家事・ライフ

専業主婦から社長になった薄井シンシアさん、専業主婦を雇用して感じた「覚悟」がいかに大切か

就職の第一の準備は覚悟を決めること

専業主婦をしていてこれから働いてみたいという人は、自分がなぜ働きたいのか、自分の気持ちをよく見つめてほしいと思います。自分の自由になるお金が欲しいからか、社会とつながりを持ちたいからか、張り合いのある生活を送りたいからか――。理由は人それぞれで、何であっても構いません。

ただ、「この動機で働き始めて、多少のつらいことがあっても続けていけるだろうか?」とは自分に問いかけてほしいのです。働き始めてすぐに辞めると、会社にとっても損失ですが、辞めた人の心にも傷が残ってしまうはずです。

薄井シンシア
就職の第一の準備は覚悟を決めることだという
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ちなみに、私は子育ても終わって、働けない理由がなくなった以上、自分の欲しい物は自分のお金で買いたい、自分の可能性を実らしたいと思って仕事を再び始めました。映画で言えば、サポート役ではなく、主人公になりたい。娘から愛している母だけではなく、尊敬している人間として思われたいのです。

「こんなこともできないの!?」と職場でバカにされ怒鳴られた経験が私にもあります。それでも私は、叱られて嫌だという気持ちより、堂々と娘の前に立てる自分でいたい気持ちのほうが強かった。だから、落ち込むよりも具体的な改善の方法を探るほうに考えが向かいました。

私は仕事をする上で、仕事を何のためにしたいのか、そこを深く考えることが大切だと思っています。仕事に応募するときには、まずそこを考え、覚悟を持つ。何よりも先に、心の準備をしておくことが、自分にとっても、会社にとってもよい結果になるのではないでしょうか。

◆LOF Hotel Management 日本法人社長・薄井シンシアさん

薄井シンシア
LOF Hotel Management 日本法人社長・薄井シンシアさん
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1959年、フィリピンの華僑の家に生まれる。結婚後、30歳で出産し、専業主婦に。47歳で再就職。娘が通う大学のカフェテリアで仕事を始め、日本に帰国後は、時給1300円の電話受付の仕事を経てANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。3年で営業開発担当副支配人になり、シャングリ・ラ 東京に転職。2018年、日本コカ・コーラ社に入社し、オリンピックホスピタリティー担当就任するも五輪延期により失職。2021年5月から現職。近著に『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)。@UsuiCynthia

撮影/藤岡雅樹 構成/赤坂麻実、編集部

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