日中は残暑を感じる日もありますが、朝晩は肌寒く秋を感じるこの頃。ファッションも秋仕様にシフトしていくなか、皇后雅子さまは多くの人が憧れるオータムファッションをこれまで披露されてきました。雅子さまがよくお召しになっているのがストール&スカーフです。今回、雅子さまのストール&スカーフ使いに注目しました。
顔周りを華やかに、トーンアップも狙える大人女性の味方
まず、ストールやスカーフは大人女性にとってどんなメリットがあるのか、スタイリストの横山麻里さんはこう解説します。
「ストールやスカーフをプラスするだけで、コーディネートにアクセントがつき、印象が変化します。コンサバのイメージが強いかもしれませんが、実はコンサバからカジュアルまで、テイストを選ばずに楽しむことができるファッション小物です。また、面積が小さいので、パステルカラーや柄物を取り入れることが得意ではない人でも、チャレンジしやすいアイテムです。
さらに、大人女性にとっては、顔周りを華やかにすることで、表情までワントーン明るくする効果があります。巻き方によっては、小顔効果やスタイルアップもできますよ」(横山さん・以下同)
大きめリボンで女性らしさをプラス
雅子さまが何度がお召しになっている胸元のカットが印象的なロイヤルブルーのスーツ。初登場は25年前、「全国育樹祭」に出席されたとき。白地にスーツと同じロイヤルブルーの水彩タッチのスカーフをリボンに結ばれることで、目線を上に集めて、自然とスタイルアップが叶うスタイルに。
「鮮やかなロイヤルブルーのスーツは、柄スカーフを取り入れることで、さらに気品を感じさせます。スカーフに白が含まれることで、顔周りが明るく見えるということにもつながっています。また、ボウタイ風に大きめのリボンに巻くことで、クールになりすぎず、女性らしさがプラスされ、甘辛バランスが完成されたコーディネートに。
存在感のある大きめのアクセサリーをお召しになることで、ビビットなカラースーツとも調和がとれていますね。
夏からトレンドのビビットカラーですが、今季はニットやボトムに取り入れたいですね。ビビットなカラーは辛口かつ、派手なコーディネートになりがち。そんなときこそ、スカーフを甘めにボリューム巻きすれば、女性らしさが加わります。また、白を全体に散らばせるとやわらかい印象になります」
白のワントーンコーデもストールの縦ラインですっきり
2019年9月、新潟での「国民文化祭」にご出席の際は、純白のワントーンスタイル。パンツスーツにストールをプラスすることで、164㎝の長身を縦のラインで強調されていました。
「全身白のワントーンコーデは、膨張して見えたり、甘くなりすぎることが懸念されるので、難しい印象ですが、パンツスーツで引き締めてらっしゃいます。そこに柔らかい素材のストールをプラスすることで、女性らしい印象にまとめられています。小物も白やベージュにすることで、全体がまとまり、気品漂うスタイルに。
ストールは、首から垂らすことで、Iラインが強調され、スタイルアップへとつながっています。
全身白のワントーンコーデの場合は、雅子さまのように素材感をミックスさせることがポイントです。例えば、レザー×シフォン素材、ウール×サテン・シルク素材など。ミックスさせることで、単調になりすぎず、おしゃれにまとまります」
ニュアンスカラーのスカーフを挟んでアクセントに
51歳のお誕生日の際に公開されたお写真では、オフホワイトのニットに合わせられたシャネルのスカーフで、優しくアットホームな雰囲気を演出されていた雅子さま。インナーのタートルネックのトップス、ボトムのパンツを白で統一。
「オールホワイトコーデの中に、ニュアンスカラーで、トーンをそろえた柄スカーフを取り入れることで、控えめにもアクセントになっています。淡いベージュやピンクは、優しい女性像を連想させる色。また、丸みのあるデザインの柄スカーフやアクセサリーがより一層、やわらかい雰囲気につながっています。
雅子さまのように、カーディガンのインにスカーフを挟むことで、リラックス感のある着こなしのなかにも、きちんと感が生まれます。リラックスコーデやカジュアルスタイルでも、柄スカーフを取り入れることで、華やかさが出て、顔周りもパッと明るく和らぎます」