
10月も終わりが近づき冬の気配もちらほら。とはいえ、まだ日中は汗ばむ日もあったりと、ファッションは秋本番。そこで、皇后雅子さまの秋らしいお出かけファッションに注目。素材や柄、色などで秋らしさを取り入れた着こなしをスタイリストの横山麻里さんに解説してもらいます。
秋のパンツスタイルは脚長効果のあるブーツやきれいめパンツでスタイルアップを
秋は寒さ対策も必要となり、アウターを取り入れることが多いぶん、着ぶくれ問題が気になります。秋のパンツスタイルをバランスよく着こなす秘訣を横山さんに聞きました。
「今季は、ロングブーツがトレンド。黒のロングブーツに黒パンツをインするコーディネートは、初心者でもトライしやすいのでおすすめです。黒で引き締め効果もあり、パンツとブーツがつながり、脚長効果も期待できます。もちろん、ショートブーツでつなげてもいいですね。
ツイード素材もトレンドなので、思い切ってツイード素材のパンツをセレクトするのもおしゃれ。もしくはツイード素材のトップスに、細身なパンツや、センタープレス加工のパンツを合わせると、上半身にボリュームが出るぶん、下半身が華奢見えする効果もあります」(横山さん・以下同)
こっくりグリーンにネイビーを合わせることでワイドパンツでも上品に
1994年11月にサウジアラビアを訪問された際は、鮮やかなグリーンにネイビーの刺繍のパイピングが施されたロングジャケット、ネイビーのワイドパンツをお召しになっていました。

「ネイビーは、どんなカラーとも相性が抜群。合わせるだけで、上品な雰囲気になります。雅子さまのような鮮やかなグリーンも、ネイビーを合わせることで、カラーを引き立てつつ、品のあるコーディネートに仕上がっています。
丈が長めのジャケットにワイドパンツを合わせる上級者の組み合わせも、ネックレスやブローチ使いで、視線を上げることで、スタイルアップできます。また鮮やかなカラーを顔周りに合わせることで、顔映りもよく、若見え効果が。明るいカラーのトップスは、顔をトーンアップしてくれるのでアラフィフには特におすすめ。
鮮やかカラー×黒は、コントラストが強すぎてしまうことがあるので、色合わせに迷ったら、ネイビーを合わせると落ち着いた大人の着こなしになります。トレンドのジレをワイドパンツに合わせた着こなしもおしゃれです」
ベルベット素材のパンツにチェック柄ジャケットでトラッドスタイルに昇華
2000年2月、静岡県の沼津御用邸記念公園を訪問された際の天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。雅子さまがお召しになっていた季節は冬でしたが、色合わせや素材感など、秋に真似したくなるようなコーディネートです。

「秋冬は黒や茶などダークな色が増えますが、雅子さまのようにインナーにこっくりとしたグリーンを合わせることで、明るく秋らしい印象にまとまります。細かいチェック柄のジャケットはトラッドながらもカジュアルに傾きすぎないのは、黒の襟やくるみボタンデザインがポイントになっているから。
パンツも、その黒をリンクさせ、シューズもパンプスで肌見せせずに、ブーツでつなげることで、脚長効果も。さらにヘアアクセサリーやゴールドのイヤリングで女性らしさをプラスさせています。
パンツスタイルはメンズライクになりがち。雅子さまのように秋冬らしいベルベット素材のヘアアクセサリーや、イヤリング、ネックレスを取り入れると、アラフィフ世代にもぴったりの上品なパンツスタイルになります」
上品パープルのツインニットを主役に、重たい印象のパンツスタイルを軽やかに
2005年11月、東宮御所で行った愛子さまの4歳の誕生日の記念撮影では、雅子さまは秋らしい紫のツインニットを主役にしたパンツスタイルでした。



「深みのあるパープルを主役に、他は黒でまとめるという、気品漂うスタイル。雅子さまはハイネックで首元の肌が隠れているぶん、パンプスを合わせることで、肌の抜け感が出て、ダークカラーのコーディネートも、重たい印象になりません。
また、センタープレスのパンツを合わせることで、縦のラインが強調され、スタイルアップに。カーディガンのボタンをいくつか留めることで、トップスもコンパクトにまとまり、華奢見えします。
黒のパンツは万能ですが、単調になりがち。深みのあるカラートップスを合わせた秋らしいスタイルや、トレンドのツイード素材のプルオーバーやカーディガンと合わせると、いつもの黒パンツも、旬な着こなしになります。パールボタンのカーディガンや、異素材ミックスのトップスなど、デザイン性のあるトップスとの相性もいいですよ」
白のコートが主役のグラデーションコーデで動物園へ
2006年11月、愛子さまと東京都多摩動物公園へお出かけ。


「白のコートジャケットをポイントに、他は、グレー~黒のグラデーションでまとめることで、優しい雰囲気のモノトーンスタイルに。
ウエストをベルトでマークすることで、シルエットが美しく、腰位置も高く見えるので、スタイルアップ効果があります。インナーも暗い色ではなくライトなブルーをセレクトされ、主役となるアウターも潔い白のコートジャケットなので、顔周りはもちろん、全体の印象も明るくなり、若々しい雰囲気につながります。
雅子さまのように、ウエストマークをするスタイルは大人女子にとても参考になります。今回のように、コートのベルトを締めたり、今季であれば、細めのベルトをパンツに通すだけで、トレンド感もありつつ、スタイルアップも実現できます」
赤のハイネックを忍ばせることでセットアップでもかしこまりすぎずリラクシー
2006年11月、赤坂御用地でポニーに乗られる愛子さまと、インナーの色も形もおそろいの天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。雅子さまは、濃いブラウンのパンツスタイルのセットアップに、インナーは赤のハイネックトップスを合わせられていました。




「赤の鮮やかなハイネックトップスにダークカラーのブラウンを合わせることで、赤がより引き立っています。セットアップのパンツスタイルに、ハイネックできちんと感を出しつつも、ニットの温かみから、リラックス感も香らせることができます。足元は黒のブーツを合わせて、パンツとカラーは違っていても、ダークトーンでまとまっているので、スタイルアップ効果も。
ジャケットが、少し短めの丈なので、同素材のセンタープレスパンツを合わせると、Iラインが確立されスラッとした印象になります。
セットアップのパンツスーツは、かっちりとした印象になりますが、ニット素材を合わせることで、かしこまりすぎずデイリーな着こなしになじみます。シンプルなスニーカーを合わせて、カジュアルダウンさせても素敵です。
着ぶくれが気になるこれからの季節は、少し短め丈のトップスや、カーディガン、アウターをセレクトすると、視線が上がり、スタイルアップ効果が期待できますよ」
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締め色インナーとストライプ柄の効果でベージュもスタイルよい着こなしに
2010年11月、栃木県の御料牧場で静養のため、宇都宮駅に到着されたご夫妻と愛子さま。雅子さまはストライプ柄のベージュのパンツスーツに、チャコールグレーのハイネックのインナーという秋らしい色のファッションでした。



「パンツスーツが明るいベージュなのに対し、インナーを引き締め効果のあるチャコールグレーのハイネックにすることで、バランスのよい着こなしになっています。ストライプ柄のパンツスーツはスタイリッシュ。パンツスーツということでメンズライクになりそうですが、ワンハンドルの小ぶりなバッグを合わせることで、女性らしさがプラスされています。
ストライプ柄は、Iラインが強調されるので、スタイルアップ効果が期待できる柄。特に細めのストライプ柄は、より華奢見え効果があり、着ぶくれしがちな秋冬はパンツをストライプ柄にすることでスタイルよく見せることができます」
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