コードレススティック掃除機の性能が上がっていく一方で、ハンディ掃除機も吸引力がUPし、充電の持ち時間も長くなるなど、性能面で飛躍を遂げています。家電ライターの田中真紀子さんによると、さらにデザイン面でも注目すべき製品が出てきているとのこと。ハンディ掃除機の最新事情を教えてもらいました。
ハンディ掃除機も大幅に進化中
「ハンディ掃除機は、コードレススティック掃除機が今ほど主流になる前から、それなりに市場に出回っていました。ちょっとしたゴミを吸い取りたいときなど、キャニスター掃除機をわざわざ出してくるほどではないシーンで使われていましたが、いかんせん、今ほどバッテリーの性能がよくない時代。とにかく吸引力が弱い、充電してもあっという間に充電切れを起こすなど、ほとんど使い物にならなかった苦い記憶をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、それも今は昔。コードレススティック掃除機の進化に見られるように、ハンディ掃除機もバッテリーやモーター技術が向上し、吸引力が大幅に改善された製品が増えてきています。バッテリーも、後述するXIAOMI(シャオミ)のクリーナーは標準モードで30分も持続します」(田中さん・以下同)
コードレススティック掃除機が主流になってきた今、コードレススティック掃除機の延伸部を取ってハンディ仕様にした状態で使っている人も多いでしょう。ですが、田中さんは、使用頻度が高い人はハンディ掃除機を別に持っていると便利だと強調します。
掃除機に見えないスタイリッシュなデザインが増加中
「おすすめは、近年増えている、掃除機に見えない、シンプルかつスタイリッシュなデザイン。一見、掃除機っぽくないので、棚の上に出しっぱなしにしていても抵抗がありません。さらにパイプが付属して、手が届かない狭い場所が掃除できるもの、ジュースや結露などの液体も吸えるものなどがあります。ハンディ掃除機も多彩になっているので、自分の目的に応じて、機能をチェックしながら選ぶといいでしょう」
田中さんに、最新のハンディ掃除機のおすすめを挙げてもらいました。いずれも1kgを切る軽さと置きっぱなしにできるデザイン。加えて、それぞれの特長にも注目です。
【1】 XIAOMI(シャオミ)「Mi ハンディクリーナー ミニ」
まずは、直径55mmで0.5kgと、驚きの細さと軽さが自慢のこちらから。
水筒のようなデザインとサイズで使いやすい
「中国発のスマートフォンを始めとする総合家電メーカーで、日本には2019年に上陸したシャオミのクリーナー。水筒のようなデザインとサイズ感で、棚の上やキッチンに置いておくと掃除機には見えませんが、吸引力は充分あり、目についたゴミをサッと掃除するのにちょうどいい使いやすさです。
すき間ノズルとブラシノズルが付属し、タイプC充電ケーブル(付属)による充電式。シンプルで清潔感があり、価格もリーズナブルなので、デスク周りなど使いたい場所に置いておきたい人におすすめです」
ダストボックスのゴミはワンタッチで、ゴミに触れることなく捨てられます。500mlの液体入りペットボトルより細く同じ軽さのため、お部屋の中だけでなく、車の中や職場のデスクなど出先にも携帯できます。バッテリーの持続時間は標準モードで30分と、ハンディ掃除機の中では長めなのも特長。
【2】レコルト『コードレススティッククリーナー(フルセット)』
掃除機としても使いたい人は、こちらをどうぞ。キッチン家電が人気のレコルトから初めて登場したクリーナーです。
細い隙間もおまかせ! 床掃除にも使えるおしゃれなハンディ掃除機
「シンプルかつ、幅58mmというスリムなデザインに加え、ロングノズルとフロアヘッド(専用フロアパーツ)も付属しており、簡単な床掃除はもちろん、これまで細すぎてはいらなかった家具のすき間にもはいり込んでくれる頼もしい助っ人。ナチュラルホワイト、ペールブルーのカラーリングは雑貨のようなかわいさです。重量は約0.7kgと軽いのも魅力。
ふだんはキャニスター掃除機を使っているけれど、気になったゴミはサッと掃除したいというサブ機として使うのもいいと思います。こちらは充電アダプター付属しており、『LOWモード』で約25分連続使用ができます」
【3】 ブラック・アンド・デッカー『乾湿両用ダストバスター WDC2150/G』
液体も一緒に吸い込みたい人はこちらを。アメリカ発、工具ブランドとして人気のブラック・アンド・デッカーのハンディ掃除機で、重量も約0.7kgと使いやすい軽さです。
飲み物や窓の結露などの液体も吸引!
「同社は複数のハンディ掃除機を展開していますが、こちらは固体はもちろん液体も吸引可能。こぼしてしまったジュースなどの液体のほか、窓の結露なども取り除けます。小さいお子さんがいて、食べこぼしや飲みこぼしが多いお宅で重宝しそう。充電台が付属し、置くだけで充電ができます」
いかがでしょうか。昔はデスクの消しゴムを吸うのに重いハンディ掃除機を使っていた人も、今は1kg未満でラクに吸引できるものばかり。サブ機としても十分戦力になりそうです。
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
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