健康・医療

玉ねぎやコーヒーで安眠!? 免疫力をアップさせる「最強の睡眠」7つのポイント

「どうせ明日も出かけないから夜更かししても大丈夫」「子供のお弁当を作らなくていいから寝坊できる」と、睡眠をおろそかにしていないだろうか。自粛生活が続く今こそ、正しい睡眠法を徹底して、家ごもりで鈍った免疫力を目覚めさせるべし!

ベッドから起き上がり伸びをする女性
写真/PIXTA
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「質のいい睡眠」とはどういうものか?

免疫力を上げるには、質のいい睡眠は欠かせない。睡眠にくわしい、雨晴クリニック副院長の坪田聡さんが言う。

「正しい睡眠をとることで、『T細胞』や『B細胞』といった免疫細胞が増え、質も高まります。これらはほかの細胞に異物を攻撃する指示をしたり、ウイルスや菌を壊す『免疫グロブリン』という物質を作ったりする、いわば免疫の”司令官”的存在です」(坪田さん・以下同)

◆22時から24時の間に寝つき、6~8時間の睡眠時間を

では“正しい睡眠”とはどんなものなのだろうか。

「22~24時の間に寝つき、6~8時間ほど眠るのが理想です。こうすることで、『ノンレム睡眠』と呼ばれる深い眠りをしっかりととることができます」

われわれは、眠っている間、数時間単位で深い「ノンレム睡眠」と浅い「レム睡眠」を繰り返しており、寝ついてから3時間ほどは、1回の眠りの中で最も深い「ノンレム睡眠」の状態にあるといわれている。

「深く眠っている間は、成長ホルモンがたくさん分泌されます。脳や体の疲労回復、体の組織の修復を助け、免疫機能を正常に保つのにも役立ちます。寝つきから3時間のノンレム睡眠が重要です」

◆「浅い睡眠」では、免疫力が低下

「最近は在宅勤務だから夜更かしが多いけど、そのぶん遅くまで眠れているから睡眠時間は充分」という人は要注意。

「人間の体は、明け方になるにつれて体温が上がるようになっている。熱帯夜に眠れないのと同じで、体温が上がると眠りは浅くなります。明け方から10時間眠るよりも、22時から6時間眠った方が睡眠の質は高い」

浅い眠りを繰り返すと、成長ホルモンの分泌量が減り、免疫力を低下させる「コルチゾール」などの副腎皮質ホルモンが増加する。

ぐっすり眠るための食事・生活習慣

枕に頭を乗せ、横を向いて寝ている女性
写真/アフロ
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質のいい睡眠を充分にとるためには、日中の過ごし方が重要だと、坪田さんは言う。

「日中に太陽の光を浴びておくことで体内時計が整います。人間の体は日光を浴びてから約14時間後に体内で睡眠ホルモンの『メラトニン』が作られ、自然と眠くなるようになっているのです。外出を自粛しているなら、カーテンを開けるだけでも大丈夫。また、適度な運動でほどよく体を疲れさせておくことも有効です」

◆「夕食は少なめ」で寝る2~3時間前に

「忙しいから朝食は摂らない」という人も少なくないが、朝食を抜くと夕食の量が増え、満腹のまま布団に入ることになる。すると寝つきが悪くなり、眠れたとしても食べたものがうまく消化しきれず胃に負担がかかるため、できれば食事は3食とも同じくらいの量に揃えた方がいい。まずは「夕食は軽め」を意識して、寝る2~3時間前までには済ませておきたい。

寝室の環境も、眠りの質を大きく左右する。寝室の照明をLEDに交換済みなら、それが眠りの妨げになっている可能性がある。

「LEDは、青と黄色の光を混ぜて白く明るく見せている。パソコンやスマホのブルーライトのような覚醒作用があるため、寝室の明かりは暖色系の蛍光灯などにして」

◆たまねぎやコーヒーの香りが効果的

器に入ったコーヒー豆と麻袋
コーヒーの香りにはリラックス効果が(写真/アフロ)
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アロマキャンドルやルームスプレーなど、寝室で使える安眠グッズは多々あるが、キッチンにある意外なものの香りが役に立つ。

「ヨーロッパでは、眠れないときに枕元に切れ目を入れた玉ねぎを置いておく習慣があります。玉ねぎに含まれる硫化アリルには、気持ちを落ち着かせる効果が高いのです」

同様に、コーヒーの香りにも脳をリラックスさせる作用がある。コーヒーに含まれるカフェインは強い覚醒作用があるため、寝る前に飲むのは避けたいが、香りだけならむしろ眠気を誘うのだ。小皿やマグカップなどにコーヒー豆を入れて置いておくだけでいい。

睡眠不足にならない!?寝巻の選び方

ベッドで寝ているタンクトップ姿の女性
写真/アフロ
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「寝巻には、肌触りがよく、吸湿性、速乾性の高いものを選んでください。寝返りが打ちやすいよう、しめつけがないことも大切です。シルク素材がベストですが、これからの季節は涼感素材のパジャマなどでもいい。よくジャージーを寝巻にしている人がいます。ジャージーは動きやすいですが、ごわごわしていて内側に熱がこもりやすいので、あまりおすすめしません」

◆眠れないときはどうしたらいいのか?

寝巻を変えるだけで、睡眠の質が向上したり、寝つきがよくなったという研究結果もある。暑くなる前にパジャマを新調するのもいいかもしれない。もし、それでも寝つけなかったら──。

「15~30分経っても眠れなかったら、無理に眠ろうとせず、寝床から出てください。リビングなどで本を読んだりストレッチしたり、眠くなるまで好きなことをして過ごしましょう」

眠れないのにずっと布団の中にいると、「布団=眠れない」と脳が覚えてしまい、慢性的な不眠につながりかねない。同じ理由で、布団の中でいつまでも起きてスマホをいじっていたり、寝室で在宅ワークをするのも厳禁。「寝室、布団は眠るためだけの場所」だと脳に覚え込ませることが、ぐっすり気持ちのいい眠りにつながる。

入浴も睡眠も、誰もが毎日行うこと。毎日の簡単な積み重ねで、自粛明けも安心して過ごせる体を手に入れたい。

まとめ「最強の睡眠」7か条

●日光を浴び、軽い運動を
●3食とも同量に
●夕食は寝る2~3時間前に終える
●寝室の照明はLEDより蛍光灯に
●玉ねぎ、コーヒーの香りで眠気を誘う
●24時までに就寝し、6~8時間眠る
●眠れなければ寝床から出る

※女性セブン2020年6月4日号

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