介護と仕事の両立に困ったら「介護休暇」や「介護休職業」
【質問】家族の介護のために、会社を休むことが多くなりました。職場に迷惑がかかるし、このまま仕事を続けていけるのかが不安です(54歳・会社員)
【回答】離職しなくても、「介護休暇」や「介護休業」を使って仕事と介護の両立できる体制を確保していきましょう。
●仕事と介護の両立が難しい…「介護休暇」に頼ろう
「介護休暇」とは、会社で働く従業員が、介護と仕事の両立のために会社を休むことができるように作られた制度です。要介護状態にある家族の介護や、通院の付き添い、介護サービスを受けるための事務手続きなどを行う際に、利用することができます。
休暇取得の条件は、要介護状態の家族がいて、6か月以上雇用期間があること。介護対象となる家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで取得することができます。ただし、原則として賃金は無給です。
●「介護休業」とは?
「介護休業」は、従業員が介護をしている間の雇用や収入を保障して、職場復帰をしやすくするための制度です。まとまった短期休暇を取得できるのが特徴で、休んでいる間は原則、休業開始前に受けていた平均賃金の67%の給付(上限あり)を受けることができます。介護休業の期間は、介護の対象となる家族1人につき最長93日まで。3回を上限に分割して取得することができます。
【ポイント】
・介護休暇、介護休業は、派遣社員や契約社員であっても対象となります。
・介護休暇は当日に口頭で伝えるだけで取得することができます。
・法改正により今年1月から、介護休暇は時間単位で取得できるようになりました。
このように、さまざまな支援制度があります。介護で生活が立ち行かなくなったときは、1人で抱え込まず、自治体などに相談してみてください。
※手続き内容をわかりやすくお伝えするため、ポイントを絞り編集しています。一部説明を簡略化している点についてはご了承ください。また、令和3年2月10日時点での内容となっています。
監修:特定社会保険労務士・小泉正典さん
こいずみ・まさのり。特定社会保険労務士。1971年生まれ、栃木県出身。明星大学人文学部経済学科卒。社会保険労務士 小泉事務所 代表、一般社団法人SRアップ21理事長・東京会会長。専門分野は労働・社会保険制度全般および、社員がイキイキと働きやすい職場作りのコンサルティング。監修書に『社会保障一覧表』(アントレックス)、『「届け出」だけでお金がもらえる制度一覧』(三笠書房)など。セミナーや講演も多数行う。https://koizumi-office.jp/
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