むくみなどでリンパ液の流れが悪くなる女性が多いが、実はそれも呼吸の仕方で流すことができる。その呼吸法とは、腹式呼吸でリンパを流す“リンパ呼吸”。ハーバード大学やソルボンヌ大学などで最先端医療に携わる医学博士・総合内科専門医の根来秀行さんに、教えてもらった。さっそくやり方を覚えよう!
◆リンパ呼吸の手順
【1】リンパ呼吸は、上写真のようにあお向けの姿勢で行う腹式呼吸。さらに効果を上げるには、根来さんも推奨する、ひざを立てた「寝たまま腹式呼吸」(詳細は後述)の体勢で行おう。
【2】あお向けになり、両手を胸とお腹に手を置いた状態で軽く息を吐き、鼻から息を吸い込む。その際、腹に置いた手で、お腹がふくらむのを感じるのがポイントだ。
【3】鼻から息を細く長く吐き、お腹がヘコむのを手で確かめる。肛門→恥骨→へそ→横隔膜の順でチャックを閉めるように息を吐く。この【2】と【3】を楽なペースで繰り返す。
ダイエットや美肌、免疫力強化にも効果的!
血液の流れをよくする細胞呼吸だが、これを行うことでリンパを流すこともできる。
「そもそも、リンパ液は体中を巡っており、体内の老廃物を排出する役割があります。このリンパ液の流れが悪くなると、疲労を感じたり、むくみや肩こりなどの症状が表れます。改善するには、お風呂上がりのマッサージや呼吸法なども有効です」(根来さん・以下同)
リンパ液は足先から鼠径部へ、さらに胸管を通って鎖骨下の静脈角で合流するまで、上に向かって皮膚の下の比較的浅い部分を流れており、さする程度でも効果がある。
「横になって腹式呼吸することでリンパ液の流れをよくできるのが『リンパ呼吸』。これをあお向けでひざを立てた“寝たまま腹式呼吸”の姿勢で行うと、全身の約8割のリンパ液が通る乳糜槽にほどよい圧がかかり、老廃物でドロドロだったリンパ液がサラサラになり流れがよくなります」
通常約40秒で全身を一周する血液に対し、心臓のような強力ポンプのないリンパ液は、足から鎖骨下の静脈角まで8~12時間かけて一方通行で流れている。ところが、意図的にリンパ呼吸を行うと、マッサージと同等か、それ以上にリンパ液の流れがよくなる。
「人体はもともと睡眠時に横になると自然とリンパ液が流れるしくみですが、あお向けでリンパ呼吸を行い、横隔膜を動かすとリンパ液の流れが改善し、ダイエットや美肌、免疫力強化などにつながるのです」
横隔膜を動かすくせをつけるには、“寝るだけストレッチ”を習得するのが早道。
「寝るだけストレッチ」は足をのせられる場所があればどこでもできる。椅子に足をのせ、腰にバスタオルを当て、鼻からゆったり呼吸をする。その際、お腹が上下しているか確認しよう。
一つひとつの細胞から元気になる息の吸い方・吐き方を、今日から日課にしませんか?
イラスト/鈴木みゆき
※女性セブン2020年3月12日号
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