健康・医療

不調改善に「桂枝茯苓丸」が効く!? ホルモンバランス整える女性のための漢方【漢方でカラダケア】

バランスのとれた食事、適度な運動、規則正しい生活がダイエットには必須。頑張って取り組んでいるのに、なかなか結果が出なくて悩んでいる人も多いのでは?

やかんに手をかざしている
写真6枚

薬剤師の大野雅代さんに聞くと、女性の場合、月経時にホルモンバランスの乱れによる不調があると、そのせいでダイエットに集中できずに困る人もいるのだとか。

今回紹介する「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」という漢方薬は、そんな月経時のトラブルや更年期障害など、女性特有の症状に効果を発揮することが多いそう。その効果について、大野さんに詳しく解説してもらった。

* * *

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)はどんな漢方薬?

◆桂枝茯苓丸はこんな人におすすめ

桂枝茯苓丸は、以下のような人におすすめの漢方薬です。

□ 比較的体力がある
□ 手足は冷えるのに、上半身にのぼせを感じる
□ 生理痛や月経不順、肩こり、頭痛がある

漢方医学では、月経時に痛みがあったり、月経周期が乱れてたりする場合は、子宮に血液が滞っている状態だと考えます。桂枝茯苓丸は、血の巡りをよくすることで、痛みの低減や月経のリズムに働きかけます。月経痛が楽になると、普段のように活動しやすくなるので、ダイエット中でも「不調のせいで運動ができない」「食事調整も頑張れない」といった悩みを減らせるかもしれません。

◆桂枝茯苓丸に効果を感じた人の事例

お腹を押さえる女性
写真6枚

生理痛で相談に来た34歳女性の事例を紹介します。彼女は、20歳を過ぎた頃から月経時の下腹部の痛みがひどくなったそうです。最初は市販の鎮痛剤で日常生活は難なく送れていたとのことでしたが、年齢を重ねるうちに、鎮痛剤でも耐えられない痛みとなり、相談に来ました。

下腹部の強い痛みがあることから、桂枝茯苓丸を服用しはじめ、月経時には鎮痛剤を併用しながら治療を行ったところ、月経痛は軽減し、鎮痛剤の使用量も減りました。現在は仕事にも影響なく生活できているとのことです。

下半身、特に下腹部によく効くことが多い桂枝茯苓丸の効果がしっかりと出た事例です。

◆桂枝茯苓丸に含まれる生薬

「牡丹皮」の画像
牡丹皮
写真6枚

桂枝茯苓丸には5つの生薬が含まれています。

血管を広げて血流を改善し、滞った血液をとりのぞく「牡丹皮(ぼたんぴ)」「桃仁(とうにん)」「芍薬(しゃくやく)」、温める力があり血管を広げる「桂皮(けいひ)」、体内の水分を調節して水の流れをよくする「茯苓(ぶくりょう)」です。

茯苓はむくみをとることが期待できるので、下半身がスッキリするかもしれません。また、桂皮はシナモンのような風味がするので、この味が好きなかたは続けやすい漢方薬です。

ただし、妊娠中のかたは服用することができない生薬の桃仁、牡丹皮が含まれているので注意してください。

漢方薬とはそもそもどんなもの?

小皿に入った生薬
写真6枚

漢方薬は、自然由来の生薬を組み合わせた薬で、一般的に、西洋薬よりも副作用が少ないと言われています。また、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すものなので、「できるだけ人工的な薬に依存したくない」「体質を根本的に改善したい」というかたに最適です。

漢方医学では「異病同治(いびょうどうち)」という言葉があり、違う症状も1つの漢方薬で対応できることがあります。例えば「桂枝茯苓丸」であれば、月経痛と下半身のむくみ、両方に効果があるというようなことです。漢方医学の長い歴史の中で、体質改善をすることが不調の根本的な解決になることが多くの症例でわかっています。

漢方薬をのむときの注意点

漢方薬は自然由来の生薬を組み合わせた薬ではありますが、副作用が起きる場合もあります。また体質に合った漢方薬をのまないと効果も思ったように出ません。服用するときは、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

漢方薬を手に入れるには、ドラッグストアで購入する、漢方クリニックや漢方薬局で処方してもらう、などの方法があります。

クリニックや漢方薬局は敷居が高いというかたには、AI(人工知能)と漢方のプロフェッショナルが効く漢方薬を見極めて、ご自宅まで届けてくれる「オンライン個別相談・AI漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などの、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。

桂枝茯苓丸で女性特有の不調を改善

壁にもたれ掛けた脚
写真6枚

生理痛や更年期の不調などの改善に働きかける「桂枝茯苓丸」のポイントは以下。

・血流をよくするので、月経痛などの下半身の痛みの改善に
・水分バランスを整えるので冷えのぼせの解消が期待できる

血が滞って生理痛があると、ダイエットを頑張るモチベーションも持続しませんよね。血を巡らせて不調を改善すると、運動もしやすくなりますし、気持ちも上向きになります。漢方薬のいいところは体だけではなく、心も健康にすることです。不調の根本的な改善に、漢方を取り入れてみてはいかがでしょう。

教えてくれた人:薬剤師・大野 雅代さん

大野雅代さん
写真6枚

おおの・まさよ。薬剤師・研修認定薬剤師。化粧品検定1級。大学卒業後、大手調剤薬局、ドラッグストア、町の調剤薬局に勤務。更年期症状に悩む患者、自分のホルモンバランスからくるイライラや体調不良をなんとかしたいと女性の健康について学び始める。学生から更年期まで、女性が仕事や好きなことに打ち込める手助けをするのが目標。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
●不調の改善に!無料体質判定:http://www.kamposupport.com/anshin1.0/n/taishitsu/

●「防風通聖散」を薬剤師が徹底解説|のむだけで痩せる?お腹の脂肪を根本解決【漢方でカラダケア】
●「当帰芍薬散」なら冷えとむくみを解消してダイエット効果も【漢方でカラダケア】
●「半夏厚朴湯」でダイエット成功のカギとなるストレスと上手に付き合う【漢方でカラダケア】
●「五苓散」でむくみや水太りを改善し、痩せやすい体にチェンジ!【漢方でカラダケア】
●【更年期の悩みを解決!】のぼせ、ほてりなどホットフラッシュを解消する漢方など4つの方法とは?

関連キーワード