
今年も花粉シーズンがやってきました。日本気象協会によると、2月上旬から関東や東海などの一部地域で花粉の飛散が始まると予想されています。しかも今年の飛散量は、東京都内の一部では昨春の1.5倍の見込みとか。毎年花粉症に悩まされている人はもちろん、近年増えている子供の花粉症対策にも、今からしっかり準備をしておきましょう。
花粉症の人は重点的に花粉対策を施したモデルを
「花粉対策に有効なのは、外から持ち込んだ花粉を素早く集じんしてくれる、空気清浄機です」とは、家電ライターの田中真紀子さん。
「空気清浄機は、コロナ禍で大きく注目された家電のひとつですが、もともと花粉が飛散するこれからのシーズンによく売れる製品です。一般的に、空気清浄機は基本機能として花粉を取り除きます。ただ、花粉症の人は、より重点的に花粉対策を施したモデルを選ぶと安心です」(田中さん・以下同)
では、その選び方は? 詳しく聞いてみましょう。
花粉が集まりやすい“床上30cm”ゾーンを狙い撃ちするモデル
「まず、花粉に含まれるアレル物質の作用を抑制する効果に注目。パナソニックの『ナノイー』やシャープの『プラズマクラスター』といったメーカー独自のイオン、そしてダイキンの有害物質を酸化分解する『ストリーマ』という独自技術が、花粉抑制に効果的とされています」

花粉の吸い取り方も重要なチェックポイント。
「花粉は他の有害物質に比べると大きくて重いため、床に落ちるスピードが比較的早い。そこで、床に近い場所に吸い込み口を設置することで、床付近の花粉もしっかり取り除くモデルが続々登場しています。
布団を敷いて寝ている人、ソファではなくラグの上に寝転んで過ごすことがある人など、床で過ごす時間が長い家族がいる場合は、“床上30cmゾーン”の花粉を吸い取ってくれるモデルを選ぶとよいでしょう。
一方、吸い込み口が下部になくても、空気中を浮遊しているうちにパワフルに吸い取ろうという考え方もありますし、加湿を行うことで、花粉に水分を吸わせて重たくし、床に落ちたものを舞い散りにくくするアプローチもあります。後者の場合、加湿機能付きの空気清浄機を選ぶか、単体で加湿器を用意しましょう。もちろん床に落としたあとは、しっかり床掃除をするのを忘れずに」

今回は、花粉の除去におすすめの機種2つを紹介してもらいました。どちらも “床上30cmゾーン”の花粉を吸い取り、プラスアルファの機能も期待できるモデルです。
【1】 パナソニック『加湿空気清浄機 F-VXU90』
花粉の作用を抑制する強力なイオンを放出しながら、床上の花粉を効率よく吸い込む“合わせ技”が自慢。

『ナノイーX』で花粉を抑制しつつ、床上30cmに集まりやすい花粉を効率よく吸引
「空気の出入り口を上下に設置。まず本体上部に設けた吹き出し口には、3方向に気流を送り出す『3Dフロールーバー』を搭載し、部屋の隅々まで空気を届けます。
送り出す空気の中には、花粉の作用を抑制するOHラジカル量を従来の100倍発生させる、『ナノイーX48兆』が。これにより従来の機種に比べて4倍の速さで、花粉を99%以上抑制してくれるというから、期待が高まります。
そして花粉の吸い込み口は、床上30cm。その吸い込み方も『3Dフロー花粉撃退気流』によって3方向から空気を集め、花粉集じん率は従来(2019年発売同等モデル比)の1.5倍とパワーアップしています」
本製品は、花粉問題対策事業者協議会による「花粉対策製品認証」、日本アトピー協会による「日本アトピー協会推薦品」マークを受けていて、業界お墨付き。花粉に悩む人には最適な逸品といえそうです。
【2】ブルーエアダストマグネット5440i
スウェーデンの空気清浄機専業メーカー、ブルーエアから1月13日に店頭販売された新モデル。特徴的なのは、ブルーエアの基幹技術「HEPASilent(R)テクノロジー」です。

上下2か所の吸引口で、花粉だけでなく、0.1μmまでの微粒子まで除去
「『HEPASilent(R)テクノロジー』はどういう技術かというと、まず空気中の有害物質を本体内部の『イオナイザー』でマイナス帯電させます。そして、あらかじめプラス帯電になっている多層構造のフィルターに、静電気の力で磁石のように吸着させることで、一般的な空気清浄機より小さな0.1μmまでの微粒子を99.97%除去(*2)するのです。
ちなみに、0.1μmはタバコの煙、1μmは粉砕されたアレル物質、ホコリやカビは10μm、花粉は30μmと言われています。
さらに本モデルは、上下2カ所に吸引口を設け、空中に浮遊する有害物質はもちろん、床上30cmゾーンに多いとされる花粉やハウスダストも効率的に除去。きれいになった空気は、側面2箇所の供給口(吹き出し口)から渦状の気流として排出され、部屋中を循環します。
インテリアになじむグレーのファブリック素材に、サイドテーブルとしても使えるデザインもポイント。花粉除去性能はもちろん、インテリア性も重視したい人におすすめです」
なお、空気清浄機は、適用床面積が広ければ広いほど花粉撃退のパワーが強くなるといわれています。その点、上記2点は適用床面積(適用畳数)が30畳以上と広めなので、花粉対策にはもってこいでしょう。
*1 日本電機工業会JEM1467規格に基づく数値。
*2 フィルターの除去性能です。部屋全体への除去性能とは異なります。
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
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