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「しいたけは傘を下にして保存を」野菜ソムリエプロがそう語る理由

秋が旬のきのこをよりおいしく食べるには?(Ph/イメージマート)
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通年売られているきのこ類ですが、旬は秋から冬にかけて。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、この時期に出回るものは香り高く旨みも増すそうです。きのこ類の中でも、食卓でよく使われるしいたけ、まいたけ、しめじについて、目利きの方法や正しい保存の仕方を教えてもらいました。

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おいしいしいたけの見極めテクと保存法

旨み成分が多く出汁としても使えるしいたけは、さまざまなレシピで重宝される食材。新鮮でおいしいものを手に入れる目利きの方法と、おいしさをキープする保存法をお話しします。

選ぶときは傘がポイント!干ししいたけは?

しいたけを買うときは、まず傘をチェックしましょう。開き具合が6~8割程度で、肉厚なものがおすすめです。傘の裏側のひだはより白いものを選ぶといいですよ。傘が開ききっていたり、ひだが茶色く変色していたりするものは、鮮度が落ちています。

しいたけの傘
おいしいしいたけを選ぶには、傘のひだをチェック(Ph/photoAC)
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また、軸が太くて短いものは適切な寒暖差と湿度の中で育っている証拠なので、おいしいしいたけといえます。さらに同じ大きさのものを比べるならば、重みがあるものが◎。水分を含み、みずみずしいですよ。

干ししいたけの場合は、しっかりと乾燥しているものを選びましょう。表面は茶褐色で、傘の裏側のひだは淡黄色のものがおすすめです。

しいたけの冷蔵保存は傘を下にすると◎、冷凍もOK

しいたけは基本的に日持ちしにくいので、購入してから2~3日以内に食べきりましょう。冷蔵庫に入れるときは、新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋で保存すればOKです。ちなみに、傘の内側にある胞子が落ちると風味が損なわれるので、保存の際は傘が下にくるように裏返して保存しましょう。

フリーザーバッグに入れたカットしいたけ
しいたけをはじめ、きのこは冷凍保存も可能(Ph/photoAC)
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すぐに使い切れないときは、冷凍すれば1か月ほど保存できます。石づきをとって、丸ごと、もしくは使いやすい大きさにカットしてから、フリーザーバッグなど冷凍保存用の袋に入れてください。きのこは水分に弱いので、しいたけは洗わずに冷凍しましょう。目立った汚れなどがあるときは、キッチンペーパーなどで拭きます。

まいたけとしめじのポイント&きのこの保存法のおすすめ

まいたけとしめじも、それぞれ目利きのポイントと保存のコツがあります。しいたけと同様に水分に弱いので、保存する際は洗わないようにしてください。

まいたけの目利き&保存|見極めは傘

まいたけもしいたけと同様に、おいしいものを見分けるときは傘がポイントです。濃い茶褐色で、肉厚なものがよいです。鮮度が落ちると、傘がしなびるのでチェックして買いましょう。軸は白くてハリがあり、かためのものが新鮮です。

ザルにのったまいたけ
まいたけを買うときは傘が濃い茶褐色で、肉厚なものを(Ph/photoAC)
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保存の際は、未開封ならパックのまま野菜室へ。開封したものは、キッチンペーパーや新聞紙などで包んでからポリ袋に入れてください。冷凍の際は小分けにしてラップに包んで、冷凍保存用の袋に入れましょう。2週間ほどで使い切るのがよいでしょう。

しめじの目利き&保存|全体に弾力があるものを

しめじは、傘が開きすぎておらず、ふっくらとした形で密集しているものが新鮮でおいしいです。特に、密集しているものはよく成長した証です。また、全体的に弾力があり、軸が白くて太いものが新鮮でおいしいです。傘の色味の濃淡は味の違いにあまり関係ありませんが、ひだが変色しているものは鮮度が落ちているので、傘の裏をチェックすることをおすすめします。

カゴに盛ったしめじ
しめじは全体的に弾力があり、軸が白くて太いものが◎(Ph/photoAC)
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保存の際は、まいたけと同じように未開封ならパックのまま野菜室へ。開封したものはキッチンペーパーまたは新聞紙などで包んでポリ袋で保存します。冷凍する際は石づきをカットしてからバラバラに分けて、冷凍保存用の袋に入れましょう。3週間ほどで食べ切るのがおすすめです。ただし、冷凍した場合は少し風味と食感が悪くなります。

保存は冷凍や干すことで栄養がアップ

きのこ類は基本的に冷凍保存ができます。冷凍することで細胞壁が壊れるため、生で食べるときよりも栄養の吸収率が上がるといわれています。

きのこを乾燥させている
きのこは日光に当てて乾燥させることで栄養価がアップ!(Ph/photoAC)
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ちなみに、保存のときは干しきのこもおすすめです。石づきをカットしてから食べやすいサイズにわけ、重ならないように大きなざるやネットに広げて1~3日、日中、屋外で干せばOK。日光に当たることで、エルゴステロール(エルゴステリン)という成分がビタミンDに変化して、美肌や免疫力アップ効果がより期待できます。干すことで旨み成分も増えるといわれているので、ぜひ試してみてくださいね。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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