健康志向の高まりから、ジム通いや、自宅でもエクササイズを日課にする人が増えていますが、間違った行動をとっている場合もあるそうです。そう語るのは、若返り習慣を唱える、寿命制御遺伝子の分子遺伝学を専門とする医師・白澤卓二さん。肌、髪、体に関する100の若返り習慣を紹介した著書『「一生老けない」にいいこと超大全』(宝島社)では、せっかくの運動をムダにしないための避けるべきNG行為を教えてくれています。
運動の前後の「スポーツドリンク」「バナナ」はNG?
なんとなく、いいと思って運動の前後にスポーツドリンクを飲んだり、バナナを食べたり、これが「糖質」に注目すると必ずしもおすすめできないと白澤さんは言います。
「スポーツドリンクやバナナには多くの糖質が含まれています。体はエネルギーとしてまず糖質を燃やし、そのあとに初めて脂肪を燃焼させます。つまり運動の前後に糖質をとってしまうと、せっかく脂肪が燃焼しようとしているのを邪魔していることになるのです」(白澤さん・以下同)
運動前後1時間は糖質の摂取を控えて
運動をするとエネルギーを消費するので、ある程度お腹を満たしておきたいし、運動後は何かを補給したくなりますよね。でも運動前後1時間は控えるべきだそうです。
「1日中ハードなトレーニングをしているアスリートは別として、普通の人であれば、せっかくの運動の効果を台無しにしないためにも、運動の前後1時間は、炭水化物を含めた糖質の摂取を控えるのがベターです。スポーツドリンクの中には、高カロリーで、ウォーキングで消費したエネルギーを上回ってしまうものもあります。せっかく運動したのに、逆にお腹周りに脂肪がついた、なんてことにならないようにしましょう」
人工甘味料がはいったプロテインも要注意!
最近ではさまざまな種類のプロテインドリンクがあり、運動後などにプロテイン飲料を飲んでいる人も多く見かけますが、このプロテインにも注意が必要だそうです。
「プロテインには、人工甘味料などの糖質類がはいっていることが少なくありません。実は人工甘味料は太りやすくなるというデータもあるからです。本当に健康になりたいのなら、しっかり成分表示を見ること、そして糖質の摂取は時間をおいてからするようにしましょう」
つまり、人工甘味料といっても甘いことには変わりはなく、とり続けることで甘いものへの中毒性は増してしまい、結果太りやすくなるということのようです。
◆教えてくれたのは:お茶の水健康長寿クリニック院長・白澤卓二さん
お茶の水健康長寿クリニック院長。医学博士。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。著書は200冊を超え、テレビ番組にも多数出演。わかりやすい医学解説が評判。今年3月、肌、髪、体に関する100の若返り習慣を紹介した著書『「一生老けない」にいいこと超大全』(宝島社)を出版。https://ipma.jp/lecturer/sirasawa/