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懐かしのチョコレートCMが青春すぎる問題 堀ちえみ、聖子&トシちゃん、三浦友和も

映画にまでなった「ポッキー四姉妹」

ポッキーのCMも名作が多い。近年では(といっても16年前であるが)2006年の、新垣結衣のポッキーダンスは衝撃だった。ここまでタレントのポテンシャルを余すところなく引き出したCMはなかなかない!

もう少し遡ると、CMという枠を飛び越え、スピンオフ映画までつくられた「ポッキー四姉妹」(1993年から1996年放送)も伝説。長女・ちなみが清水美砂さん、次女・すなみが牧瀬里穂さん、三女・こなみが中江有里さん、四女・えなみが今村雅美さんだった。華やか!

特に牧瀬里穂さんのサバサバ感は素敵だった。『若草物語』のジョーの現代版という感じ。可愛いのに、良い意味で色気やあざとさがゼロ。彼女が、「実は女だった」という設定の沖田総司を演じた映画『幕末純情伝』(1991年)は名キャスティングだったなあ。もう一度観たい。

『幕末純情伝』から4年後の1995年に「ポッキー四姉妹」が映画となったわけだが、調べてみると、なんと映画のストーリー原案が赤川次郎の『三姉妹探偵団』だったそう。さささ三姉妹探偵団!! 持ってたわ、好きだったわ! あまりにツボなノスタルジイ・リレーに、私はその場で一人バックドロップをしてしまった。

存在の大きさに気づいたときには…

ああ、ポッキーとグリコアーモンドチョコが無性に食べたくなってきた。せっかくなので、ポッキーは久々に「ポッキー・オン・ザ・ロック」としゃれこむことにしよう。ちなみに「ポッキー・オン・ザ・ロック」とは、ポッキーをマドラー代わりにし、氷やらジュースやらウイスキーやらをクルクル混ぜて食べる、粋な食し方である。

松田聖子さんがCMで歌いながらクルクルしているのに憧れ、真似した人も多いのではないだろうか。もちろん私もその一人だ。さあ皆さん、思い出もともにかき混ぜよう。乾杯……!

ポッキーはオッケーだ。しかしもう一つ、スライド式の箱入り「グリコ アーモンドチョコレート」がない。どこを探しても見当たらない! そういえば長年コンビニでも見かけない。ま、まさか……。

嫌なカンは当たるもの。2018年12月に生産終了していたそうだ。ショック!

グリコアーモンドチョコだけではない。ロッテ「霧の浮舟」、森永「チョコフレーク」と、私が愛したチョコは軒並み販売終了してしまっていた。存在の大きさに気づいたときには、すでに遅し。

切ない……。思わず遠い目になったが、復刻という名の再会を待とう。

◆ライター・田中稲さん

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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