新年度が始まり、慌ただしい日々を送っている人も多いでしょう。ただでさえ忙しい日々、少しでも目の前の業務を減らすには、やらなくていい家事をひとつずつなくしていくことが有効です。そのひとつが、毎日食事のたびに発生する、食器洗い。
今は、狭いシンク周りでも設置しやすいスリムタイプの卓上式の食器洗い乾燥機(以下「食洗機」)も登場していますが、それでも水道と食洗機をつなぐための分岐水栓を購入し、業者に取り付け工事をお願いする必要があり、手間と時間と費用がかかります。こうしたことからも、食洗機の導入をあきらめてしまう人も少なくありません。
そこで最後の砦となるのが、「タンク式の食洗機を置く」という選択肢だと、家電ライターの田中真紀子さん。タンク式の食洗機とはどのようなものか。メリット・デメリットは? 田中さんに教えてもらいました。
タンク式食洗機のメリット・デメリット
「『シンク周りに設置スペースがない』、『分岐水栓の取り付けが必要』――こうした設置性の悪さを解消する食洗機として、近年注目されているのがタンク式です。
タンク式食洗機は、食洗機に内蔵されたタンクに手動で水を入れ、その水で食器洗いやすすぎを行います。そのため、使う前にタンクに水を入れておく作業が発生します。洗いやすすぎに使った排水は、食洗機の脇に置いたバケツに溜めるか、ホースがシンクまで伸ばせるならそのままシンクに排水してもOK。
水道につなぐ必要がないため、電源さえあればシンク周りに限らず、ダイニングテーブルやカウンターなどどこにでも設置できることが最大のメリットです。また価格も3万円台から選べるのも大きな魅力。気になる洗浄力も、高温の高圧水流で洗うため、分岐水栓に取り付ける卓上式より大きく劣るということはありません」(田中さん・以下同)
一方で、こんなデメリットも。
「タンク式はコンパクトなモデルが中心で、洗える食器点数は15点前後、もっぱら2~3人用です。そもそもキッチンが狭く食洗機が置けないご家庭向けだと考えれば理にかなっていますが、鍋やフライパンも洗いたい人には中途半端に感じるかもしれません。また、前述の通り毎回タンクに5Lほどの水を入れなければ使うことができず、手間がかかります。これが水栓につながっていない最大のデメリットといえます。
ただし最近は、分岐水栓にも対応できるモデルのほか、パナソニックからスリムながら4人分まで洗える大容量のモデルも登場。タンク式の課題を解消したモデルが次々登場し、選択肢は広がりつつあります」
自動乾燥機能、あるいはオートオープン機能があるモデルがおすすめ
タンク式を選ぶ際に確認したいのが、洗浄から乾燥まで連続して行ってくれる機能があるかどうか。分岐水栓につなげる卓上式と違い、タンク式の中には自動乾燥機能がないモデルもあるのです。
「洗った食器をそのまま食洗機で乾燥させたい場合は、乾燥機能がついているモデルか、洗浄が終わると自動でドアが開くオートオープン機能があるモデルを選びましょう。自動でドアが開けば、高温で洗浄した後、蒸気が放出されて食器についた水分が蒸発されます。その結果自然乾燥でも早く乾いて、経済的です。食洗機をセッティングしたまま外出できるのも安心ですよね」
さて、人気のタンク式食洗機は? 田中さんに2つ挙げてもらいました。