糖質制限、エクササイズ、生活習慣改善…ダイエットにはいろんな方法がありますが、「食事の習慣を少し変えるだけで、太りにくい体を作ることができます」とは管理栄養士の菊池真由子さん。すぐに取り入れたくなる“痩せるための食ルール”を教えてもらいました。
“食べる順番”、ベジファーストより大事なのは?
ダイエットのためには、食べる順番が大事であるというのはよく知られています。野菜をまずとるベジファーストは基本ですが、その前にとるべきものがあるといいます。
「最初に摂るべきは、湯のみ1/2~1杯程度のお茶、続いて汁物(みそ汁やスープ類)。先に水分を摂っておくことで、お腹が満たされ食欲を増進するホルモンの分泌が抑えられます。お茶を飲んだあと、少し汁物の汁をいただいてから具材を食べれば、胃に固形物がはいり、さらに空腹感がやわらぎます」(菊池さん・以下同)
野菜→主菜→主食へ
次に食べるのが低カロリーで低脂肪のサラダやおひたしなどの野菜となります。
「噛む回数が多ければ多いほど満腹感を得やすくなるので、しっかり噛んで食べましょう。そして、主菜となる肉や魚などのおかずへ。
肉や魚には良質なたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質には、体を温める、摂取した糖質や脂肪を代謝してエネルギーに変えるなどの作用があるので、十分な量を食べた方が痩せやすくなるのです。最後に、主食のご飯や麺類となりますが、汁物、副菜、主菜をしっかり食べていれば、主食は少量で満足できます」
痩せるために理想的な食事時間
では、1回の食事にどれくらいの時間をかければ良いと思いますか?
「食事を20分以下で食べる人は“デブ食い”、20分以上かけて食べる人は“痩せ食い”と言われ、ある研究でデブ食いの人と痩せ食いの人を比較したところ、両者の平均体重差は5.8kg、服のサイズは2サイズ分の違いがあるという興味深い結果が報告されています。忙しい現代人は早食いになりがちですが、痩せたいなら20分かける食べ方に変えましょう」
なぜ、20分かける必要があるのでしょうか?
20分以内に食べ終えると食べすぎる可能性も
「満腹中枢が刺激され満腹感を覚えるのは、食べ始めてから20分経過したところです。つまり、20分以内に食べ終えてしまうと満足感が得られず食べ続けることになりカロリーオーバーになる可能性があります。食事はゆっくり味わって食べる方が痩せる近道なのです。
また、焼き魚の骨を箸で取り除く、あさりの身を殻から出す、ゆで卵の殻をむくなど、ひと手間かかる料理は自然と食事の時間も長くなりますから、こうした食材を取り入れることもひとつの手です」
こまめな水分補給で食欲を抑える
さらに、1日に飲む水の量も太らない体を維持するうえでは大事なポイントだと菊池さん。
「水は0kcalですから飲んでも太る心配はありません。かえって、適度に水を飲んでいる方が、胃がふくれて食欲がわきづらくなるので太りにくい。
また、私たちの体の約60%は水分です。日常的な生活をしているだけで、1日に2.5リットルの水分が体外に排出されます。体内の水分が減ってしまうと約70%を水分が占める筋肉も減る。筋肉量が減れば代謝も落ちて太りやすくなります」
コップ1杯の水を8回程度にわけて
では、飲み水としてどれぐらいの量をとればいいのでしょうか?
「1日1.6リットル程度の飲み水が必要とされています。飲み方は、コップ1杯(200ml)を目安に、たとえば起床時、朝食時、昼食時、仕事中や家事のあと、夕食時、入浴後、寝る前という風に7回程度に小分けし、残りの1杯は汗をかいたときなどに飲む。一度に大量に飲むよりも、こまめに摂る方がお腹も満たされるのでダイエットには有効です」