秋の味覚の一つである、ぶどう。最近はさまざまな品種がありますが、どんな種類を食べるにしても、せっかくならおいしいものを選びたいですよね。
そこで、野菜ソムリエプロの福島玲子さんから、スーパーに行ったときに使える甘いぶどうを見極めるポイントを教えてもらいました。人気のシャインマスカットにも、意外な目利きの方法がありました!
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ぶどうは体にうれしい成分が豊富!疲労回復&美容効果も
甘酸っぱくて、食べごたえのある粒がおいしいぶどう。まずは、体にうれしい栄養成分のことからお話しします。
ぶどうの糖質は即エネルギーに
ぶどうには、体内に吸収されやすいブドウ糖や果糖などの単糖類の栄養が多く含まれています。
そのため、分解することなく、すぐにエネルギーとして蓄えることができるので、疲労回復効果が高いんです。スポーツをする人は、運動中に少量を食べるとすぐにエネルギーになるので、おすすめです。
また、ブドウ糖は脳がエネルギーとして利用できる唯一の栄養素なので、食べると集中力が増します。疲れたときにぶどうを摂取すると、リフレッシュできますよ。
ポリフェノールが体の酸化を防ぐ
さらに、紫のぶどうの皮に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、肌の紫外線ダメージや、日常のストレスなどさまざまな場面で発生する活性酸素を除去して、体が酸化することを防ぐ働きがあります。なので、デラウェアなど小粒のもの以外は、皮ごと食べるといいですよ。
おいしいぶどうの特徴とは?目利きのポイント
せっかく食べるならば、おいしいぶどうを選びたいですよね。次は目利きのポイントです。
ぶどうの共通目利きポイント
さまざまな種類のあるぶどうですが、どの品種にも共通している目利きのポイントは、実がしっかりと詰まっていて穂軸が緑色のものであること。穂軸が茶色になっているものは、収穫してから時間が経ってしまっています。また、実と軸がつながっているあたりがしわしわになっているのも、鮮度はよくありません。粒に、ぱんとハリのあるものを選びましょう。
そして、手で持ったときにずっしりと重みがあるのは、ジューシーで実が詰まっている証。見た目から想像するよりも重いものを選ぶのがおすすめです。
洋梨のように追熟するものではないので、新鮮なものを新鮮なうちに食べるのが一番おいしいですよ。また、ぶどうは上の花から咲き始めて実ができていくので、上にある粒のほうが、より熟していると言われています。
紫色のぶどうの目利きポイント
ぶどうといえば、鮮やかな紫色のイメージですよね。中でも代表的な巨峰は、最盛期が9月。せっかくならば旬のおいしい時期に召し上がっていただきたいです。
紫色のぶどうは、ブルームと呼ばれる白い粉がついているのがおいしい印です。農薬だと思っているかたもいらっしゃるかもしれませんが、これはぶどうが雨や病気から自身を守るために発しているもの。ブルームが現れるのは、熟している証拠です。
緑色のぶどうの目利きポイント
マスカットなど緑色のぶどうは鮮やかなグリーンのものを選びがちですが、緑色のぶどうは熟すと黄色っぽくなります。さわやかな味が好きというかたもいると思うので、好みによりますが、甘さを追求するならば黄色っぽいものをセレクトしましょう。
また、よく見かけるようになったシャインマスカットは、夏頃からスーパーなどで売り初めますが、実は9月の終わり~10月にかけて出回るものが最も旬なんです。その時期に、黄色っぽいものを選ぶと、より甘みの強いものを味わうことができます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ