冬といえばやっぱり、こたつでみかん…とイメージする人も多いのではないでしょうか。せっかくみかんを買うなら、おいしいものを選びたいですよね。そこで、野菜ソムリエプロの福島玲子さんから、おいしいみかんの見分け方を教えてもらいました。
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おいしいみかんを見分けるコツは?
冬のフルーツのひとつである、みかん。代表的な温州みかんなどは、手でむいて簡単に食べられるので、シーズンになると常にストックしている人も多いのではないでしょうか。酸っぱかったり甘かったり、味の振れ幅は食べるまでわからないと思っていませんか? 実は、おいしいみかんを見分けるにはコツがあるんです。
触ったときにふかふかとするものはNG
みかんは、皮と実の間がふわふわとしておらず、キュッとしまっていて扁平形(平べったい形)のものを選びましょう。ふかふかとしたさわり心地のものは、果肉の水分が抜けてしぼんでしまい果肉と皮の間に空間ができているということ。秋の長雨にあたることや、温暖化により暖かい環境で育てられたことが原因と言われています。こういうみかんは水分が少なく腐りやすくなっています。
ヘタが小さいのは栄養がつまっている証
また、みかんのヘタの部分にも注目してみましょう。ヘタが小さければ細い枝、大きければ太い枝から収穫しているのがわかりますよね。
このヘタは、小さいほうがいいんです。なぜなら、細い枝だとゆっくりと栄養分がみかんの実に集まっていって、徐々に成熟するので甘みが強いものが多いんです。ヘタが大きいものは大味になりやすいですよ。
表面の粒や、重さにも注目してみよう
重たく感じるみかんは、果汁が詰まっている証拠。それと、表面のブツブツの粒が小さく、実も小さいほうが、甘みがぎゅっと詰まっているとも言われています。
健康効果が大きい?みかんのうれしい栄養価
みかんは手軽に食べられるうえに、うれしい栄養もたくさん含まれています。美容にも効果的な栄養素も豊富です。
ビタミンCが豊富で、うれしい効果が期待できる
知っている人も多いとは思いますが、みかんはビタミンCを多く含むフルーツです。風邪や感染症に対する免疫力を強くしたり、ストレスを減らしたり、肌の健康を整えてくれたりと、うれしい栄養がたくさん入っています。
ちなみに、ビタミンCを多く含む柑橘類といえば、金柑もおすすめです。あんなに小さいのに、100gあたりのビタミンC量は49mgで温州みかんの1.5倍に相当します。皮ごと食べられるので栄養価が高いんです。
手が黄色くなるのは栄養の働きによるもの
みかんをたくさん食べると手が黄色っぽくなりますよね。これは、βクリプトキサンチンという成分が体に溜まっていくからです。βクリプトキサンチンは、体の中でビタミンAに変換されて皮膚や粘膜の健康を保ちます。免疫機能を維持する作用があるので、肌がかさついたりするのを防ぎます。
血中のβクリプトキサンチンの量が多い人ほど、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病になりにくいともいわれているので、こういった病気の予防や進行抑制が期待できますよ。
みかんは便秘解消にも効果的
他にも、みかんにはペクチンという食物繊維が多く含まれています。腸内の水分量を調節してくれるので、便秘の解消に役立ちます。
薄皮についた白い繊維のすじが気になる人も多いと思いますが、この繊維のすじにも食物繊維がたっぷりと入っています。なので、栄養面からいうと、なるべく取らずに食べることをおすすめします。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ