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マスク生活に需要急増の「シミ取り」、今やるなら要注意! 美容皮膚科医が解説

マスクを持つ女性の手元
マスク時代に「シミ取り」治療の需要が高まっているが、気をつけないとシミが増えてしまうことも(Ph/イメージマート)
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マスク生活になり、ダウンタイムでもばれない、という理由からクリニックでシミ取りをする人が増えています。でもインスタグラムでは、「シミ取りしたらシミが増えました」というコメントも多く見受けられます。9月になってもまだまだ暑い日が続き、紫外線は降り注いでいます。クリニックなどでシミ取りをするなら、ベストなタイミングなどあるのでしょうか。美容皮膚科医の山屋雅美さんに聞きました。

Q.シミ取り施術を美容クリニックで受けるべきベストなタイミング、季節などは?

A.シミ治療はアフターケアの手間を考えると秋~冬がベスト

「基本的にシミ治療は季節を問わずに受けることができますが、徹底した紫外線対策などといったアフターケアの手間や、1回あたりの効果実感の高い照射を考慮すると、紫外線の強さが落ちつき、日焼けもしなくなる秋~冬がシミ治療に適した時期といえます」(山屋さん・以下同)

Q.夏のシミ取りでシミが増えてしまう理由や、夏はシミ取りには不向きな理由は?

A.強い紫外線から徹底的に肌を守るのは難しく、治療後、無防備にしていると新たなシミができることも

シミのできたバナナ
シミ取り治療後には徹底的な紫外線対策が必要。治療後のデリケートな肌に紫外線の刺激は色素沈着を誘発してしまう可能性が(Ph/イメージマート)
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「紫外線が強い夏は、シミ治療後には、相当な紫外線対策が必要になります。ここを徹底しないとレーザー治療後のバリア機能が弱まっているデリケートな肌に紫外線があたってしまうことで強い刺激となり、色素沈着を誘発してしまう恐れがあります。

でも実は、これは夏に限らずですが、レーザー照射後は一時的に色素沈着を起こすことがあり『シミが濃くなった』と感じることはありますが、『シミが増える』ことは考えにくいです。色素沈着によりシミが濃く見えることでシミが目立ち『シミが増えた』と感じるかたが多いのでないかと思われます。また、『シミ取りをしたから大丈夫』と紫外線ケアを怠ることで、新たなシミができてシミが増えてしまうことも考えられます。夏なら秋冬に比べて紫外線が強いのでなおさらです」

Q.シミ取りを夏にした場合、その後のNGな行動パターンは?

A.シミ治療をしたから安心、ではなくむしろ紫外線対策の徹底を!

夏は日が長く、開放的になり屋外でのレジャーを楽しむ人も多い季節。シミ取りをしたから安心!と勘違いして、紫外線対策を手抜きして、炎天下でレジャーを楽しむなど、NGパターンはあるのでしょうか。

バーベキューセットが置かれた芝生
シミ取り治療後に屋外での長時間のレジャーなどは避けるべき(Ph/イメージマート)
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「シミ治療後は、治療によって刺激を受けた肌が弱まっているため、普段以上に紫外線対策を行わないといけません。シミ取りをしたから安心と勘違いして紫外線対策を怠ることはもちろんですが、そもそもシミ治療後やシミ治療中も、炎天下でのレジャーや海、バカンス、ゴルフなど、紫外線が強い場所にいることを避けることが望ましいです。屋外でのレジャーを計画しているなら、なおさら夏のシミ治療はおすすめできません。初秋も同じくです」

Q.マスクで覆われている部分はあまり紫外線対策をしなくても大丈夫?

A.マスクゾーンと差をつけず顔全体の紫外線対策が大前提

マスク生活が定着し、マスクの下はメイクやスキンケアをきちんとしない人もいるようですが、マスクをしていることでの紫外線防御効果はあるのでしょうか。

「UV加工が施されていないマスクには、紫外線防御効果はないと考えて、日焼け止めを塗る必要があります。また、紫外線対策はマスクから出ている部分だけではありません。マスクで隠れている部分にも必要です。そのため、顔全体にしっかりと日焼け止めを塗ることが欠かせません。そのうえで、紫外線防止機能がついているマスクを選ぶとよりケアが強化できます」

Q.マスク生活とシミ増加に関係性はありますか?

A.マスクによる摩擦が「肝斑」を誘発していることも

マスク生活で、マスク下の肌荒れに悩む声もよく聞きますが、マスクがシミの増加につながっているのでしょうか。

マスクを少し浮かせた女性
マスクによる摩擦が肝斑の原因になることも(Ph/イメージマート)
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「マスクによる肌への摩擦は、ちょうど、両側の頬を中心に生じる薄茶色の色素斑『肝斑』ができやすい頬部に起こりやすいため、長期間のマスク着用による肌への摩擦刺激が原因となって肝斑が悪化していることが考えられます。当院にも、マスク着用により頬の肝斑が濃くなったとお悩みの患者さまが実際に増えています」

◆教えてくれたのは:美容皮膚科医・山屋雅美さん

美容皮膚科医・山屋雅美さん
美容皮膚科医の山屋雅美さん
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埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科、三井記念病院皮膚科勤務を経て、2011年美容皮膚科タカミクリニック入職。2021年、副院長に就任。ニキビ・毛穴などの美肌治療から、シミ・しわ・たるみなどのエイジング治療まで幅広く診療を行う。https://www.takamiclinic.or.jp/

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