エンタメ

再発、再々発…古村比呂さん 「がんと共に生きる」姿を見せていきたい

がんと共に生きる

古村さんのYouTubeチャンネルでは、「放射線治療と抗がん剤の違い」「正しい医療情報の見分け方」「がん治療と仕事の両立について」「がん治療中の食事のエビデンス」など、ためになる情報を数多くアップしている。

古村比呂さん
自身のYouTubeチャンネルでがん治療についての情報を発信している古村さん
写真7枚

「情報を得ることで、過度におびえることがなくなります。がんは正しく恐れる。女性は特に、抗がん剤で全身の毛が抜けることがつらい、とおっしゃるかたも多いです。私もニ度目の抗がん剤治療で、すべての毛が抜けました。けれど喪失感はありませんでした。事前に聞いていたから心の準備ができていましたし、ウィッグも用意していました。

頭がツルツルになったことを嘆くよりも、眉毛やまつ毛、鼻毛がなくなることがつらかったですね。目や鼻が痛くなり、毛のフィルターとしての役割に感謝しました。髪はウィッグでカバーできますし、また生えます。

髪が抜けて驚いたことがあります。生えてくるときに、生まれ変わったような髪が生えてくるんです。すごくツヤツヤ。白髪もかなり減りました。味わったことのない感動でした。1年くらいで、元の髪質に戻るんですけどね(笑い)」

古村比呂
抗がん剤の影響で当時髪は抜けたが喪失感はなかった
写真7枚

がんとはほどよい距離感を保ちながら

治療しては再発することを3回も繰り返した古村さんは、「がんと闘う」ことをやめたという。いわば、がんへの敗北宣言だ。しかし、闘いを拒否すると、不思議と気持ちがスッキリしたという。

「がん細胞さん、私はもうあなたと闘うことに疲れてしまいました。だから今後はお互いうまく付き合っていきませんか。そうやってほどよい距離感を保ちながら、がんと共に歩んでいこうと思います」

◆女優・古村比呂さん

古村比呂さん
女優・古村比呂さん
写真7枚

1965年11月24日生まれ。北海道出身。1985年、クラリオンガール準グランプリ、東映映画『童貞物語』にて映画デビュー。1987年、NHK朝の連続テレビ小説『チョッちゃん』のヒロインを務める。2012年に子宮頸がんが発覚し、子宮を全摘出。2017年、がんが再発して抗がん剤治療を行うが、半年後に再々発。2019年2月より、経過良好のため抗がん剤治療を中断中。今年3月、『手放す瞬間 子宮頸がん、リンパ浮腫と共に歩んだ私の10年』(KADOKAWA)を出版。5月より公開中の映画『パティシエさんとお嬢さん』に出演。https://ameblo.jp/komurahiro/

撮影/浅野剛 取材・文/小山内麗香

●古村比呂が語る離婚とがん闘病 「子供のために生きたい」とは言わない思い

●古村比呂、がん再々発でも前向きに 支えになった3人の息子たちからの言葉

関連キーワード