健康・医療

野菜、ヨーグルト、お酢…体によい食べ物も「食べ方」によってはデメリットも 漢方専門家が解説

「ヨーグルトで腸活」の落とし穴

櫻井さんは、腸の健康によいとされる「ヨーグルト」にも食べ方に注意が必要と指摘します。

「ヨーグルトは便秘解消、美肌づくり、免疫力アップに効果的とされています。しかし、必ずしも全員がヨーグルトを食べて健康になるわけではありません。体質に合わない人もいるのです」

ヨーグルト摂取の注意点とは(Ph/photoAC)
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朝のヨーグルトに注意

「ヨーグルトはたいてい冷たい状態で食べるので、胃腸を冷やしてしまう点に注意が必要です。また、“毎朝必ず食べる”ことを習慣にしている人が多いのも気になります。一般的に冷たいものは胃腸の負担になりやすく、中医学的には、食べ続けていると体の中に不要物が溜まりやすくなるとされます」

櫻井さんによると、食べ物が自分の体調や体質に合っているかを見極めるポイントは、「舌」だそうです。

「ヨーグルトで言えば、鏡で舌を見て、全体にベッタリと白い苔(こけ)がついていたら、その人の体に合っていない可能性があります。逆に合うのは、舌が真っ赤で苔がない、潤い不足の人です」

「お酢」を胃腸の味方にする方法

「理由は見当たらないのに、胃の不調を訴える相談者さんがいました。『食前にお酢を毎日湯呑みに半分くらい飲んでいる』とおっしゃるので、早速飲むのをやめてもらうと、胃腸の調子がよくなったことがありました。お酢は摂り方次第で、胃腸の敵にも味方にもなります」

お酢には、血流を促す、体内の老廃物や毒素を取り除くなどのよい働きがあり、体を温める作用もあるといいます。なぜ、相談者は胃腸の具合が悪くなったのでしょうか。

調味料として摂ればお酢を味方にできる(Ph/photoAC)
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調味料として使う

「お酢のメインの成分は酢酸という“酸”なので、空腹時に薄めずにそのまま飲んだり、毎食前に摂っていたりすると、胃腸には刺激が強すぎたのです。健康のためにお酢を摂るなら、そのまま飲むのではなく、酢の物や甘酢煮などのように、調味料として使うほうが胃腸にもやさしいです」

◆教えてくれたのは:漢方コンサルタント・櫻井大典さん

漢方コンサルタント・櫻井大典さん
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漢方コンサルタント。国際中医専門員。日本中医薬研究会会員。漢方薬局の三代目として生まれ育つ。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後はイスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国の首都医科大学附属北京中医医院などでの研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。これまで年間数千件の健康相談を受け、延べ4万件以上の悩みに応えてきた。今年7月、病気にならないための食事と睡眠の新常識をまとめた『予約の取れない漢方家が教える 病気にならない食う寝る養生』を出版。https://yurukampo.jp/

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