最近、「フードシェアリングサービス」という言葉をよく聞きませんか? どんなサービスか知らないという人は、この機会に知っておくことで出費が節約できるかもしれません。
食料品をお得に手に入れることができるこのサービスについて、お金のプロフェッショナルである節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに教えてもらいました。
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フードシェアリングサービスとは?
フードシェアリングサービスとは、賞味期限や閉店時間の関係で販売業者や飲食店がやむを得ず提供できない品物を、通常価格より格安で購入できるサービスです。
近年の問題となっているフードロス
農水省、環境省によると日本国内での食品ロスは年間612万トン(平成29年度推計)といわれています。これは、東京ドーム5杯分とほぼ同じ量で、日本人1人あたり、お茶碗1杯分のごはんの量が毎日捨てられている計算になるといいます。
フードシェアリングサービスは主に2タイプ
フードシェアリングサービスについて、ここでは賞味期限が近い商品や旧パッケージの商品を割引価格で購入できる通販サイトのタイプと、ベーカリーなどの飲食店に廃棄時間前に商品を受け取りに行くアプリタイプのサービスについて紹介します。
まず、最初に紹介する通販型のシェアリングサービスでは、加工食品だけでなく、生鮮食品や日用品も扱っているサイトがあります。
「豊洲市場ドットコム」コロナの影響で店に出荷できなくなった生鮮食品も
傷や形で規格外とされた野菜や、新型コロナウイルス流行の影響で飲食店に出荷できなくなった生鮮食品などを扱っています。市場に出荷された商品なので、品質にも期待ができます。
「KURADASHI」最大97%オフ!食料から美容・健康関連商品まで扱う
日本初・最大級の社会貢献型フードシェアリングプラットフォームとして誕生し、最大97%オフで商品を販売しています。食料品から、雑貨、美容・健康関連の商品まで幅引く扱っています。また、「令和2年度 国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業」に参加しており、対象商品(新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、在庫の滞留や売上げの減少などが顕著な食材)が送料無料になるキャンペーンを実施しています。
「junijuni」食料以外に日用品も。お得なアウトレットコーナーも人気
2019年に開設された比較的新しいサービスです。東京ガスが協賛しているフードシェアリングサービスで、食品以外に日用品も充実しています。アウトレットコーナーは特にお得。3980円以上の購入で送料無料なので、よく使うものをまとめ買いするのがオススメです。
「TABETE」賞味期限が近い食品を近所のお店に出向いて購入
なかでも有名な『TABETE』というアプリは、余剰品を提供しているお店を選び、店頭に引き取りに行くだけ、と使い方が簡単です。
さまざまなフードシェアリング系アプリがありますが、『TABETE』は都度払いでの購入なので、フードシェアリング系アプリを初めて使うのなら、まずは『TABETE』で試してみるのをおすすめします。
これから大きくなるサービスなので成長を見守ろう
ただし、参加店舗がまだ少ないので、エリアによっては便利さを実感できないかもしれません。まずは、「ちょっと探してみよう」というくらいのお試し感覚で使ってみるのがいいかもしれません。
消費者にとってお得なだけでなく、近年問題になっているフードロス問題の解決にも役立つ、一石二鳥なサービスを活用してみてはいかがでしょう。
教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。丸山さんのオフィシャルサイト「らくらく節約生活」
構成/吉田可奈