「おうち時間」の活用法として、自宅での美容術がにわかに注目されている。メスも注射も不要のテクニックとは──
「セルフ整形」の原理とは?
小顔矯正やボトックス注射など、美容整形の発展で「なりたい顔」に近づける方法が増えている。しかし、「費用が高額」「クリニックに通院する時間がない」など、一般女性にとってハードルは依然として高いまま。「もっと手軽に、お金をかけずにきれいになれる方法があれば…」と願う人たちが、参考にしているものがある。自宅でインターネットで動画を見ながらできる“美容整形”だ。
◆美容整体師の内山友吾さんが考案
柔道整復師の資格を持ち、顔や体のパーツを美しく整える美容整体の施術を行っている、恵比寿整体院プラスフィール院長の内山友吾さんは、手で小顔にしたり、しわを取る方法をYouTubeで公開している。昨年11月に開設したチャンネルの登録者数はすでに19万人を超え、170万回の再生回数を誇る動画もあるなど、女性たちの支持を集めている。
メソッドは、どれも自分の手で顔の悩みを解決できるというもの。いったいなぜメスを入れずに顔を変えることができるのだろうか。
「顔の骨はひとつのかたまりだと思われがちなのですが、実は、複数の骨が組み合わさっていて、広い意味でいえば、“関節”のようなもの。なので、力を加えることで位置を調整できるんです」(内山さん・以下同)
たとえば、何気なくやってしまう頰杖や噛み癖などで、骨の間に隙間やズレが生じ、顔が歪んでしまう場合があるという。
「眠り方も歪みの原因になります。うつ伏せや、顔の左右どちらか片方だけをずっと下にして眠る癖があると、力が加わって歪み、そういった癖が長期間続いていればいるほど、歪みは進行します」
◆1分ほど力を加えるだけで顔に変化が
しかし、手で力を加え、骨を正しい位置に戻すことで顔の形を変えることができる。
「隙間ができているということは、骨が広がってのっぺりした顔になっているということ。そのため、骨を正しい位置に戻せば、顔が立体的になります。さらに、筋肉も手で押してこわばりを緩和することで、しわを薄くしたり、筋肉自体を小さくできるんです」
個人差はあるが、1分ほど力を加えることで顔は変わってくるという。悩み別に改善方法を紹介しよう。
つまんで鼻を高くする方法
鼻の中心にある鼻骨は、左右2つのパーツから構成されている。そのため、左右から力を加え、骨の隙間をなくすようにして押し上げることで鼻が高くなるという。
「強く押しすぎると内出血して痕が残る可能性があるので、力加減に注意してください。目安は、押した指の爪が少し白くなる程度。押した鼻の皮膚が少し赤くなるくらいが、適切な力加減です。皮膚を挟むというよりも、骨を押すような感覚で行いましょう。皮膚が薄い人は、赤みが残ってしまうこともありますが、赤くなった場所を冷やすと短時間で赤みが引きます」
【1】眉間の下を親指で押し上げる
両親指の腹で眉間の下からおでこの骨(前頭骨)を5秒間押し上げる。これを6回繰り返す。
【2】親指で鼻筋を挟み、中央に向かって押し上げる
両手をカニのような形にして、親指の腹で鼻筋を挟み、中央に寄せて前に押し出すようにして5秒間力を加える。これを6回繰り返す。
1分でほうれい線を薄くする方法
ほうれい線ができる原因は、肌のハリが失われたり、筋肉が衰えることだけではなく、頰骨の位置が下がってくることも要因だという。
「頰骨の位置は、年齢とともに下がりやすいといわれていて、ここが下がると顔全体の印象がブルドッグっぽくなってしまいます。もちろん、皮膚や筋肉の衰えも原因ですが、筋肉は、骨の上についているので、土台となる骨自体が下がってしまうと、筋肉も下がってしまうわけです」
このマッサージでは、土台となる頰骨の位置を上げることができるそうだ。肌の摩擦が気になる場合は、タオルやハンカチなどを挟んでもよい。
「しわが深く刻まれている場合も、続けることで徐々に薄くなっていきます。頰の位置が上がれば、自然と口角も上がり、微笑んだような華やかな表情になりますよ」
【1】手を頬のくぼみに食い込ませる
両肘をテーブルにつき、手のひらの付け根を、頰骨の下にあるくぼみに食い込ませる。
【2】手を小刻みに揺らす
1の姿勢のまま、1分間、手を小刻みに揺らして頰に振動を与える。このとき、顔に手を押しつけるのではなく、頰を軽く持ち上げるようにして行う。手のひらの角度はできるだけ直角にする。
年齢とともに、くっきりと刻まれてしまった眉間のしわ。怒っているように見られるなど、顔の印象を大きく変えてしまうだけに、悩んでいる女性も多いだろう。この眉間のしわも、簡単な方法で解消できるという。
「まずは、中指と人差し指を眉に沿って当て、眉毛が動かないようにしっかりと押さえます。その状態で眉間にしわを寄せるようにして、眉間に力を入れます。5秒たったら、息を吐きながら脱力し、眉の周辺をマッサージ。これを5回繰り返すだけで、しわが劇的に薄くなります」
2分でエラの張りを解消する方法
エラの張りは、骨格の問題ではなく、食べ物を噛むときに働く「咬筋」の緊張や発達が原因のことも。このマッサージは、こわばった咬筋を緩める効果があるという。
「奥歯をグッと噛んでしまう噛みしめ癖がある場合も、咬筋が過剰に緊張してしまって、エラ張りの原因になります」
【1】耳の横の頬を3本の指でほぐす
口を開けて力を入れたときに、盛り上がる部分に指を3本当て、上に押し上げながらくるくる回すようにして、1分間マッサージする。
【2】エラをつかんで揺らす
下顎から親指をエラに食い込ませ、3本の指と共につかむ。30秒間、手を小刻みに揺らし、振動を与える。
【3】エラの上をこぶしで押し上げる
こぶしの第2関節部分をエラの上に当て、耳の下あたりまで押し上げるようにして、30秒間マッサージする。
どれも簡単にできるものばかりだが、「あくまでマッサージのような一時的なケアです。力加減などに注意して、けがのない範囲でやることが大切です」と内山さんは語る。おうち時間が増えているいまのうちに、自宅で自分磨きをしておくのもアリだろう。
イラスト/藤井昌子
※女性セブン2020年11月5・12日号
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