
光熱費の値上げが続くいま、電気やガス代はなるべく節約したいもの。そこでお湯を沸かすいろいろな方法の中で、コストが低い方法について、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに聞きました。
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やかん、電気ポット、電気ケトル、選ぶ基準は沸かす量
自宅でお湯を沸かす際、やかん、電気ポット、電気ケトルなどを使うのが一般的かと思います。このとき、沸かす量によって使い分けるのが節約のコツです。
1L以下なら断然電気ケトル
フランスの調理器具・小型家電ブランド「ティファール」の公式サイト(https://www.t-fal.co.jp/sp/products/CE/kettles/compare_kettle_vs_pot/)では、1Lの水が沸騰するまでにかかる時間は、やかんが約7分30秒、電気ポットが約9分、電気ケトルが約5分14秒と紹介されています。

1リットルのお湯を沸かす場合にかかる電気代・ガス代はやかんが約3.36円、電気ポットが約9.16円、電気ケトルが約3.26円。1リットルに限ると、電気ケトルがもっとも早くて安い計算になります。
保温にも電気代がかかるので注意

また、電気ポットの場合、沸かしたお湯の保温にも電気代がかかるので、お湯が沸いたら、なるべく早く使うことを前提に魔法瓶タイプのポットや水筒など保温機能があるものに入れて保管しましょう。もし、移し替えるものがなく、電気ポットに入れたままにする場合は、節電モードにしておくのがいいですよ。

ウォーターサーバーはお湯の機能をオフに
また、ウォーターサーバーのお湯を利用しているという方もいると思います。ウォーターサーバーの場合は、1か月の電気代は一般的に500~1000円程度と言われます。
電力会社の「HTBエナジー」の公式サイト(https://htb-energy.com/article/price/a44)によると、ウォーターサーバーの平均的な消費電力は、冷水(冷却)が100W前後、温水(加熱時)は約350W前後です。温水になると、消費電力が2倍以上になります。

また、ウォーターサーバーはすぐお湯を出せるように、常に1L程度の一定量のお湯を作り、温め続けています。つまり、お湯を使わなくても温水機能が稼働していることで電気代がかかってしまいます。
最近はエコ機能や低電力機能を搭載するウォーターサーバーなども用意されていますが、電気代の節約を考えるなら、ウォーターサーバーのお湯は使わないのが賢い利用方法。お湯の機能がないシンプルなタイプを利用するか、もしくは温水機能のスイッチを切って、必要なときはウォーターサーバーの水を電気ケトルなどで沸かすといいでしょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈
※沸騰までにかかる時間、電気・ガス代の数値に一部誤りがあり、修正しました。(9月19日14時52分)