人間関係

【コロナ禍の夫のトリセツ】話を聞いてくれない夫に話を聞いてもらうための3つのルール

コロナ禍で夫と一緒に過ごす時間も増えると、「夫に話が通じない」「わかってくれない」と妻のイライラも増えるばかり。でも、それは夫のせいではなく、男性脳のせいかもしれません。

夫婦
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そこで、ベストセラー『夫のトリセツ』(講談社)の著者で脳科学・人工知能(AI)研究者の黒川伊保子さんに、夫に対する妻の悩みに答えてもらいました。

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【相談】話をしても”無視”する夫にイライラ…聞いてもらうには?

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「これまでは朝早く仕事に行って、夜は遅くに帰ってくる夫がコロナ禍で在宅勤務になって、平日も休日も1日中に家にいます。気になるのは、私が話をしているときの夫の態度です。私がその日にあったテレビの話や電話で話した友達の話をしても、ただぼ~っと聞いているだけで、ほとんどリアクションをしてくれません。い一緒にいる時間が増えて夫の態度が気になってイライラします。どうしたらいいでしょうか?」(50歳・専業主婦)

自然体でいるときに使う脳の回路が、男女では異なる

コロナ禍で、夫と一緒にいる時間が増えたことで、こうした悩みを持つ妻の話はよく聞きます。実は、男女は、四六時中一緒の過ごすのに向いていない「脳の組み合わせ」。夫が四六時中、家にいるのでは、イライラする場面が増えるのは当然です。

◆男性脳にとって、おしゃべりは危険なもの

解決法の話をする前に、そもそも一般的な男性脳は、「いきなり話しかけられても、音声認識できない(相手の声が「ことば」に聞こえない)」「結論がわからない話が2分以上続くと、音声認識機能が停止してしまう(相手の声がモスキート音のように聞こえてしまう)」ということを知っていただかないといけません。つまり、話が聞こえているのに、あえて無視しているのではないのです。女性には想像もつかないけれど、脳が勝手に「おしゃべりボタン」を停止してしまう。

なぜだと思いますか? 実は理由は明確。男性脳にとって、「おしゃべりは危険だから」です。

男性脳は、何万年も狩りをしながら進化してきました。荒野に出て、危険な目に遭いながら、確実に成果をあげて帰ってこれる男子だけが子孫を増やしてこれたのです。つまり、「狩り上手」な男性が多く遺伝子を残してきたということ。21世紀でも、「危険な現場で、問題解決を急ぎ、成果をあげる」回路を優先して使う男子が圧倒的に多い所以です。

森や荒野を行く狩人は、沈黙で、身を守ってきました。風や水の音の微かな変化で、その先の地形の様子を知ります。獣の気配を聞き逃すこともできません。そんな「耳を澄ます」狩人の隣に、べらべらしゃべる人がいたら、どうなるでしょうか? 生命の危険さえ感じるはずです。

携帯を触る男性
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このため、多くの男性たちにとって、沈黙は生存可能性をあげる状態であり、心地いいのです。逆に、目的の分からない、長々としたおしゃべりは、男性脳にとっては、かなりのストレスとなります。

◆女性にとってはおしゃべりと共感が生存可能性をあげる手段!?

一方、女性脳は、子育てをしながら進化してきました。こちらは、共感力の高さこそが、生存可能性をあげる鍵となります。互いに「日々の出来事」を語り合って、子育ての知恵を増やせるからです。また、人工栄養のない時代には、女同士共感しあって連携し、おっぱいを融通し合う必要もありました。

女性は、おしゃべりと共感こそが、生存可能性をあげる手段であり、心地いいのです。逆に、沈黙や、共感のない会話はかなりのストレスとなります。

こういう真逆センスの持ち主が、会話をしているのですから、素のままではうまくいくわけがない。なんらかの工夫は必要になるわけですね。

男性脳は問題解決をして結論を急ぎ、女性脳は共感し合う

会話そのものの進め方も、センスが大きく違います。女性の好みは、共感の会話。「いいね」や「わかる」で柔和に受け止めてもらい、なんなら相手の気持ちも聴かせてもらって、心通わせたいのです。

けんかする夫婦
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しかし、男性の好みは、スペック確認と問題解決。実は、相手の話から、感情と主観の部分を取り除いて、客観データのみを収集しようとする癖があるのです。なので、「心に浮かんだ気持ち」を伝えても、何を言っているのかわからないってことも。

例えば、「今日さ、○○でラーメン食べたんだけど、けっこう美味しかった」と話したら、「どこの○○? あそこさ、博多ラーメンとしては、邪道なんだよね~」などと返ってくることはありませんか?

◆夫に「悪気はない」

女性にしてみたら、「あ~、あそこ、スープがいいよね」「まだ、食べたことないんだよ。食べてみたいなぁ」などと共感や気持ちで返してほしいのに、スペック確認やら、うんちくやらを語り出して、がっかりさせられることが。あるいは、「今日、上司に、こんなこと言われちゃって。むかつくわ~」と話したときも、女性の望む返答は「わかるよ~。それは傷つくよね」という共感やいたわりなのに、「あ~、向こうの言うことにも一理あるよな」なんて言ってくれちゃったりして。

共感型の女性脳は、共感を望み、問題解決型の男性脳は、問題解決をしてしまう。どちらも、まったく悪気はなく、良かれと思ってした結果。夫がひどい人なのでは、毛頭ないのです。