健康・医療

排尿時にイヤな痛み…膀胱炎の予防におすすめの食材&避けたほうがいい食材

お腹を押さえる女性
女性に起こりやすい膀胱炎のケアとは?
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「排尿時にイヤな痛みを感じる」「下腹部に違和感がある」といった症状は、もしかしたら膀胱炎かもしれません。膀胱炎の治療は薬で行うことがほとんどですが、食事でも回復のサポートができるそうです。そこで、漢方にも詳しい管理栄養士の小原水月さんに、膀胱炎でのOK食材、NG食材とおすすめの漢方薬を教えてもらいました。

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「膀胱炎」が原因の排尿時の痛み

排尿時の痛みは尿道炎や尿路結石、間質性膀胱炎、膀胱や尿道の悪性腫瘍などで起こります。とくに女性の発症頻度の高い急性膀胱炎について、紹介します。

膀胱炎のメカニズム

急性膀胱炎は、細菌が尿道から膀胱へ侵入して起こる感染症です。男性に比べて女性は尿道が短く、尿道の出口が肛門に近いため、細菌が膀胱に入りやすく感染しやすい傾向があります。

とくに女性は閉経を迎えると、ホルモンバランスの変化により尿道の組織が薄くなるため、急性膀胱炎になりやすいといわれています。

膀胱炎による排尿時の痛みの特徴

急性膀胱炎の主な症状は、排尿時の痛みやかゆみです。ほかにも、排尿時の不快感、尿の濁り、頻尿、下腹部の痛み、腰の痛み、発熱といった症状が出る場合があります。

トイレ
排尿時の痛みやかゆみなどが起こる膀胱炎
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膀胱炎による排尿痛…ならないための対策

急性膀胱炎は、抗生剤治療で数日内に完治する場合がほとんどです。しかし、慢性的に疲れを感じる、睡眠不足が続いている、食事の偏りが大きいなど、免疫が低下する生活を続けていると再発しやすくなります。慢性化させないためには、生活習慣を改善することが重要です。

排尿時の痛みを予防する食材&栄養素

体の免疫細胞の約7割が腸に集中していることから、急性膀胱炎になった際は腸内環境をよくする食事がおすすめです。一晩で腸内環境を劇的に改善する食品はありませんが、長期的に摂取することで、急性膀胱炎の再発防止に役立ちます。

まず摂りたいのは、腸内の善玉菌を活性化させる食物繊維です。食物繊維は植物性食品に含まれるので、穀物、野菜、海藻、きのこなどを献立に組み込むようにしてください。

納豆を混ぜている
食物繊維を含む食べ物や発酵食品など腸内環境を整える食事が◎
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そして、善玉菌を含む発酵食品を継続的に摂るのも腸内環境改善に役立ちます。納豆や味噌、ぬか漬けなどを積極的に食卓へ取り入れましょう。

排尿時の予防や改善のために避けるべき食材

一方、腸内環境を悪化させやすい栄養素は、たんぱく質と脂質です。どちらも生きていくうえで欠かせない栄養素ですが、食事中の占める割合が多くなりすぎると、腸内の悪玉菌が増えやすくなります。

パン食、肉メインのおかずが多め、間食が多いという食生活だと、たんぱく質や脂質が多くなりやすいので注意が必要です。

ベーコンエッグトースト
たんぱく質や脂質が多くなりやすいパン食や肉多めの食事に注意
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また、未消化物も腸内環境を悪化させます。口で咀嚼(そしゃく)された食べ物は、唾液や胃でのぜん動運動、胃液の作用を受けます。その結果ドロドロに消化され、腸で栄養素が吸収されるのです。しかし、口や胃での消化が不十分な状態では、腸での吸収がスムーズに行えず、腐敗が起こります。

そのため、早食い、ながら食いはせずに、ゆっくりよく噛んで味わって食べることも、腸内環境を悪化させないために重要です。

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