家事・ライフ

自己紹介で過去のことを話す人は「片付けられない人」、その理由とは?

片付けた方がいいと頭ではわかっていても、いつも「片付け」に失敗したり挫折したりして、続かない。そんな「片付け難民」の共通点とは、何でしょうか。

すっきり片付けられた白を基調としたキッチン
キレイに整理されている阪口さんのキッチン(Ph/Yoshioka Keiji)
写真4枚

『片付けは減らすが9割』(ぱる出版)の著書があり、“ゆるミニマリスト”として人気のブロガー・阪口ゆうこさんは、こう分析しています。

片付け難民にありがちな4つの特徴

【1】物事を後回しにしがち

「ここを片付けるのはすぐにできそうだから、先にテレビを見よう」と後回しにしたり、「片付けても、子供がすぐ散らかしてしまうから」「今は忙しいから」と片付けられない理由を探す人。

「聞いてもいないのにできない理由がどんどん出てきて、結局行動に移しません。また、私の経験上、やるべきことは、後回しにすればするほど面倒に感じます。そして、放置してしまう。どうせいつかはやらないといけないなら、無駄にタスクを溜め込まず、すぐに手を打った方がいいでしょう」(阪口さん・以下同)

実際、片付け上手な人は、「何から片付けるのがよいか」などと腕組みしてぼんやりしたりせず、片付けながら考えていると言います。とりあえず手を動かすかどうか、が、片付けられるか否かの分かれ道のようです。

【2】350mlと500mlの飲み物があると500mlの方を買う

結局全部飲み切れないのに、ついつい「コスパがいいから」と大きい方を買ってしまう。これは調味料などでも同じこと。

ペットボトルの小さいのから大きいいのまで6本並んでいる
Ph/GettyImages
写真4枚

「飲み物に限らず、調味料などでも『お徳用』を選んだり、不要なおまけつきを選んだりする人も同様。足りる量を自覚せず、余らせてしまう人は、物を増やす傾向にあります。つまり、『足りる自覚』と『足りない自覚』が薄いのです。例えば、足りる自覚がしっかりしている人であれば、350mlで足りると自覚し、多めには買わない、というブレーキがかかります。『もしもなくなったら』ではなく『もしも余ったら』に重きを置いている人が多い印象です」

【3】時間をかけず結果をすぐに求める

これはダイエットにも言えることですが、「〇〇抜きダイエット」などをして短時間で結果が出ることがあっても、すぐにリバウンドしては元も子もありません。

「お部屋も一時的にすごくキレイになったとしても、それを継続しなければ意味がありません。重要なのは、すぐに結果を求める短期決戦的な片付けではなく、毎日の習慣にすることです」

カレンダーと時計と紙が置かれている
Ph/GettyImages
写真4枚

とはいえ、これまで片付けの習慣がなかった人が、急に「毎日10分でも続けるぞ」と取り組むのは、登山初心者がいきなり富士山を目指すようにハードルの高い目標です。阪口さんは、あえてハードルを低く設定し、3日に一度片付けられたら、自分をほめてあげることが大事だと説きます。

「ハードルをできるだけ下げた状態で掃除や片付けに取り組み、キレイになったシンクや床の上を見てうっとりする。自分をほめる。この繰り返しを地道に続けていってほしい。キレイになったときの感動、うれしさ、得も言われぬ満足感。そして成功体験からくる自信。こうした肯定的な気持ちが次のステップへと背中を押してくれるのです。気づけば、徐々に片付けの頻度やクオリティが上がっているはず」

キレイになった空間を見ながら、お茶を飲んだりヨガをしたりすることに得も言われぬ幸福感を味わう人もいるといいます。この満足感を味わうために、また片付けたくなる。そんな感覚を覚えたらしめたもの。片付け上手になった証です。

【4】自己紹介で過去のことを話す

例えば、趣味を聞かれて、10年前に流行っていたけれど今はやっていないスポーツを答える人がいます。

「私の経験では、片付けられない人の多くは、自己紹介で、生まれや育ち、これまでどんなことをしてきたかを話す人が多い。一方、片付けられる人は、今どんなことをしていて、これから何をしたいか、今と未来を話します」

その理由を、阪口さんはこう分析します。

「おそらく、片付けられる人は、過去に重きを置いていないから、今まで持っていたモノを潔く捨てられる。だけど片付けられられない人は、思い出を大切にし過ぎるがあまり、思い出が詰まったモノを捨てられないのではないでしょうか」

過去ではなく今や未来に重きを置こう

かくいう阪口さんも、過去に重きを置く人だったそう。

白い冷蔵庫の左隣に電子レンジや炊飯器などを置いた棚がある
Ph/Yoshioka Keiji
写真4枚

「モノにも情があり、まだ使えるのに捨てるのはもったいないと考えていました。でも生きていればモノはどんどん増えていきます。それによって、今や未来の暮らしが圧迫されて苦しむのは本末転倒ではないか? そう考え、私は少しずつ物を手放せるようになりました」

過去より今と未来の暮らしに目を向ければ、思い出の品物も少しずつ手放せるようになるかもしれません。心機一転、新旧のモノを入れ替えてもみてはいかがでしょうか。

モノをストレスなく、かつ効率的に手放すための秘訣は、阪口さんの著書『片付けは減らすが9割』に紹介されています。

教えてくれたのは:整えアドバイザー・阪口ゆうこさん

1981年生まれ。月間平均250万PV超の片付けブログ『HOMEbyREFRESHERS』 管理人、整えアドバイザー。もとはズボラ体質で「片付けられない人生」を歩んできましたが、トライ&エラーを繰り返した結果、自身の「ものの適正量」と「本当に必要なもの」を把握。片付けの労力と時間を劇的に減らすことに成功しています。その秘訣を綴ったブログは、日本ブログ村のランキングでは「総合1位」の常連に。https://sakaguchiyuko.blog.jp

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