ダイエット中だけど甘いものを我慢するのはとてもつらい。悩めるダイエッターに「甘いおやつも、食べたければ食べていい」と話すのは、新著『午後3時に食べるだけダイエット やせるスイーツ』(秀和システム)を上梓したダイエット外来の医師・工藤孝文さん。同書には甘いおやつの上手な食べ方が満載。その中から、どんなものを食べればやせやすくなるのか、お話しいただきました。
「甘いおやつを食べてもいい」のはなぜ?
ダイエット=食事制限。「食べる量、摂取カロリーの量を減らせば痩せられる」と考える人は多いでしょう。ところが、工藤さんはダイエット外来で患者さんにこう話しています。「食べるのを我慢しないでください」「食べてはいけないものはない」。その心は――?
工藤さんはこう説明します。
「我慢して食べたいものを制限すると、反動で余計食べたくなる上、その気持ちと闘うストレスも生じます。アメリカで行われた実験では、人は『太りそうな食べ物を我慢すればするほど食べたくなる』ということが分かっていますし、ストレス研究で知られる米スタンフォード大学の心理学者・ケリー・マクゴニガルは『食べたいものを禁止すると、1.5倍余計に欲しくなる』と話しています。
要は、『食べてはいけない』と思うほど、その反動でドカ食いします。結果、せっかくのダイエットがリバウンドしてしまう。それならいっそ、最初から食べたいものを食べればいいというのが、私の考えです。実際、私の患者さんでも食べたいものを我慢しすぎた末にリバウンドをしたかたは多く、逆に私が推奨する方法で食べたいものを食べた結果、体重が減ったという喜ばしい報告もよく聞きます」(工藤さん・以下同)
『スニッカーズ』がダイエットにいい理由
とはいえ、高カロリー食品への抵抗感を捨てきれない人もいるでしょう。そんな人に、工藤さんは「食べ物や食べ方を選べば、高カロリーでも太りにくくなります」と話します。
具体例として、3つの食品を挙げてもらいました。
1つが、高カロリーなチョコレートバーで知られる『スニッカーズ』。食べ応えがあり、満足感が得られるお菓子です。本当にこのような高カロリーなお菓子を食べてもいいのでしょうか…?
「スニッカーズは、チョコレートバーの一番下の層に、砂糖と水あめを煮詰めたソフトキャンディー状のヌガー、真ん中の層にキャラメル、一番上にはピーナッツがぎっしり詰まっています。食べたらすぐエネルギーになりやすく、アスリートや登山者からも支持されています。
1本のカロリーはご飯一膳分とほぼ同じ。高カロリーですね。でも、ご安心を。白いご飯のGI値(食後血糖値の上昇度を示す指標)が88なのに比べ、表面を埋め尽くすピーナッツのGI値は15。高カロリーながら血糖値の上昇が緩やかなため、太りにくいのです。
また、高たんぱく質で、嚙み心地もよく自然と咀嚼回数が増えることから、満腹中枢が刺激されやすく、夕食までの空腹感に悩まされなくなるでしょう。
他にも、ピーナッツに含まれる豊富な食物繊維が腸内環境を整えたり、スニッカーズの表面をコーティングしているチョコレートの原料・カカオマスは体脂肪をつきにくくするポリフェノールが含まれています。おやつに1本だけ食べる分には問題ないでしょう」
3時のおやつは『スニッカーズ』を1本。満腹感を得られるのでドカ食いの心配が少ないのも安心ですね。