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広瀬すず&松坂桃李らの好演が光る愛の物語『流浪の月』が現代社会に訴えるものとは?

映画『流浪の月』メインビジュアル
広瀬すずと松坂桃李の好演が光る(C) 2022「流浪の月」製作委員会
写真10枚

広瀬すずさん(23歳)と松坂桃李さん(33歳)がダブル主演を務めた映画『流浪の月』が、5月13日より公開中です。本作は、一緒にいることが“世間的に許されない”一組の男女の特別な関係を描き出したもの。累計発行部数39万部超えの「2020年本屋大賞」の受賞作を原作とした、濃密な社会派ヒューマンドラマが誕生しています。本作の見どころについて、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説します。

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2020年本屋大賞受賞作を『怒り』などの李相日監督が実写化

本作は、「2020年本屋大賞」を受賞した作家・凪良ゆうさんによる同名小説を原作に、『悪人』(2010年)や『怒り』(2016年)などの李相日監督(48歳)が実写映画化したものです。主演に広瀬さんと松坂さんを迎え、共演には横浜流星さん(25歳)や多部未華子さん(33歳)といったエンタメ界の若き才能が集結。

映画『流浪の月』ポスタービジュアル
(C) 2022「流浪の月」製作委員会
写真10枚

また、『バーニング 劇場版』(2018年)や『パラサイト 半地下の家族』(2019年)などを担当してきた韓国の名カメラマン、ホン・ギョンピョさん(59歳)が撮影監督を務めていることも映画ファンの間では大きな話題に。叙情的な映像が、作品に力を与えているのです。

大学生と小学生の男女が過ごした特別な2か月

ある日、公園のベンチで雨に打たれながら本を読んでいた家内更紗(白鳥玉季さん)。彼女の存在に気付いた佐伯文(松坂さん)は、自分の家に来ないかと声をかけます。更紗はまだ10歳の小学生で、文は19歳の大学生。伯母の家での生活を苦に感じていた更紗は帰宅を拒み、文はそれを受け入れ、年齢の離れた2人は互いに影響を与え合いながら、2か月もの自由な時間を過ごします。

2人にとってこの2か月は特別なもの。けれども世間はこれを「誘拐事件」だと騒ぎ立て、やがて警察の手によって引き裂かれることに。それから15年後、大人になった更紗(広瀬さん)は、以前の姿とまったく変わらない文と再会し…。

映画『流浪の月』場面写真
(C) 2022「流浪の月」製作委員会
写真10枚

男女が中心の物語というと、多くのかたは“ラブストーリー”を想像するのではないでしょうか。しかし、本作はそうではありません。更紗と文は、深く大きな孤独感を抱えて生きる存在です。2人の間にはたしかに“愛”がありますが、社会的に「誘拐事件」とされたものの当事者である更紗と文だけにしか分からない、もっと特別な関係を本作は描き出しているのです。

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