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今さら聞けない!電気調理鍋と電気圧力鍋は違いと料理の使い分けは?

シロカ『おうちシェフPRO』やコーヒーメーカー果物コップなどが置かれたキッチン
コロナ禍のステイホームで電気調理鍋や電気圧力鍋の人気が上昇。進化が著しい電気圧力鍋としてはシロカ『おうちシェフPRO』が人気
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シャープの「ヘルシオ ホットクック」をはじめとする電気調理鍋や電気圧力鍋は、材料と調味料さえ入れたら、あとはほったらかしで自動的に調理し、保温までしてくれるという便利さで、大ブームになりました。コロナ禍のステイホームでさらにその人気は上がっています。ただ、電気調理鍋と電気圧力鍋では、できることが異なるため、購入時には注意が必要です。家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。

煮込み料理や圧力調理が好きな人には電気“圧力”鍋がおすすめ

「電気調理鍋は、簡単にいうと熱源を電気とする“鍋”のこと。昔は『テーブルでカセットコンロを使わず鍋料理ができるもの』といったイメージでしたが、最近は自動で火力や調理時間を調整するメニューを備え、材料さえ入れればほったらかしでさまざまな料理が作れるものが増えています。

一方、電気圧力鍋はその名の通り、熱源に電気を使用する『圧力鍋』です。こちらも自動メニューを使用すれば、ほったらかしで料理が作れるほか、マニュアル操作で圧力や時間を任意に設定し、好きな加減で調理もできます。また、圧力をかけずに電気調理鍋として使用できるものも多いです」(田中さん・以下同)

電気調理鍋と電気圧力鍋の決定的な違いは、“圧力”の有無です。

「目的でいえば、“圧力調理”をしたいかどうかによって変わってきます。圧力調理をすることで、100℃以上で調理でき、長時間かかる煮物が数10分など短時間で作れたり、味染みがよくなったりするメリットがあります。そのため、よりおいしい煮物を作りたい人、帰宅後や思い立った時にすぐ、30分以内で煮込み料理を完成させたい人にも、電気圧力鍋は向いているでしょう。

『圧力調理をしてみたいけど、ガス式は操作が難しい、怖い』といったイメージで敬遠していた人にもおすすめです」

また、電気調理鍋、電気圧力鍋のどちらにもいえますが、火を使わないため、調理をお任せしている間は他の作業ができ、例えば他の部屋に行ったり外出したりしても安心・安全なところも人気の理由です。

煮込み、無水、低温調理など調理の種類も多様化

田中さんによると、最近の自動調理・圧力鍋は、搭載されているメニューはもちろん、調理方法も多様化しているそう。料理初心者だけでなく、さまざまな料理に挑戦したい人にも活用できそうです。

「いずれの商品も初心者から上級者まで使いこなせますので、例えばメニュー数で比べてみるのもひとつの方法。多いものでは、400種以上の商品も。メニューが多いと価格は高くなりがちですが初心者でも簡単においしい料理が作れます。料理が得意な人は、作業工程をすべて任せず、一部を自分で行う“マニュアル機能”も上手に使いこなせるでしょう」

テーマ分けしてメニューを提案してくれるモデルも登場。

「例えば旬の食材を使った料理、ヘルシー料理など。一から作るのが難しそうな料理でも、自動調理・圧力鍋なら初心者でもおいしく作れるため、より楽しみ方が広がっています。

調理機能も、ただ加熱して調理するだけでなく、野菜の甘みと栄養を最大限に引き出す無水調理、ローストビーフなど時間をかけてじっくり調理する低温調理、そして自動温め直しなどの機能を搭載する、1台何役ものモデルが一般的に。料理や好みに合わせて圧力を変えられるものも増えています」

では、田中さんが今注目している電気調理・電気圧力鍋は何でしょうか。それぞれ1品ずつ教えてもらいました。

【1】電気調理鍋 シャープ『水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック KN-HW24G』

現在の“ほったらかしでおいしい料理ブーム”を作り、現在もブームを牽引している、シャープの『ホットクック』シリーズ。

シャープ『水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック KN-HW24G』とローストビーフやシチューが並ぶダイニングテーブル
“ほったらかしでおいしい料理ブーム”の火付け役。電気調理鍋 シャープ『水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック KN-HW24G』7万7000円前後(税込)※市場想定価格
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「最大の特徴は、『まぜ技ユニット』によるかき混ぜ機能。調理中に絶妙なタイミングでかき混ぜてくれるため、全体にしっかり味が染みこみます。AIとIoTを活用した独自の『AIoT機能』により、無線LANに接続すればスマートフォンで400種以上のメニューをダウンロードできるほか、ふだんの使い方を学習しておすすめメニューを提案してくれるなど、まさに人に寄り添う調理家電です」

食材をつぶしてかき混ぜ、ホイップクリームを泡立てられる『まぜ技ユニット』

今秋に発売された新モデルは、面倒な下ごしらえにも対応。

電気調理鍋 シャープ『水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック KN-HW24G』
新モデルは『まぜ技ユニット』を強化し、かき混ぜるスピードがUP
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「新モデルは『まぜ技ユニット』が強化され、かき混ぜるスピードがUP。じゃがいもをつぶしてポテトサラダを作ったり、生クリームを入れたら泡だて器のようにホイップクリームを作ってくれたりと、さらに便利になっています。できるだけ手間をかけたくないとう人におすすめです」

他にも、肉や切り身魚は解凍の手間なく冷凍のまま入れても自動調理してくれる機能、最大15時間の予約調理ができる上、帰宅時間が遅くなりそうなときにはスマホで簡単に時間変更ができる機能など、かゆい所に手が届く便利機能が満載です。

【2】電気圧力鍋 シロカ『おうちシェフPRO』

電気圧力鍋でありながら、家電っぽくないデザインと手頃な価格で人気のシロカの電気圧力鍋。

電気圧力鍋 シロカ『おうちシェフPRO』 を置いたキッチンでカラーピーマンを切る女性
業界最高クラスの95kPaゲージ圧という圧力の高さを実現。シロカ『おうちシェフPRO』1万5800円前後(税込)※実勢価格
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業界最高クラスの高圧力で極上の煮物が簡単に作れるところが最大の魅力です。

「新モデルは大幅に進化し、業界最高クラスの95kPaゲージ圧という圧力の高さを実現しました。もちろん一般的な70kPaも出せるので、料理に合わせた圧力で調理でき、よりおいしく仕上がります。さらにポイントとなるのが、この圧力を一定にキープできること。通常、電気圧力鍋の圧力は上下変動を繰り返すものが多いのですが、本モデルは一定の圧力を維持することで、より味染みがよくなるそうです。

実際に豚の角煮を作ったところ、まさに箸でくずれる柔らかさ! 煮物をもっとおいしく作りたい、と考えている人におすすめです」

「予約調理」も人気に拍車をかけている

電気圧力鍋 シロカ『おうちシェフPRO』
朝材料を入れれば帰宅時にはでき上がる「予約調理」機能も魅力
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電気調理・圧力鍋は、料理の幅が広がるだけでなく、朝材料を入れれば帰宅時にはでき上がり、夜にセットすれば朝はできたてのスープやみそ汁が食べられる「予約調理」も魅力のひとつ。もちろん、食材の衛生面には配慮されています。電気調理・圧力鍋はレンタルもできるサービスもあるので、実際試してから購入を検討するのもいいでしょう。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
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白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/

取材・文/桜田容子

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