
卒業式シーズン真っ只中。制服姿の学生にセレモニーファッションの親たちの姿は、この時期の風物詩のひとつです。そこで、今回は皇后雅子さまの卒業式ファッションに注目。長女・愛子さまとの幼稚園や学校生活のエピソードも交えつつ、振り返ります。母親の服装は、黒やネイビー、グレーなどのダークな色のセレモニースーツやワンピースが一般的です。雅子さまは幼稚園、初等科、中学校と、卒業式はネイビーのスーツをお召しになっていました。
幼稚園の卒園式ではネイビースーツにハイネックのブラウスで
2008年3月、天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さまは、愛子さまの学習院幼稚園の卒園式にご出席。


幼稚園では3年お過ごしになり、成長された愛子さま。年長さんの運動会では、ご自身で貼り絵をした帽子をかぶってお遊戯をされました。お姉さんになられた印象でしたが、ご両親の前では少し恥ずかしそうなはにかみ笑顔を見せていらっしゃいました。

雅子さまはブレードがお好きのよう。これまでも何度かブレードの装飾のある服をお召しになっています。ブレードとは、絹、木綿、麻、羊毛、ビーズなどで作られたテープ状のひものこと。縁飾り、刺繍、端の始末などに利用されています。
この日も、襟と袖口にブレードの装飾が施されたネイビーのスーツに、ドレープが華やかなハイネックの白のブラウス、パールのネックレスを合わせられていました。ネイビーのジャケットはウエストがキュッと絞られたデザイン。ネイビーのシンプルなスーツでもブレードの施しや光沢のある生地なので、さりげなく華やかさが漂います。
困難を乗り越え臨まれた初等科の卒業式は「ネイビー×白」の爽やかコーデ
2014年3月、愛子さまと学習院初等科の卒業式に臨まれた天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。


愛子さまは小学2年生の終わり頃、通学に不安を訴え、学校に行きたくても児童が多く集まる行事や部屋に行けない状況となられました。そのため、療養中だった雅子さまが、通学に付き添われることに。その付き添い通学は、1年半以上に及びました。



そんな困難を乗り越えた卒業式で、雅子さまはネイビーの光沢感のあるスーツをお召しになっていました。ラペルと袖口に施されている装飾がシンプルな中にも華を添えています。インナーは、ボウタイブラウスで、パールのブローチがさりげなくドレス感をアップさせていました。
ビビッドな色や、白や黒に比べて主張も控えめなネイビーは、日本人特有の奥ゆかしさも漂う色。雅子さまのように、白のブラウスを合わせることでメリハリ感も生まれ、知性と上品さが一層際立ちます。
中学の卒業式は以前と同じネイビーのジャケットでワントーンコーデ
2017年3月、愛子さまの学習院女子中等科の卒業式には、幼稚園の卒園式と同じネイビーのジャケットをお召しになった雅子さま。


3年生の秋には体調不良で約1か月半にわたり欠席することもありましたが、両陛下は辛抱強く見守られていたようです。また、当時、お痩せになった姿に心配の声があがった愛子さまでしたが、この日は陛下と雅子さまとともに笑顔を見せられていました。


雅子さまはこの日、ジャケットと同じ素材のワンピースを合わせられ、ネイビーのワントーンコーデでした。胸元には一連パールのネックレス、耳元には大粒のパールのイヤリング、そしてパールの指輪が輝いていました。
愛子さまは集まった報道陣からのお祝いの言葉に、「ありがとうございます」「先生がたとお友達に恵まれて、楽しい3年間を過ごすことができました」と笑顔でお答えになりました。
高校の卒業式は愛子さまおひとりで 両陛下は国民への配慮でご欠席
2020年3月、学習院女子高等科の卒業式には愛子さまがおひとりでご出席。


マスク姿の愛子さまは「たくさんの経験ができ、とても楽しく、とても充実した学校生活を送ることができたと思います」とお話しされました。卒業にあたって作成されたレポートでは、「平安文学にみる猫や犬と人との関わり」について、『源氏物語』などを読んでまとめられたそうです。
両陛下は新型コロナウイルス感染拡大の影響で卒業式が中止されている学校もあることなどから、国民の気持ちに配慮され、卒業式には出席されませんでした。