リラックスやリフレッシュはもちろん、体の疲れを取ってくれるお風呂。長い自粛生活による運動不足や体のコリも解消させるには、“運動浴”がおすすめだ。
「運動浴」がおすすめの理由
「より効率よく代謝を上げることもできますよ」というのは、お風呂のソムリエ・松永武さん。
運動不足になりがちないまこそ、入浴と運動を組み合わせた「運動浴」も、おすすめだと松永さんは言う。浴槽に浸かると、湯の重さの圧力が全身にかかる「静水圧作用」が起きる。たとえば腹囲が3~5cmも縮むほどの圧がかかるのだ。これにより全身の血流がよくなり、一方で浮力は体重の約10分の1になる(『入浴検定公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』より要約)。
「そのため水の抵抗を利用した運動は、ラクにでき、効率もいいのです。動くスピードを速めれば抵抗力が高まりますが、無理のない速度で行ってください」(松永さん・以下同)
◆運動は「心臓から遠い足」から
運動は、血流を意識して心臓から遠い足→下半身→腕→上半身の順に行う。浴槽は気密性が高いため、酸欠にならないよう、換気や温度の管理も必要となる(下記の「運動前の3か条」を参照)。
「浴槽内は滑りやすいので、転倒にはくれぐれも注意しましょう」
入浴後は汗や水分をきちんと拭き取り、湯冷めや乾燥を防ぐこと。
「常温水や温かいハーブティーなどを飲み、汗が引いたらパジャマに着替えて眠ると質の高い睡眠につながります」
運動浴のやり方を解説
《運動前の3か条》
●浴室換気をONに
●浴室内温度を25℃以上、湿度を90%に
●脱衣所・廊下・居間の温度を20℃前後、湿度50~60%に
「運動浴」のやり方は、以下の8つのステップを参考に!
【1】股関節~足全体の筋力アップ
ひざをまっすぐに伸ばし、両足のつま先を意識しながら、足首の曲げ伸ばしを左右各10回。
【2】足前面の筋力アップ
壁に手をかけて立ち、足先を伸ばしたまま左ひざから下を蹴り上げる。左右各10回。
【3】太ももの筋力を強化
浴槽内でひざをまっすぐに伸ばし、足先を伸ばしながらバタ足を20回行う。
【4】股関節を柔軟に
両足を開き、左のひざを曲げずに右の浴槽にタッチして戻る。左右各10回。
【5】腰ひねりで腰痛解消
姿勢を正して座り、正面を向いた状態から上半身だけをひねる。左右各10回。
【6】手首を柔軟にする
湯の中で両手を前に伸ばす。手は開き、手首だけを使って上下に10回動かす。
【7】上腕と胸の筋力アップ
浴槽に座り、ひじを曲げながら両手を広げ、勢いよく合掌。この開閉を10回。
【8】肩甲骨の可動域を広げる
手のひらを上に向けながら両手を後ろにし、水面近くまで腕を上げる。10回。
イラスト/うつみちはる
※女性セブン2020年6月4日号
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