実は日々刻々と変化する“手の線としわ”。その日の手相に病気の兆候が表れるという。『手のひらで健康診断』の著者・松岡佳余子さんがわかりやすく解説してくれた。
感情線、頭脳線、生命線の「三大生理線」を見れば、生まれ持った「体質」と、なりやすい「疾患」がわかる。感情線で「肺・呼吸器」、頭脳線で 「脳の神経&血流」、生命線で「免疫力」など、手をチェックしておけば病気や不調を未然に防ぐヒントになりそう。以前に比べてより線の出方が顕著なら注意しよう。
【感情線】肺・呼吸器系と自律神経の状態を見る
手相占いでは人間の無意識の感情を表し、性格や恋愛を見るが、手相診では肺・気管などの呼吸器系の状態がわかる。自律神経との関係も深く、ストレス性疾患の場合も変調が出てくる。
◆感情線が長い
中指の下までの長さが標準的だが、人差し指と中指の間まで伸びている場合は、気管やのどが弱い体質で、肺や気管などの呼吸機能の不調、胃腸障害、自律神経失調症の可能性がある。
◆感情線が短い
薬指の下あたりまでしか伸びていない場合は、心臓と呼吸機能が弱い体質を示している。睡眠不足や過労は禁物で、ストレスをためないよう注意が必要。
◆末端が2つに分かれている
感情線の先が人差し指と中指の間に向かい、分かれた先が人差し指の下に向けて伸びている場合、呼吸器と胃腸の消化力が弱いことを示す。線が濃い場合は風邪をひきやすい体質。
◆くさり状になっている
幼少期に呼吸器疾患を患ったことがある人に多い。臓器全体が弱っており、慢性的な心肺機能低下、肝機能低下の状態の可能性がある。
◆薬指の下で切れている
主に血圧の異常を表しており、高血圧など血圧系疾患がある人は要注意。切断箇所がずれている場合は、肝機能障害を示すことが多い。
【頭脳線】脳神経、脳血流、精神の状態を見る
三大生理線の中でもっともバラエティーに富み、個人差が表れる線。手相占いでは知性や考え方を表すが、手相診では頭部や心臓を見ることができ、認知症、うつ病などの脳トラブルも表れる。
◆頭脳線が長い
薬指を越えない長さが標準だが、小指の下に向けて伸びている場合は、神経過敏でストレスに弱い傾向にあり、高脂血症や高血圧に要注意。逆に短い場合は、頭痛やめまいを起こしやすい。
◆末端が2つに分かれている
末端が2股になっている場合、心臓病や脳血流不全の可能性があり、リウマチになりやすい体質を示している。3股の場合は脳虚血の可能性があり、記憶力の低下や認知症への注意が必要。
◆途中で切れている
切断箇所があれば、慢性頭痛や脳に何らかの問題がある可能性があり、心臓や脳血管疾患に注意が必要。中指の下で切れていればストレス性の心疾患、薬指の下なら肝機能障害の可能性も。
◆くさり状になっている
全体がくさり状なら、比較的重い体調悪化を示している。根元のみくさり状の場合は、幼少期の胃腸虚弱を示している。弱い胃腸をいたわるとともに、記憶力の衰えにも要注意。
◆生命線に沿って下降
手のひらの中央に向かわず、極端に下降している場合は、大脳機能の障害や、抑うつ傾向にあることを示す。精神が不安定で、うつ病の可能性もある。
【生命線】生命力、免疫力の強さを見る
手相占いでは寿命やバイタリティーを見るが、手相診では体質、体力、免疫力などの体の基本的な生命力を見る。いまの健康状態を知ることができ、体質改善の目安にもなる重要な線。
◆生命線が短い
手首あたりまで伸びずに途中で止まっている場合、免疫力が弱く、難病にかかりやすい体質を示す。スタミナや体力不足気味だが、鮮明な線ならば心配無用。生命線が短くても短命なわけではない。
◆途中で切れている
著しい体調変化の痕跡を示しており、切れている場所が起点に近いほど過去の不健康を、手首に近いほど最近の不健康を示す。両手ともに途切れている場合、病気の可能性が高いため医師の診察を。
◆末端が2つに分かれている
末端部分が分かれている場合は下半身の血流が不充分なことを示し、腰痛や足腰の関節痛の可能性が。線が複雑に分かれている場合は下腹部にある臓器の機能失調を示し、泌尿器や生殖器に異常が。
◆くさり状になっている
線全体がくさり状なら、体力が低下して体調が不安定、免疫力が弱っている状態を示す。ウイルスや病原菌に対する抵抗力が弱いため、日頃から注意が必要だ。
◆生命線のカーブが大きい
極端なカーブを描いている場合、胃腸の機能は順調だが、高血圧や高血糖、高脂肪に注意が必要。カーブが小さい場合はスタミナ不足を示し、心肺機能が虚弱で疲労しやすい体質といえる。
こんな線を見つけたら要注意!
◆アレルギー線
中指と薬指の根元にかけて円を描くように現れる線は、肝臓の解毒機能が弱く、花粉症やアトピーなどのアレルギー体質を示している。途中で島(円状になった箇所)があれば、肺機能や甲状腺機能に異常が、切れ切れなら心肺機能異常の可能性がある。
◆不健康線
小指の下から手首の上にかけてのふくらんだ小指球にできる線で、内臓が弱って不健康状態の際に現れる。感情線を貫いていれば心肺機能の不調、途中で島があれば肝機能に問題があり、生命線を貫いていれば重い免疫疾患の可能性がある。
◆不摂生線
小指の下の手首に近い部分にできる、横に伸びる線。ストレスや疲労の蓄積、不規則な生活や睡眠不足などによって出てくる線で、肝機能や免疫機能の低下を示している。
不調はもんで改善!「手相もみ」のやり方
気になる線やしわを見つけたら、その場で手もみを実施。親指の腹を使って念入りにもむことで、体の弱っている部分を活性化し、機能を高めることができる。
「気になるポイントを意識して1~3分程度もんでください。親指の下あたりのふくらんだ拇指球に静脈が浮き出て青みがかっている場合は、手首に向けて静脈の血流を心臓に送るイメージでゆっくり行って」(松岡さん)
反対側の手の同じ箇所ももみほぐすこと。このほか、手相に沿ってもみほぐしていけば、全身のバランスが整い、健康維持に役立つ。
教えてくれたのは:鍼灸師・松岡佳余子さん
鍼灸師として、国内外の鍼灸やツボ治療を学び、研究・実践。近著に『手のひらで健康診断』(アントレックス)がある。
イラスト/いばさえみ
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