年齢とともに起こる髪のトラブル。特に育毛トラブルに悩む人は、トリートメントやリンスのつけ方、ドライヤーのかけ方などを工夫するべきだと、『「髪が増えるしくみ」から考案 頭皮が蘇るすごいマッサージ』(アスコム)を上梓した管理理容師・理容師・ヘッドスパ経営者の辻敦哉さんは話します。そこで育毛のために気をつけたいポイントと、白髪の仕組みや改善のために摂りたい栄養素についても教えてもらいました。
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トリートメント、コンディショナーの正しい使い方
髪に元気がなくなってきたと感じている人は、髪につけるヘアトリートメントやリンスなどの使用を悩んでいるかもしれません。
髪用のトリートメントやコンディショナーは頭皮につけない
辻さんによれば、髪は毛根にある毛母細胞が分裂して増えることで押し出された、死んだ細胞なのだそうです。なので、髪につけるものは成分にそれほどこだわらなくてもよいと辻さんは話します。新しく生えてこようとしている髪や白髪には基本的に影響しないそうです。
「ただし、髪用のトリートメントやコンディショナーは、頭皮につけないようにしてください。使用方法に“髪に”つける、“髪に”もみ込むと書いてある商品は、髪の毛をなめらかにしたり、つややかにコートしたり、手触りや見た目をよくするためのものなので、育毛効果はありません」(辻さん・以下同)
スカルプ用か髪用かで判断を
つまり、髪用のトリートメントやコンディショナーは、スカルプ(頭皮)ケアや頭皮トラブルの解消を目的とした頭皮用のトリートメントやコンディショナーとは違って、どんなに頭皮に揉み込んでも頭皮に栄養は与えないのだそうです。商品の使い方をよく読んで、用途によって使いましょう。
乾燥はドライヤーが正解!乾かし方に工夫を
頭皮が乾燥しないように、ドライヤーは使わないほうがいいと思っている人もいるかもしれませんが、辻さんによるとドライヤーを正しく使うのが正解だといいます。
ドライヤーの角度を平行にして使うのが◎
頭皮の乾燥はフケやかゆみの原因となってしまいますが、髪にとって濡れたままはNG。濡れた状態の髪はキューティクルが剥がれやすくなってしまうので、こすれや摩擦で簡単に傷つくようになるそうです。そのため、自然乾燥はおすすめしないと辻さんは話します。
「試行錯誤を重ねて私が出した結論は、髪は乾かすけれど頭皮には風をあてないということです。相反するようですが、ドライヤーで風を送る角度を頭皮に直角ではなく、平行にすることで、髪の毛だけに風が当たるようにするのが一番よい方法です。
頭皮が湿ったままでは雑菌が繁殖しないか心配されるかたもいらっしゃいますが、余分な水分は体温で蒸発するので大丈夫ですよ」
ブラシは目的別に使い分ける
さらにドライヤーの際にブラシを使うのもよいそうです。スケルトンブラシなら、ブラシの上から風を当てても髪まで風が届くので、髪を乾かすときにぴったりです。
ブラシは目的別でその都度変えて、シャンプーのときはテラヘルツ波で体の中から活性化するシャンプーブラシ、ブラッシングのときは高いクッション性で頭皮に負担をかけないパドルブラシ、スタイリングのときは長短が交互に配列され、絡まりをほぐす立体ヘアブラシを使うことをおすすめしています。