人は首や肩など体の疲れには敏感ですが、顔の疲れに気づいていない人も多いのでは? そこで最新メソッド「コアフェイストレーニング」で、顔の疲れをとる方法を表情筋研究家の間々田佳子さんが教えてくれました。シリーズ最終回の30回目は「顔のリフレッシュ」です。
顔のリラックスには深い呼吸がカギ
「話す、食べる、見る、笑う、くいしばる…など、表情筋は“激務”です。筋肉を使うばかりでは顔に疲れがたまってこり固まり、血液やリンパの流れが悪くなります。しわやたるみの原因にも。ですから、使った筋肉はその日のうちにゆるめ、日々血液の循環をスムーズにしておくことが大切です。
ゆるめるときに意識したいのが呼吸。大きく吸って細く長く吐く呼吸を行うことで、顔や首の力は抜けやすくなります。私も、以前は猫背で呼吸が浅く、いつも体の力を十分に抜けず力みがちでした。アルゼンチンタンゴを踊っても、全身に力がはいって軽やかに踊れない。さらに、首こり、肩こりは日常茶飯事。
コアフェイストレーニングで深い呼吸ができるようになり、無駄な力もはいりづらくなりました」(間々田さん・以下同)
顔と首の筋肉を深い呼吸とともにリラックスさせるエクササイズが、コアフェイストレーニングの「フェイスリセット」です。
コアフェイストレーニング「フェイスリセット」のやり方
【1】椅子に座り、座面に座骨を立て、座骨で座面を押しながら背筋を伸ばす(このとき肩が上がらないように注意)。額とあごは床に対して平行にし、首の後ろを伸ばす。
【2】両手のひらをこすり合わせ、温かくなったら、両手を顔のサイドを覆う。鼻から大きく息を吸って、細く吐きながら5秒キープ。
【3】両手で正面を覆い、鼻から大きく息を吸って、細く吐きながら5秒キープ。疲れがたまっている人は、【3】を3~5回繰り返す。
「ポイントは、額、眉、目、目の奥、頬、口まわり、首、すべての力を抜くこと。つまり、両手が触れている部分をゆるめる意識が大事です。緊張を解いて力が抜ければ抜けるほど、顔のコリもとれて伸縮性のある柔軟な表情筋に戻ります」
日課にすれば若顔をキープできる
顔をゆるめれば老け顔解消にもつながります。
「体同様、顔の筋肉も鍛えるためのエクササイズは大事ですが、筋肉をしっかり休ませることも重要。ただし、『フェイスリセット』で休ませるのは顔と首だけ。おへそから下には力を入れ、体の軸は整えておきましょう。下半身をしっかり固定して行い、顔と首の緊張がとれれば頭が正しい位置にセットされやすくなります。つまり、姿勢も整う。
個人的には大好きなエクササイズ。回数多く行っているとリラックスしすぎて眠くなることも多いのですが、それだけ解放されているということですから正解です。
1日の終わりには顔の疲れをゼロにするつもりで、マストエクササイズとして『フェイスリセット』を行いましょう。疲れをためたまま生活していると、ある日鏡を見て急に“やつれた”、“老けた”、なんてショックを受けることになりかねませんよ。これまでのエクササイズにも言えますが、日々のセルフケアの積み重ねが若顔を保つ秘訣です」
“若顔は1日にしてならず!” 使った筋肉はその日のうちにゆるめましょう!
◆教えてくれたのは:表情筋研究家・間々田佳子さん
コアフェイストレーニング考案者、ままだよしこメソッド株式会社代表。19歳の時にインドに渡り、顔のヨガを学ぶ。2010年フェイシャルヨガの高津文美子氏に師事し、インストラクター認定資格を取得。以後、顔ヨガブームの火付け役として美容業界を牽引。2020年より自身の新メソッド「コアフェイストレーニング」を考案し、顔の「軸」を見つけることで顔を引き締め、表情・印象をピンポイントで変えていく「顔のトレーニング」の普及を行う。講演・テレビ出演も多数。これまでに出版した著書は13冊累計56万部を突破。講座受講者は3万人を超える。主な著書は 『日めくり まいにち、顔ヨガ!』(小学館) 、近著に『間々田佳子のかんたん顔筋トレ』(KADOKAWA)がある。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『NHKニュースシブ5時』『行列のできる法律相談所』『シューイチ』『この差ってなんですか?』他、多数のメディアにも出演。https://ameblo.jp/yoshiko-mamada/
取材・文/佐々木めぐみ
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