「症状が疑われても検査を受けるのが難しい」「あっという間に重症化した」――。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出自粛の日々はもう1か月を超えた。しかし依然として感染者は後を絶たず、まだ特効薬もないため冒頭のような状況が多発している。収束まで無事に生き抜くためには感染しにくい、しても重症化しない体をつくることが何よりも大切だ。
「ウイルスに対抗するためには免疫力を上げること。そのためには体にいい食品を正しく摂取することが重要です」
そう話すのは、内科医の中村康宏さんだ。
「免疫力アップのキーワードは“腸活”“たんぱく質やミネラルの摂取”“体を冷やさない”の3つ。これらを満たす食品を積極的に摂取してほしい」(中村さん)
そこで本誌・女性セブンは食と健康の専門家に取材し、最強食品のランキングを作成。今回はさらに免疫力をより高めるための「最強のコラボ食品」についても意見を求めた。ぜひ自炊生活に役立ててほしい。
免疫力アップ1位は納豆、さらにキムチをプラス
免疫力を高める食品の1位に輝いたのは、「納豆」だった。管理栄養士の中沢るみさんがその理由を語る。
「腸の健康と免疫力には密接な関係があるため、腸内細菌を元気にする納豆はやはり外せない。ストレスにいいとされるカルシウムが含まれているのもうれしい」
もちろん納豆単体で食べても“腸活”になるが、組み合わせ次第で秘めたるパワーを発揮することも。複数の専門家が「最強の組み合わせ」として挙げたのは、「キムチ納豆」だ。キムチも納豆と同じ発酵食品で単体でも9位にランクインしているが、合わせることで大きなメリットが生まれる。
「納豆菌には、キムチの乳酸菌の活性を高める働きがあります。お互いの“発酵パワー”を引き立て合う最強の組み合わせなのです。においが強いのが難点ですが、テレワークが続くいまなら安心して毎日食べられますね」(薬剤師で栄養学博士の宇多川久美子さん)
◆キムチ納豆にのりでミネラル豊富
医師の黒田愛美さんはキムチ納豆にさらに“ちょい足し”することをすすめる。
「のりを合わせればミネラルが豊富になるし、酢を加えれば殺菌作用もアップします」
納豆にはほかにも、めかぶや新玉ねぎ、山いもなどさまざまな組み合わせを提案する声が上がった。食べやすく、相手を選ばないのも“王者”たるゆえんのようだ。
ヨーグルト、みそなど発酵食品もおすすめ
2位以下も、「ヨーグルト」や「みそ」など発酵食品が上位に。
「みそは消化しやすい形でたんぱく質を摂取できるほか、食物繊維も豊富。体を温める作用もあり『みそは医者いらず』と言い伝えられてきたほどの万能食材です」(養腸家の真野わかさん)
◆野菜ならネギを!免疫力UP栄養素がたくさん
野菜では、4位の「ねぎ」が最上位に。
「ねぎは体を温める食材で、抗酸化作用のあるカロテンやビタミンC、免疫力を高める効果のあるアリシンも豊富に含まれている。アリシンにはビタミンB1・B2の吸収力をアップさせる働きもあり、細胞の活性化を促してくれます」(中村さん)
「にんにく×豚肉」が”最強”の理由
「神のコラボ食品」として、今回、専門家からキムチ納豆と並ぶ票を集めたのは、ねぎと並んで4位に食い込んだにんにくと豚肉の組み合わせだ。
一票を投じた管理栄養士の麻生れいみさんが解説する。
「にんにくのにおい成分であるアリシンには強い殺菌・解毒作用があり、ウイルスが体内に侵入するのを防ぎ、活性酸素の攻撃からも身を守ってくれる。加えてアリシンは豚肉に含まれるビタミンB1の吸収を高めるため、疲労回復効果が期待できます」
◆卵は完全栄養食として他の食品との組み合わせに◎
最強食品としてはランクインを逃したものの、「組み合わせの友」として多くの支持を集めたのが、完全栄養食として名高い「卵」だった。
「卵には良質なたんぱく質が多く、ビタミンA・D、亜鉛のほか、抗酸化作用と免疫力強化にも効果が期待できるセレンも含まれています」(管理栄養士の伊達友美さん)
最良の“パートナー”として名前があがったのは、8位の「にんじん」。内科医の山下あきこさんは千切りにしたにんじんと炒り卵で作る、沖縄の郷土料理「にんじんしりしり」をよく作るという。
「卵に含まれる亜鉛は、にんじんに含まれるβ-カロテンから作られる、ビタミンAの働きの維持に必要なので相性ピッタリです」(山下さん)
※女性セブン2020年5月7日・14日号
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