私たちの日常に癒しを与えてくれる、ペットの写真。SNSに投稿される写真の数々には、「可愛くてほっこりする」「疲れが吹っ飛ぶ」といったコメントが付くことが多いですよね。中には「感動する」「泣ける」とのコメントも多く寄せられる写真があるんです。それは、YASUTOさんが投稿している祖母と愛犬(福ちゃん)の写真。2022年1月には、作品集『おばあちゃんと福ちゃん』(宝島社)が発売されるほど、多くの支持を集めています。
おばあちゃんと愛犬の思い出を収める
会社員として働きながら、趣味で祖母と福ちゃんを撮影しているYASUTOさん。昔からカメラが好きだったものの、同じくカメラ好きだった祖父が亡くなったとき、祖父自ら撮影した写真が遺影になったと知り、「ぼくが撮れていたら」と後悔したのだといいます。
そこで、「おばあちゃんの遺影はぼくが撮影したい」と、祖母の写真を撮るように。とくに柴犬の福ちゃんとの写真では、祖母が優しい表情を見せてくれると気づいてからは、2ショットでの写真を多く撮影しているそうです。しかも、使っているレンズは祖父の形見とのこと。
桜やあじさい、ひまわり、コスモスなど、四季折々の風景に溶け込む“おばあちゃんと福ちゃん”。心が通じ合っているからこそ距離が近い写真ばかりで、祖母を思うYASUTOさんの愛情まで伝わってきます。そこで『おばあちゃんと福ちゃん』に掲載された写真について紹介しましょう!
一瞬一瞬を鮮やかに切り取った写真たち
同書は、春の写真から始まります。満開の桜の下、腰を下ろして目を合わせるふたりは、まるで会話をしているよう。背景の季節感だけでなく、おばあちゃんの優しい笑顔からも暖かさが伝わってきます。
梅雨の時期には、一つの傘に入ったおばあちゃんと福ちゃんの姿が。階段の途中でひと休みをしている写真は、奥のほうまであじさいが咲き誇っていてまさに絶景。和の情緒を感じる写真となっています。
夏になると、雨傘は日傘に。広大なひまわり畑の中、風を浴びながら休憩をしている写真では、おでこを突き合わせてなにやらお話し中。目を閉じてじっと聞き入る福ちゃんの姿も印象的です。
また、家の中の写真も。屋外の写真とはまた少し違い、おばあちゃんとYASUTOさんの距離の近い写真が多く収められています。「おばあちゃんのベストショットをたくさん残したい」というYASUTOさんの情熱と、YASUTOさんに向けるおばあちゃんの優しさ、双方の気持ちが伝わってきてグッときます。もちろん、福ちゃんの可愛らしさも満載。さまざまな写真から「家の中でもおばあちゃんと一緒なんだな」とわかるはずです。
祖父のレンズを使い、祖母と愛犬の写真を撮り続ける孫。“家族”で作り上げる優しい写真は、感動必至です。