ウクライナ情勢により原油価格が高騰していることにともない、ガソリンの値上げが続いています。とはいえ、通勤や家族の送迎など、車の運転機会を減らすことができない人も多いですよね。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、「エコドライブ」を実践することでガソリン代の節約にもつながるといいます。そもそもエコドライブとは? その節約術について解説します。
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「エコドライブ10のすすめ」とは?
まず、「エコドライブ10のすすめ」とはどんなものかご紹介します。環境省が「エコドライブ」とは環境負荷の軽減に配慮した自動車の使用を推奨しているもので、つまるところ温室効果ガス排出量の削減を目的としています。
1:ふんわりアクセル「eスタート」
2: 車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転
3: 減速時は早めにアクセルを離そう
4: エアコンの使用は適切に
5: ムダなアイドリングはやめよう
6: 渋滞を避け、余裕をもって出発しよう
7: タイヤの空気圧から始める点検・整備
8: 不要な荷物はおろそう
9: 走行の妨げとなる駐車はやめよう
10:自分の燃費を把握しよう
(出典:環境省「エコドライブ10のすすめ」)
以上の10か条を守ることで、地球に優しく車を使うことができるうえにガソリンの節約にもつながって経済的というものです。
「エコドライブ」で燃費をよくしてガソリン代を節約
燃費のいい運転をするということは、ガソリンが節約できるということです。具体的にどのくらい違いがあるのかを知っておきましょう。
100kgの荷物を載せて走ると3%程度も燃費が悪化
10項目のなかでも、すぐに実践できるのは「不要な荷物はおろそう」という項目。車の燃費は荷物の重さに左右されるのだそうです。
100kgの荷物を載せて走った場合、その荷物がない場合と比較して3%程度も燃費が悪化する(エコドライブ普及連絡会「エコドライブ10のすすめ」リーフレットより)というので、トランクにゴルフクラブなどの重い荷物を入れっぱなしにしている人は要注意です。また、一年中冬用タイヤを積んでいる人も、面倒くさがらずに夏場は下ろすようにしましょう。
冷房のかけすぎを見直して
「エアコンの使用は適切に」というのもすぐに実践できますよね。クーラーを使う場合、エンジンに負担がかかるため燃費は悪化します。「エコドライブ10のすすめ」リーフレットによると、外気が25℃のときにエアコンの温度設定も同じ温度にしていると12%程度も燃費が悪化するそうです。ちなみに、暖房の場合は、エンジンの排熱を利用したものなので、燃費面では比較的気にしなくて大丈夫です。
アイドリングは燃費を消費することに
また、同リーフレットによると、10分間のアイドリング(エアコンOFFの場合)で130CC程度の燃料が消費されるそうです。ガソリンの無駄となりますし、安全性の問題からも、交差点で自らエンジンを止める手動アイドリングストップは推奨されていません。ただ、待ち合わせや荷物の積み下ろしなど、安全な場所である程度の時間停車することがわかっている場合はアイドリングストップすることをおすすめします。
暖気運転もガソリンの無駄に
走る前に暖房を付けてエンジンを温める“暖機運転”をしている場合も見直しを。暖機運転もアイドリングなので、ガソリンのムダとなります。
かつては暖機運転をしないと車がいたむといわれていましたが、現在の技術ではエンジンはいたまない仕様になっています。《−20℃程度の極寒冷地など特別な状況を除き、走りながら暖めるウォームアップ走行で充分です》と同リーフレットに記載されています。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈