今、掃除分野の時短家電として、ロボット掃除機と並ぶほどニーズが増しているのが、コードレス掃除機。コードを抜き差しする必要がないため、使いたいときにサッと使えて、どの部屋にも容易に持ち運べる。そんな手軽さで、高い支持を受けているのだ。
そのコードレス掃除機も、シンプル設計の低価格帯から多機能型の高価格帯まで幅広い。そんな中、「リーズナブルでいて多機能」と注目され、非常に売れている掃除機がある。シャークの『EVOPOWER SYSTEM』シリーズだ。
手軽さをとことん追求したEVOPOWER SYSTEMシリーズ
家電ライターの田中真紀子さんが解説する。
「シャークは、2018年に日本に上陸したアメリカの大手掃除機メーカーです。当初はアメリカで売れているモデルを日本仕様にしていましたが、2020年8月、日本市場のために開発したコードレススティック掃除機『EVOPOWER SYSTEM』を発売し、ロングセラーになっています」(田中さん・以下同)
◆出しっぱなしにできるデザインと使い勝手のよさが秀逸
「ハンディ部分は0.9kg、コードレス掃除機にしても本体がわずか2kgと軽量で、持ち運びに抵抗ない重量感。本体に溜まったゴミも、ワンタッチで捨てられ、ゴミを吸い取るヘッド部分のブラシも髪の毛がからまない仕様のためお手入れがラク。さらに、複数のアタッチメント(ブラシなどの付け替え用付属品)を充電台にセットでき、片手でサッと付け替えられる工夫など、“手軽さ”をとことん追求しています」
“く”の字型に曲がるパイプで、家具の下も立ったままラクに掃除
さらに画期的なのは、『EVOPOWER SYSTEM』シリーズのプレミアムモデルとして2020年11月に登場したFLEXモデル。
「パイプがワンタッチで折れ曲がるため、かがまずにソファや棚の下の奥まで掃除ができるようになりました。かがんで立ち上がる動作がつらかった人には、救世主のような商品です」
実際に使ってみた田中さんに、主婦目線で使用感などを教えてもらおう。
【使用感】デザイン、使い勝手、吸引力も申し分なし
使いたいときにすぐに使うには、リビングなどに出しっぱなしにしておく必要がある。それを可能にするには、スリムで、リビングに置いても浮かない見た目であることが条件になる。
「本製品はゴツさのないスリムなタイプ。デザイン的にも、従来のコードレス掃除機とは違い、ワントーンですっきり。部屋に置いても家電っぽさや生活感がありません。床などを掃除するコードレス掃除機として使う場合、本体を少し持ち上げるだけで充電台から外せ、サッと掃除できます。重量バランスが絶妙で、手元は軽いのに足元が少し重く、しっかり床に密着しながらスイスイ前に進みます。吸引力もメイン機として申し分なし」
最大の特徴は、パイプを“く”の字に折り曲げられること。
「折りたたみボタン1つでパイプが“く”の字に折れ曲がるので、腰をかがめずにソファやベッド下の奥まで掃除できます。また、ヘッド自体も、棚の下など高さがない隙間にはいり込めるよう、低く設計されているのもかゆいところに手が届く機能です」
一方、棚の上やソファなどの汚れを取るハンディ掃除機として使いたいときは、充電台から外すときにレバーを引きながら真上に持ち上げるだけ。
「パイプは充電台に残るので、通常の掃除機のように片手で引き抜いてどこかに置く手間がありません。また、他のアタッチメントをつけたいときも、充電台に立てておいたものに、上からそのまま先端を差し込むだけでOK。
ただしアタッチメントを充電台にたくさん立てておくと、すっきり感が損なわれます。使いやすさを取るか、部屋のイメージを取るかは悩ましい点です」
【手軽さ】ハンディへの付け替えから、ゴミ捨て、充電まで片手で完結
上記の通り、使いたいときにサッと使える手軽さは抜群。
「ボタン1つで動くロボット掃除機ではないので、『非常に手軽』とまでは言えませんが、コードレススティック掃除機の中では、手間なく使える仕掛けが満載。床掃除はもちろん、ハンディで使うときや、場所によって付け替えるアタッチメントの取り外しも両手を使わずにできます。もちろん充電も、充電器に差し込むだけ。今まで以上に気軽に掃除したくなること間違いなし」
ゴミ捨ても、驚くほど手軽にできる。
「一般的にゴミ捨ては、ダストカップを外す手間が必要ですが、本製品は外す手間なく、親指1つでパカッとふたが開き、瞬時にゴミ捨てが可能。掃除機のヘッド部分のブラシに髪がからまないため、ブラシのお手入れ時間も大幅に短縮されます」
このように、すべてが片手で完結するため、例えば何かを片手に持ちながら、片手で掃除機を操作することもできる。忙しい人にはうってつけだ。
【時短】日常的には取り出しやすく、すぐに使える点でも時短
小さな手間を少しずつ省けるため、総合的に時短度は高い。
「コードレス掃除機は、サッと手に取り、サッと掃除が始められるのが魅力。特にこれはデザインがおしゃれなので、部屋の目につきやすい場所に置いておけます。そのぶん、さらに手に取りやすくなり、“サッと掃除”がより可能に。ゴミが気になったときや隙間時間に掃除ができるので、結果的に時短になります。
また前述の通り、ワンタッチでゴミを捨てられたり、ヘッド部分のブラシのお手入れも大幅に短縮される点など、細かい動作において時短機能が散りばめられています」
【コスパ】1台ですべてをまかなえる多機能型コードレスとしては、コスパ高し!
価格は、税込で5万5000円。
「コードレススティック掃除機が5万円前後というのは、高機能モデルの中では安いほう。豊富なアタッチメント、バッテリーが2台搭載、髪がからまないブラシなど、上位モデルについているような機能がついて、さらに1台あれば家中掃除ができる多機能型でこのお値段。コスパは最高でしょう」
【意外性】狭い空間で威力を発揮する“く”の字型パイプ
本製品の大きな特徴でもある、折りたたみボタンを押すとパイプが折れ曲がる機能。これがコードレス掃除機にしては画期的だ。
「ボタン1つでパイプが“く”の字に折れ曲がる機能は、本当にありがたい。例えば、掃除機のパイプをベッドの下に入れて掃除したいとき。手前側にある程度の空間がないと手前側の壁に本体がぶつかって引くことができませんよね。そんな狭い空間こそ、この機能が役立ちます」
日本の狭い住宅環境にもうってつけというわけだ。
また、かがんだ状態でスティックを押したり引いたりする必要がなく、どんな場所でも立ち姿勢のまま掃除機をかけられるため、腰痛持ちや、かがんで立ち上がる動作がしづらい人にも使いやすい。年末の大掃除で腰を痛めた人、掃除疲れした人は、ぜひ検討したい。
【データ】
Shark『EVOPOWER SYSTEM コードレススティッククリーナー FLEXモデル CS501J』
販売価格:5万5000円(税込)
※付属品は、ミニモーターヘッド、ブラシ付き隙間用ノズル、マルチノズル、布団用ノズル、充電ドック兼アクセサリースタンド、リチウムイオンバッテリー2本
販売場所:家電量販店、楽天市場などのECサイト、シャークオンラインストア
https://direct.shark.co.jp/
この人に聞きました:田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。
取材・文/桜田容子
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