暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズと、暮らしに役立つテクニックを教えてもらうこの企画。今回は、5ツ星お米マイスターとして活躍する澁谷梨絵さんが、炊飯器ではなく土鍋でご飯を炊きたい…だけど難しそうで挑戦できないという人におすすめの土鍋を紹介します。
ご飯を炊く専用の土鍋だから安定しておいしく炊ける!
澁谷さんが教えてくれた土鍋は、長谷園の『かまどさん』。土鍋というとおいしいご飯が炊けると同時に、炊き方が難しそうなイメージを持つ人も多いはず。でもこの『かまどさん』は意外と手軽にご飯が炊けるそうです。白米だけではなく、炊き込みごはんや玄米もおいしく炊き上がると言います。
「『かまどさん』は、伊賀の粗土で作られているご飯炊き専用の土鍋です。なので、厚みがあり、蓄熱性があります。私もさまざまな土鍋を試しましたが、ダントツで安定しておいしく炊き上げることができた、レベルの高い土鍋です」(澁谷さん・以下同)
とにかく火加減が簡単明快
土鍋というとネックになるのが火加減。この『かまどさん』のいいところは、難しい火加減の必要がないことだそうです。
「一番感動したのは、火加減。3合炊きで、白米3合なら中強火で約13分、蒸らし20分で炊き上がります。火加減は必要ありません。つまり火を点けてから消すまで中火をキープするだけで余計な火加減の操作がないので、いつも安定したおいしいご飯が炊けます。
湯気が勢いよく出てきてから1分ほど待って火を止めると粒立ちのよいご飯が炊き上がります。1分半ほど火を消さずにキープすると、お焦げもできるので、土鍋ならではの楽しさ、おいしさが味わえます」
残ったご飯はそのまま土鍋で雑炊やおかゆにしても美味!
『かまどさん』は、遠赤外線効果の高い釉薬(ゆうやく)を使用していて、米の芯まで熱が通るので、ふっくらとしたごはんが炊き上がるそうです。
「土鍋炊きは難しい、安定して炊き上げるのは無理と考えていたのですが、この土鍋に出合って、こんなに簡単においしく、同じように毎日炊ける土鍋があるのかと感動しました。直火部分は肉厚成形の仕上げになっているので、熱をしっかり蓄えて、穏やかに伝えますし、この土鍋は保温性にも優れています。
残ったご飯は水を加えてもう一度炊くと、これまたおいしいお粥や雑炊も楽しめます」
二重のふたは圧力釜の機能を果たし、吹きこぼれも防ぎます。
「吹きこぼれによるやけどや、コンロ周りが汚れることもなく、家事ラクにつながります。先ほど言ったように『かまどさん』は伊賀ならではの粗土でできているので、土鍋が木のおひつと同じように呼吸することで、ご飯がべたつきません」
◆教えてくれたのは:5ツ星お米マイスター・澁谷梨絵さん
日本で唯一、5ツ星お米マイスターなど6つの穀物のプロフェッショナル資格を持つ“女性米屋”。株式会社シブヤ代表。SEとして勤務のあと、父の病をきっかけに家業である「米屋」を継ぎ、現職に。保育園や幼稚園の給食に米・雑穀のレシピや商品を提案中。女性の目線で日本人古来の米が持つヌカや麹の発酵技術を使った弁当や総菜を販売。著書に『世界でいちばんおいしい お米とごはんの本』(ワニブックス)、『同時メシ』(宝島社)、近著に『炊飯器で一発定食』(学研プラス)がある。https://s-d-m.jp/talents/shibuya-rie/