バツイチ独身のライター・オバ記者こと野原広子(64歳)が、趣味から仕事、食べ物、健康、美容のことまで“アラ還”で感じたリアルな日常を綴る人気連載。254回目となる今回は、「コロナ禍に思うこと」について綴ります。
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コロナ禍で「時間がのっぺら棒」
体重、預金残高、それから年齢。数字で示すもののほとんどが不本意で、不服で、「え~っ、聞いてないよ」ばっか。その際たるものが、月日の流れってやつよ。特にコロナ禍の今年は時間がのっぺら棒で、寝て起きてひとりでご飯を食べているうちにすでに半分終わっている。
そりゃ〜、ないんじゃないの!と見えない誰かに文句を言いつつ、スマホで撮った写真を見ていた私。
スマホが勝手に名付けたアルバム名、「国会議事堂」だけでも季節の流れがはっきり出ていて、ああ、なんか焦るわ。
2月12日 観光バスがいなくなった国会議事堂前
議員会館のバイト先からランチに出て横断歩道の信号待ちをしていたら、裸の枝先がほんの少し緑色に変わっていたのでパチッ。
一昨年まで2月は小学生の国会議事堂見学のトップシーズンで、観光バスが連なっていた道が、今年はご覧の通り。
「○○小学校の皆さん、おはようございま~す」
会議の都合で、集合場所に少し遅れる代議士に「野原さん、少し話つないでよ」と言われて、第一声を上げたときはちょっとした台から飛び降りるような気持ちになったっけ。
何せ子供とは無縁のおひとりさま。大人の事情にまみれてカンレキを過ぎた私を、そんな真っ直ぐな目で見ないでちょうだいな。
しかし子供の目力ってたいしたものね。気がつくと私は背筋をシャンと伸ばしてね。
「皆さんにとっておそらく今回が生涯、最初で最後の国会議事堂見学になるはずです。そして、テレビのニュースで今後は見ることになります」なんて、声を張り上げていたんだもの。ああもう、今となるとウソみたい。
3月24日 原付きバイクから撮った夕日に映える議事堂
国会議事堂の正門前から、なだらかな坂を降りて「国会前」の大きな交差点で信号待ちをしたら、バックミラーに夕日に映える議事堂が写ったの。夕方の5時過ぎなのに道はガラガラで、まあ、気持ちいいこと。
4月7日 新緑の中、霞ヶ関ウォーキング中
新緑の季節、総理官邸前からだらだら坂を下り、バイト帰りの霞ヶ関ウォーキング。外務省と財務省の間のひと気のない道を歩いて、農水省の前を過ぎると日比谷公園の端っこにたどり着く。ここを横切ったら、有楽町駅まではすぐそこ。歩け、歩け。
6月17日 土砂降りの中の国会議事堂
国会議事堂は建設された昭和11年当時、東京でいちばん高い建物だったんだって。雑務の間、ふと窓から議事堂を見ると天気によって表情が違って、飽きることがない、と言いたいところだけど。何よ、この天気は! 晴れやかな5月なんかあったっけ?
で、6月に入ったら、雨、曇り、雷雨、曇り。気象病の私はバイトの日は朝起きるけど、週末は一日中、ベッドに沈み込み、激しく動かしたのはスマホを触る指先だけって、ほんとダメ人間じゃない?
早く、晴れてくれ~。
オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。一昨年、7か月で11kgの減量を達成。
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