を。

【2】「エスニックたれ」しょうゆ+酢+五香粉。柑橘類の果汁を足せばスッキリとした味わいに。

【3】「香味ごまだれ」しょうゆ+酢+すりごま。ごま油を足せばまろやかで風味豊かに。

「いずれも分量は適量ですので、調整しながらお好みの配合を見つけてください。スパイスやハーブを加えると期待できる効果も広がります。特にこの時期、冷え性改善におすすめしたいのが、スパイス系の赤唐辛子、山椒&花椒や、ハーブ系の陳皮、コリアンダー、シナモン。いずれも、体を温める優れもの。発汗作用によって冷え性が解消されるとともに、ニキビや吹き出物などの肌トラブルも改善します」

さらに、鍋の締めには、翌朝に胃もたれしない消化のよいうどんや、腸内環境を整えるもち麦や押し麦がベター。

クリスマスや忘年会などイベントが続き、ただでさえ太るこの時期。デブ一直線に歯止めをかけるためにも、なるべく1日1食は薬膳鍋にしてみては? とりあえず、冷蔵庫の中にあるお肉やお魚(たんぱく質)と野菜でトライ!

教えてくれたのは:工藤孝文さん

工藤孝文
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福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。ダイエット外来・糖尿病内科・漢方治療を専門とし、『あさイチ』(NHK)『ガッテン!』(NHK)『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)減量外来ドクター、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)肥満治療評論家・漢方治療評論家など、メディア出演多数。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。

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