テレビを見たくてもソファに座ってゆっくり見る時間がなく、洗い物や掃除機がけをしながらの「ながら見」「ながら聴き」が多い――。そんな人もいるでしょう。ただ、家事をしながらだと、テレビの音声が水道水や家電製品の音にかき消されて聴こえず、困ってしまいますよね。こうした“プチストレス”を解消してくれるのが、スピーカー機能が搭載されたシーリングライト(天井に直接固定して設置する、広い面積の照明器具)です。
各社から出ている中で、家電ライターの田中真紀子さんが気に入っているのは、パナソニックから出ている『スピーカー搭載 LEDシーリングライト AIR PANEL LED THE SOUND(サウンドシリーズ)』。
天井の照明から、テレビの音や音楽が降り注ぐ
サウンドシリーズは、あらかじめテレビと連携設定しておくことで、付属のワイヤレス送信機を介して、天井のライトからテレビの音声が降ってくるように聴こえます。また、スマートフォンにダウンロードした音楽も、Bluetooth機能を使えばライトから音が降り注ぐように聞こえるので、ライトを取りつけた室内であればどこにいても音楽を楽しめます。
天井に取り付けることで「上階に音が響かないか?」と心配になりますが、スピーカーが下向きについているため、常識的な音量であれば問題ないそうです。
田中さんはスピーカー機能だけでなく、照らし方のバリエーションが豊富な点に着目しています。
気分や時間帯によって灯りを選べる
「サウンドシリーズには丸型と角型の2タイプの形があり、私が使っている角型の場合、点灯する部分が中心と左右のパネル、3か所に分けられているため、3つとも点灯する『全灯』、『センター光』、『ネル光2枚』、『パネル光1枚』の中から、好きなように照らし分けができます。
使うシーンや目的によって、4パターンの照らし方から選べるんです。さらに、夜は間接照明にするなど、色の温度や明るさも調節できるのがうれしい」(田中さん・以下同)
多くの家庭にはまだまだなじみのない、スピーカー搭載のシーリングライト。実際の使用感などはいかがでしょうか?
5つの視点からレビューしてもらいました。
【使用感】天気が悪い日でも気持ちいい光に設定できる
田中さんは、このライトをリビングに設置しています。
「設置自体は簡単で、普通のシーリングライトのように天井に設置できました。テレビの向きとスピーカーの向きを合わせる必要がありますが、注意するのはそれだけ。照明のオン・オフは、付属のリモコンから行うか、アプリをインストールしたスマートフォンから操作できます」
ライトのバリエーションはとても豊富。
「『全灯』『パネル』『センター』と点灯する部分が選べるほか、『白い色』や『暖かい色』など、それぞれ色の暖かみや明るさも選べます。便利なのが『おまかせ』ボタン。ここを押しておくと、設定時刻になれば朝・昼・夜とそれぞれにふさわしい光に自動で切り替えてくれます」
田中さんが個人的に気に入ったのは、『全灯』の明るさだといいます。
「『全灯』+『白い色』の組み合わせで設定すると、天気が悪く薄暗い朝でも気持ちのいい光に満たされるんです。ここで付属のワイヤレス送信機とスマートフォンをBluetoothでつないでおけば、スピーカーからスマートフォンの音楽が降ってくるように流れるので、朝から気持ちよい時間が過ごせます」
一方、夜は「暖かい色」を選択しているそうです。
「『暖かい光』はくつろぎの時間にぴったり。パネル光だけにすると、天井に光が反射して間接照明のような優しい光になり、間接照明に憧れていた私としてはうれしい限りでした。
さらにアプリを使うと、『勉強』『くつろぎ』『シアター』『だんらん』などシーンに合わせた切り替えも可能で、色温度や明るさも好みに設定できます」
スピーカー機能も重宝しているそう。
「映画鑑賞やスポーツ観戦の際にこのライトからテレビの音を流すと、臨場感がまるで違います。今夏は、オリンピックの様子を迫力ある音声で楽しむのもいいですね」
【手軽さ】最適な灯りにしてくれる『おまかせ』設定がラク
本製品は、リモコンで操作するタイプのほか、アプリ対応モデルではスマートフォンからも操作ができます。田中さんが使っているのは、リモコン操作タイプ。
「シーンに合わせた灯りがリモコンで手軽に設定できる点はもとより、『おまかせ』にしておけば、その時間に適した光で点灯してくれます。何も考えなくていいので、とってもラクです」
【時短】家事とテレビ視聴を同時に行える点では時短?
「ボタンひとつでシーンに合わせた照明を変えられたり、お任せできる点では手間いらずで、わずかに時短かもしれません」と、田中さん。
また、洗い物や掃除機など、音が出る家事をしながらテレビのニュース番組を聴けるのも、“ながら家事派”にとっては時短になりそうです。
【コスパ】空間の心地よさがUPし、コスパはよし
価格は、12畳までのパネルタイプ(『AIR PANEL THE SOUND HH-XCF1203A』)で7万円前後。スピーカー機能搭載のシーリングライトの中では決して安い方ではありません。ただし――。
「最初は、『ちょっと高いかな』と思いましたが、使えば使うほど便利で、この値段でも欲しいと思えるようになったので、コスパはいいかもしれません。やはり、1台でそのときどきに合わせた灯りをつけてくれ、スピーカーも付属しているので、空間の心地よさが大きく変わりました。シーリングライト数台分の価値を感じています」
スピーカー機器の購入を考えている人にとっては、照明とスピーカーを兼ねられる点で、よりコスパを感じられるでしょう。
【意外性】おうち時間を豊かに演出してくれる照明器具
意外性は、光と音で心地よい空間を作ってくれるという、コンセプトだそう。
「スピーカーが搭載されているLED照明は他社からも出ていますが、光と音で空間を演出する“新しい住空間”を体感できるタイプとしては、数少ないアイテムです」
同じ部屋でも灯りを変えることで気分が変わります。まだまだ続きそうなおうち時間を豊かに彩ってくれるでしょう。
【DATA】
パナソニック『AIR PANEL LED THE SOUND HH-XCF1203A(LINK STYLE LED対応)』
販売価格:7万円前後(税込・編集部調べ)
販売場所:家電量販店、楽天市場やAmazonなどのECサイトほか
https://panasonic.jp/light/products/ceiling/sound.html
教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。
https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/
取材・文/桜田容子
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