料理をするために毎日のように使うキッチン。なんとなく、散らかったまま使っていませんか? 幸せ住空間セラピストで家事効率化支援アドバイザーの古堅純子さんによると、キッチンは小スペースの割に食材、食器、調理器具など、ものが多く、実は収納が難しい場所なのだとか。そんなキッチンを効率的に使うための収納方法を教えてもらいました。
キッチン収納で意識したい3つのライン
「できるだけ横動きをしないことが家事効率を上げるポイント」と、古堅さん。そのためにまず、3つのラインに分ける考え方を学びましょう。
火・水・作業、3つのライン
ラインとは、縦に動く動作のこと。古堅さんは、ガスコンロと上下の収納スペースが“火のライン”、同様にシンクとその上下が“水のライン”、まな板をおいて食材を切ったりするスペースと収納を“作業ライン”と呼んでいます。
「火のラインにボウルやざるを収納したり、水のラインにフライパンや鍋ぶたを置いたりすると、横の動きが無駄に増えてしまいます。なんとなくみんなわかっているはずなのに、意外と実践できていないお宅が多いんです」(古堅さん・以下同)
また縦のラインの収納力が弱い場合は、キッチンに立ったときに背面にある収納も含めて、U字ラインで考えてもOK。
「3つのラインを活用し、横動きを減らすことによってキッチンの作業効率が上がるとわかってくれば、自ずと使いやすいキッチンの形が見えてきます」
火のもの、水のものはライフスタイルによって違う
鍋やフライパンと使う菜箸は火のラインに収納するもの、包丁は水のラインもしくは作業ラインに収納するもの、というのはわかりやすい例ですが、例えばラップはどうでしょう。
古堅さんの家では、食事の残り物にラップをして冷蔵庫にしまうことが多いから水のラインに置いていますが、ラップをしてレンジで加熱することが多い家では火のラインに収納したほうが使いやすい場合もあります。
その家のライフスタイルによって適した収納場所は異なるので、実際にキッチンに立ったときの使いやすさを意識してみましょう。
ゴールデンゾーンを把握する
次に、それぞれのラインの中でもゴールデンゾーン(立った状態の腰高から背丈までの高さ)を活用することが出し入れのしやすさにつながります。アイテムの使用頻度を考えて、よく使うものほど取りやすい位置=ゴールデンゾーンに収納すれば、かがんだりすることが少なくなるので、余計な動きが減り楽に炊事をすることができます。
ジャンルではなく稼働率で収納を考える
ここで、古堅式片付けで出てくる稼働率という考え方が重要になります。稼働率とは、収納の中のものが、どのくらい出し入れされているかという頻度のこと。頻度が高ければ稼働率が高いといえます。
ゴールデンゾーンにある収納の稼働率が低ければ、その収納を活用できていないということになります。逆にその稼働率を上げることができれば、キッチンでの作業効率もアップできるということです。
「“カトラリーと茶碗が同じ引き出しに入っているのはおかしい”といった先入観を取り払って、“この位置で作業するときによく使うものは、一番使いやすいゴールデンゾーンの収納にしまう”という作業効率を意識して配置してみてください」
ゴールデンゾーンの使い分け
さらに、夫婦で身長が違う場合など、人によってゴールデンゾーンは違います。ゴールデンゾーンの使い分けで、収納の稼働率をより上げることができます。